理想の未来を耕そう!フォルケホイスコーレで始まるパーマカルチャー
フォルケホイスコーレという教育機関、ご存知ですか?
最近は日本からの留学生も多く、一度は耳にしたことがあるという方もいるのではないでしょうか。
私も友人が留学したのをきっかけにフォルケホイスコーレという言葉を知り、恥ずかしながら最初はてっきり固有名詞なのかと勘違いしていたのですが... (汗) デンマークで1830年代(!)に生まれた教育機関の総称だそう。
「大人のための学校」と説明されることもあるフォルケホイスコーレですが、デンマークでは高校から大学・大学から大学院へ進学するあいだの3〜6ヶ月間に通う人が多いんだとか。だから生徒の主な年齢は18〜25歳。
国内に60校もあるフォルケホイスコーレの特徴は
・全寮制
・入学試験も、在学中の試験も、卒業試験もない
・科目が多岐にわたる
ということ。(参照:こちら)
お知り合いのSakikoさんが今年からホイスコーレに留学されていると知って、会いに行ってきました!
(Sakikoさんの留学生活に関するnoteは日本やデンマークのライフスタイルの違いから自分の日常生活について考えさせられることが多く、とても素敵なのでこちらも是非↓)
コペンハーゲンから電車で1時間ほど西に移動し、ホイスコーレに到着。
1800年代に建てられた建物が校舎として使用されていますが、学校自体が設立されたのは5年前だそうです。
ありがたいことに、1日だけ授業を体験させてもらうことに。
アートや電子音楽などのユニークな授業が開講されているなか、「興味あると思うよ」と勧めていただいたのがGreen guerilla(グリーン・ゲリラ)と名付けられたパーマカルチャーの授業。
パーマカルチャー/permacultureとは、permanent(永久な)+agriculture(農業)=自然と調和した、持続可能な農業や建築を取り入れた社会をデザインするというコンセプトです。
(都市型パーマカルチャーで、緑の少ない公共空間に勝手に草花を植える"ゲリラ・ガーデニング"という活動があるので、コース名の「グリーン・ゲリラ」はそこから来ているのかな?)
デンマークの環境NGOの協力を得て始まったというグリーン・ゲリラの授業スタイルは、大きく分けて2種類。
教室で理論(気候変動、政治、人間と自然との関わりなど)を学ぶ授業と、外に出てパーマカルチャー的な活動を実践する授業があり、私が訪れた日の授業は実践型でした。
動き出す前に、まずは教室で作戦会議。
壁には、生徒が出したアイデアを書いた付箋が「やりたいこと」「今やっていること」「既にできたこと」に分けて貼られています。
その「やりたいこと」の中から、今日は何をやろうか?と、生徒が主体となって案を出します。この日は、新しい畑の準備、風力発電の実験、そしてピザ窯作り!
それぞれの生徒の役割を決めたら、いよいよ教室の外へ。
私も、生徒たちと話をしながら作業を手伝わせてもらいました。
政治やジェンダーにまつわる社会問題について話したり、日本とデンマークの教育制度や若者の価値観の違いについて話したり。
楽しみながら授業に参加していて気付いたのは、誰が指図したり、されたりするわけでもなく、それぞれの生徒が主体的にチームに貢献しているということ。人数分のコップとお水を持ってくる人や、スピーカーで音楽を流す人もいて、楽しみながら活動できるような心配りを自然としあっているような印象を受けました。
評価や試験がないフォルケホイスコーレだからこそ、かえって自分や他者、社会や環境により良い行動をしようというマインドが自然に培われるのかもしれません。
先生も生徒たちの活動にむやみに口を出さず、あくまで「ファシリテーター」として 生徒の活動をより円滑に進める手伝いをしていると感じました。
パーマカルチャーにまつわる理論や実践方法を学ぶ場としてだけでなく、同じ関心を持つ若者とのコミュニティとしても機能しているというグリーン・ゲリラ。
日々、環境破壊や気候変動のニュースを見て「不安を感じながらじっとしているのではなく、仲間と集まって実際に行動してみることが大切」だと先生は話します。
これはパーマカルチャーに限らず、どんなことに対しても言えるのではないでしょうか。
"If you have an idea, how do you make it happen?"
思いついたアイデアを、どう形にするか?
先生が何度も口にしていて、印象に残っている言葉です。
社会の矛盾に気付いて途方に暮れてしまいそうな時にでも、できることはあるはず。とりあえず行動してみよう!
そう思えたフォルケホイスコーレでの1日でした。
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