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商業出版する方法#46〜”著者が本を売る”という点に、15年ビジネス・実用書の編集をやってきて考えること。

ビジネス・実用書出版コンサルタントの渡邉です。

ビジネス書の伝説的な著者に「竹田陽一」さんという方がいらっしゃいます。本業は中小企業・およびその経営者向けの経営コンサルタントなんですが、日本で「ランチェスター戦略」を根付かせた経営コンサルの大御所ともいうべき方でもあります。

書籍もベストセラーを数多く出され、「小さな会社の〜」とタイトルにwordingがついた本で非常に有名な方でもあるんですね。
(竹田先生の本についてはこちらが詳しいと思います)

 

その竹田先生、私KADOKAWA時代に一度お会いしたことがあります。
福岡でイベントを行った時に、おこしいただいてたのです。
そのイベントは、福岡や九州各地で活躍する経営者の催し。竹田先生の教え子や後輩さんたちもたくさんいらっしゃいました。

んで、挨拶にたった竹田先生がこんなことを言い始めたのです。


「あのね、本はね、「著者」こそが売るんだよ!
みんな本書きたいんだよね。そして売りたいよね。
みんなが、個人でもがんばって売るんだよ!
出版社に頼ってばっかちゃだめだよ!」


私は、イベントの運営スタッフとして、後ろの方で控えていたのですが、いきなりこんな事を吠え出して

「えーーーーーーーーーっ!?」

て感じでした。
ビジネス界の大御所で、ベストセラーを連発している方が堂々と言うのですから、めちゃくちゃビックリです!!

たぶん、これをお読みの方々も「は?なによそれ」ておもうかとw。

でもよくよく聞いてみたら、いろいろと納得できるところはあるんですよね。

竹田先生は、

>出版社で本出したからって、いい気になるなよ。
>出版社は、本屋さんに本を置く努力もしてくれるし、広報活動もやってくれるだろう。
>でもそれ”だけ”で、本は売れない。
>著者もしっかり努力しないと。
>気合いれてやれよ!アピールしていけよ。

ってことを言いたいんだな、と。

しかし、本当に売れている本って、実はこの通りでもあって・・・。
著者が売る、というのもありますが・・

最後は”著者”で売れていく

ってところがあるんじゃないかな、って思うのです。本当に。

それは、

・著者の実績であったり
・経験から培われた「知名度」もあるでしょう
・事業の規模であったり
・本のコンテンツやメソッドであったり
・クライアントさんの数や、深いクライアントまでいかなくても興味を持ってくれる「プレ・ファン」みたいな人たちの存在だったり・・


・・・以上にもとづいた、出版企画全体のことであったり・・・。

その可能性がありそう(最近では確実に売れるな、という安全路線傾向が強まってはおりますが)、と思える人に、出版社はオファーしているわけで。。

ま、こういうお話しをしたら賛否両論はあるかもなーって思います。しかし、文芸の世界と違いビジネス・実用書は、コンテンツは著者が出すのが基本でもあるし、何よりもご自身の本でもあります。
だからご自身でもアピールするというのは、全然有りなんですよね。

>セミナーや講演会で、即販売会するのもアリですし(→ここがまとまって本が売れやすいです)

>最近では「SNS」を生かした、出版販促を行う方もどんどんいらっしゃいます。
すごく良い事だと思いますね。
代表的なのが「Facebookグループ」や「アメブロ」、ツィッター、Instagramなどをうまく活用した事例でしょうか。。

SNSでの拡販戦略というので代表的なのは「イベント化」する事でしょうかね。
最近は、コロナ禍もあってリアルイベントへの集客もなかなか告知できない状況。
でも、新刊記念で出版パーティーやそれに類するイベントはやりたいところ。

イベント化していき、「みんなで盛り上げる!」ことで、参加者のモチベーションをあげたり、「わ〜楽しそう!」と思わせていくことで、イベント参加者をどんどん増やしていく。。
(実際はFacebookグループを活用した、出版イベントマーケティング、だと私は思っていますが、ただこれが意外にもユニークなのですよね)

そうなることで、拡散してくれる人も増えていく。
クチコミでどんどん広がっていく・・・。

といった感じでしょうか。

SNSを活用した「著者の販促戦略」って、すごいアリだと思っておりまして・・・。
こう言ったらなんですが、ぶっちゃけ今の人々は「スマホ」から「SNS」からまず情報をとります。新聞や本が第一次情報取得の媒体ではなくなりました。

その意味でもSNSの利活用が、こんな業界においても求められてくるわけだし、上手に活用できると本の拡販に結びついていく。人の輪も広がりやすいですし、ビジネスの拡大にも繋がっていきます。

その意味でも、やはりSNSはおそるべし!なのです。

あえてズバリ申し上げますが、「本屋さんで置いて売られているだけでは、全く売れない時代」に入りました。
本屋さんより前に「SNS」が入る、、という現実からは、目を背けるのはやめたほうがいいと思います。
本屋さんにぶらっと入って、本との出会いを楽しむ!という派の人には「酷な話」かもしれませんが、、

ただ「現場」はどんどん変化していますので、その辺の事実は認識しておくだけでも損にはならないと思いますね。

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