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商業出版する方法#72〜【著者のキーポイントは「タグ」「アウトプット」で「選ばれる人」になること】澤円さんインタビュー

元KADOKAWAの編集者でビジネス・実用書出版プロデューサーの渡邉です。

今回はちょっと変わりネタ。
私が担当編集&出版プロデュースさせていただいた著者のインタビューからビジネス・実用書業界で「著者として活躍する方法」をシェアさせていただきます。

今回は元マイクソフトテクノロジーセンターセンター長であり、現在は株式会社圓窓の代表取締役として、活躍する、澤円(さわ まどか)さんです。マイクロソフト時代は年間250回以上のプレゼンをこなす伝え方のスペシャリストとして活躍されていらっしゃいました。

澤さんは、『外資系エリートのシンプルな伝え方』(KADOKAWA/中経出版)、
『マイクロソフト伝説マネジャーの 世界No.1プレゼン術』(ダイヤモンド社)、『当たり前を疑え』(セブンアンドアイ出版)

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そして最新作『個人力』(プレジデント社)などの著作をもち、現在も大活動中のビジネスパーソンです。

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澤さんが出版を意識された経緯から始めていきましょう。
(インタビュー時は2019年でしたので、まだ澤さんがマイクロソフトにお勤めであった頃になることをあらかじめお知らせしておきます)

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1)出版を意識しはじめられた経緯について

(以下、澤さん)
Microsoftに勤めながら、それでも最初は普通のビジネスパーソンでした。でも14年くらい前からかな・・・、SNSなども含め対外的に発信するようになることで、様々な人とのつながりができるようになり、講演などの依頼をいただくようになりました。

その中で、琉球大学において人材育成に関する1DAY講義の仕事があって、学生さんから「澤さんの場合、セカンドキャリアってどうするんですか?」て聞かれたんですね。

その質問がくるまで、あまり深く考えてはいなかったんですけど「大学の先生になるものひとつですね……」と返答したんです。

で、その時に「じゃあ、どうやったら本当になれるかな?」とより自分のなかで気づきが深まり&考え始めたのが、出版へ興味をもちはじめたきっかけでしたね。

結果的に、第1作目と前後くらいに、琉球大学から正式に客員教授としてのオファーをいただいたわけですけどね…!

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2)本を出すのなら「認知をあげる」から先に始める・・!?

(以下、澤さん)
でも、そこで考えたんです。

じゃあ大学の先生になるためには、どうすることが最善の方法なのかな・・・?と。

そこで、本を書いていたり自分が目指すような経験をしている知人に聞いてみたんです。すると「一番早いのは本を書いておくことですよ」って教えてくれました。

「本を書くと教科書代わりにもなるし、名刺代わりにもなるから良いですよ」って。

じゃあ、本を出すことってどういうことなんだ?どうすれば?とおもって、妻の友人で雑誌やwebの編集者をやっている女性がいたので、その方に相談してみたんです。

すると・・・「本を出したい!とおもって企画をいきなり出版社に持ち込んでも受け入れられることは難しい。そもそもメディアで露出できてもいないし・・・。まずは認知してもらうことからはじめたらいいのではないか?」ということになり、いろいろタイミングも重なって「CodeIQ」というエンジニア向けのWeb連載につながったんです(現在はリクナビNEXTで記事が公開されています)。

で!連載をはじめて3〜4ヶ月したら、渡邉さんから出版のオファーをいただいたんですよね(笑。
(注:当時渡邉はKADOKAWA勤めのサラリーマン編集者でした)


3)アウトプットすることの重要性を身をもって理解できた・・・!

