見出し画像

商業出版する方法#99〜簡潔な出版企画書ほど編集者は興味を示さない

出版企画書については、その存在から、書き方、編集者にオファーを受けやすい企画書とはどういうものなのかについて、すでに多くの出版関係者や著者が発信しています。

そのような中であらゆる「憶測」や「噂」もあります。

正しいものもあれば、そうではないこともあり、また「昔はそうだったかもしれないけど令和3年現在は異なったケースが生まれている」というのもあります。


1)本当の本当に編集者は企画書を読まないのか?
例えば「出版企画書を編集者は読まない」「目を通さない」ということを、相変わらずめちゃんこいーーっぱい聞くのですが、私はこれは前提として明らかに間違っていると思います。

基本編集者は「出版企画書」は目を通す人が9割以上だと思います。
だけど、

リアクションがない!ことも9割以上なので、読んでもらえているのかの手応えを極度に感じづらい。

というのが本質なんだろうなあ〜と考えます。

優秀な編集者ほど、きちんと企画書を見てるし読んでます。
でも「採用したいな」とか「企画会議に諮ってみようかと考えるから、一度この人と話をしてみようかな」って思わないと、連絡がいかないです。

要はいちいち「企画書に対する返答や企画通知の是非を、丁寧にホスピタリティを持ってお伝えすることはほぼない」と言っていいでしょう。

だからこそ余計に「読んでもらえてないのでは」「見てもらえていないのでは」と考える傾向や噂が飛び交うのでしょう。

改めて言いますが、編集者は出版企画書は「見ている」し「読んで」います。
だけど、その次のステップへ進むかどうかはクールにジャッジするので、何も先方から反応がないようであれば、基本的に「次のステップに進まないのだな」と諦めて別の出版社にアプローチするなど、さっさと切り替えた方がいいでしょう。


2)もはや「簡潔な企画書」は飽きられている
「編集者は出版企画書なんて読まない」「だからこそ、企画書を長々と書くな。簡潔にまとめなさい!」「Word1枚くらいでもいいんだよ」と教えている出版塾やセミナーもあるようです。

ですがこうした「簡潔な企画書」こそが・・・逆に山ほど、出版社に編集者に届いています。

そして残念ながら簡潔な企画書ほど、内容が浅はかなケースがこれまた9割以上!
だから「編集者は全く惹かれない」し、「企画会議に諮ってみるか」と思える気持ちもドーンと萎えます。

浅はかな企画書ほど、他著書・他著者との差別化やオリジナリティが感じづらいです。商品設計も企画立案もできていない。
加えてやっぱり「著者候補が書きたい!伝えたい!だけがてんこ盛りの情報のみとなっている」ケースが圧倒的。
だから、読んで・・はい終わり、になることも多数なわけです。

私もKADOKAWA時代はそれこそ1日一通〜三通くらいは、常套的にデスクの上に企画書が届いていました。

が!そのうち採用したり、企画を検討してみようかなと思ったのは「一通もなかった、、」という極めて酷なジャッジをしていた現実を、今公開させていただきます!

だからこそ、思ったのです。

私がコンサルやプロデュースする場合の企画書は「簡潔なものにしない」と。本当に有益な情報を、適切な量(枚数)で完成させ、出版社へアプローチする(したい)クライアントをサポートする、と。

なので私がコンサルやプロデュースでクライアントと作成する企画書は「Word5〜10枚程度」になります。

でもこれくらいの分量がちょうどいい、んですよね。

出版企画書は「出版社というメーカーが、作る本という商品の企画設計書」です。何も本を書きたい人が書きたいことを企画書に書く!というものでは全くないのです。

なんでも商品は「企画」があって「具体的な手順や制作手法、販売に至る戦略や戦術まで」を書類で見える化しながら、実際に作られ。売られていくでしょう?

だからこそ、出版企画書は「めちゃくちゃ気合入れて、労力を投じてガッツリ作成する」必要があるのは否めません
特に「出版したい!と思っている」ビジネスパーソンが「出版社にアプローチ(持ち込み)をしたい・・と考えているなら」なおさらですね。

そしてそういう企画書を送っていることで、私のクライアントさんに関しては「出版社からのフィードバック(反応率)は100%」状態。
企画通過も無論のことですが、この「出版社からの適切な反応」がなければ出版決定まで動かないことが9割なので、その意味でも、企画書は良い意味でちゃんと書くことを指導させてもらっていますね。

最後に改めて言います。

出版企画書は、出版社というメーカーにおける「商品設計・販促計画書」です。これを前提として、気合入れて企画書制作には取り組みましょう!


========
*ビジネス・実用書で商業出版したい!ビジネスパーソン向けのメルマガやってます→https://rikabook.com/pubmerumaga



この記事が参加している募集

業界あるある

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?