彼と離れようと決心して別れをほのめかす。
ー別れましょう。
と言えるほど強くない。
あなたはどうしたい?決まって私はクエスチョンを投げかけて彼に答えを委ねる。
彼はいつも言う。
僕が決めれる事じゃない。ただ君といると幸せだ。
言い回しを変えながら毎度同じ事を言う。
そうすると私は無意識に彼に近付き、
彼も無意識に私に手を伸ばす。
のどがじりじりと音をたて、私は空っぽの安い涙を流す。
私はきっとメロドラマの一部なんだと。
この安劇を死ぬまで彼と繰り返すのだ。
永遠にここから離れられず。
時々他の男に抱かれながら気を紛らわして。
#小説 #読み切り #短編 #コラム #エッセイ
#依存 #恋愛