(以下、澤さん)
まさに「CodeIQ」の連載情報をきっかけにして、渡邉さんからオファーのご連絡をいただけましたよね。

そこから第1作目の『外資系エリートのシンプルな伝え方』ができていったのでした(笑。

だから・・・「本当に…アウトプットって…超大事だなあ!」って実感しました。

さらにいえば、あの記事は自分で執筆もしていたので、自分で書いて、なにか人の目につくところへ出すということ、様々なチャネルを使って組み立てていくっていうことは重要なんだ、って確信もしましたね。

なお……ただ言葉で連載・発信するだけでなく、「CodeIQ」ではスピンアプトでイベントなんかもやっていて……。

多くの読者に触れ合えることもおこなってました。

だから、読者の方にイベントに来てもらって、僕のことを「認知してくれる」、僕の顔をみて、声をきいてくれる。こういう状態につながったのも結果としてよかったんですよね。

本の読者に結びつきもしましたから。

かつ読者になりうるであろう方たちは、本を出すと拡散もしていただける。

こうした流れもすごく大きいことだなあ、って感じましたね。


4)著者になるのに肩書きが決定打にはならない。
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ここで、少し補足説明。
雑誌やwebの編集者さんが知り合いだからといって「連載」をもてる・連載がfixする人も意外に希少です。ましてや、「CodeIQ」は大手メディアが運営している(リクルート)の媒体。
その辺り・・・メディアにおいて連載までいける人といけない人の違い、連載をしてほしいと指名される人って何だったのか?「肩書き」が効いたのでしょうか?

その辺のところも率直に伺うと、次のように応えてくれました。
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(以下、澤さん)
結論からいうと、「肩書きは決定打にはならない」ですね。

それよりもむしろ、僕の仕事のアウトラインがCodeIQの方向性とあっていた、という面は一ついえるとおもいます。

僕の仕事の基本は、「Microsoftのテクノロジーをすべての顧客セグメントに対してどんどん紹介していく」です。

その「やり方」が、差別化にずいぶんとなりうるアプローチだった、ということかとおもいます。

ようは、製品やテクノロジーの説明する人はいっぱいいるけど、それが「面白い・興味をひく・役に立つ、人生に意味をもつ伝え方ができる人」は・・・やっぱり多くはいなかったのです。

幸運なことに、僕はこれができていたし、仕事を通じて得意になったスキルでもあるので、「どうせ話をきくなら・・・澤さんがいいだろう!」になったんじゃないかと。

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5)差別化要因とは何か?
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補足です。差別化要因はとても大事なことです。
ということは、澤さんの差別化要因のひとつとして「髪の長さ」もあるのか?
ある意味トレードマークともいうべき「髪型」です。
この質問に対してお答えいただけました。
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(以下、澤さん)
そうですね(笑!

それは完全にあります。

でも「髪が長ければいいのか」というと、そうでもないですよね?

大事なのは、個性の掛け合わせだとおもいます。
それによってユニークなものができあがる。

僕の場合は、髪の長さもあるけど、プレゼンが好評いただいているというのも強みであり個性。

その辺の「掛け合わせ」が大切なんじゃないかと。

だって、髪が長いだけでは、売れないロックバンドの男性だって・・いるじゃないですか(笑。
プレゼンがうまい!な人もごまんといるはず。
それ個々単体ではインパクトが弱い。
でも、そういった個性や強みが「掛け合わされる」ことで、強力なインパクトになりうる。

もちろん、その個性と掛け合わせが「意外と人に受け入れられづらい」ものだと、逆の効果もあらわれる。インパクトが弱くなったり、ネガティブな影響をあたえることだってある。
だから、どういう個性を磨くか「よりよい自分の磨き方」も視野にいれたほうがいいとおもいますね。

どうせだったら、人から好印象をもたれやすくて、自分ならではなオリジナリティを伸ばしたり、数多くもったりするほうが良いのではないでしょうか。

まあ、僕の場合だと、髪が長くて、テクノロジーに詳しくて、それでいて文系出身、プレゼンさせるとなんかこいつ面白い!みたいなものが、結果的に生きているとおもいます。それが「連載に選ばれた」要因ではないかとも分析しますね。

そして本を出すことで、また新しい個性や強みにも気づいたりもする。

アウトプットを重ねていくことで「個性をアップデート」していることが、自分にとっても相手にとっても良いことなんじゃないか、と思います。

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このインタビューは長いものでもあるので、こちらから全文が読めます。ご興味あればアクセスくださいね。



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