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エッセイ

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エッセイ。日々の気づきなど。
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#思考の言語化

深淵をのぞく時深淵もまたこちらをのぞいている

深淵をのぞく時深淵もまたこちらをのぞいている

花はただそこに咲いているだけで美しい。

そう思って生きてきた二十数年だったが、ある商業施設の花壇に物凄い密度でぎゅうぎゅうに植えられた花たちを見て、美しいという気持ちより
く…苦しい…という気持ちが勝った。

しかも、密度だけではなく、取り合わせもよろしくなかった。
個性が強く、彩度が高く、その上、主役張れますけど?みたいな顔してるお花ばかりが選りすぐられていて、花壇全体に澱んだ空気が漂っていた

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鏡の中で合う目線

鏡の中で合う目線

私が不思議だと感じたことの中で一番古い記憶について。

幼稚園児だったとき、ボーッと眺めていた鏡の中で後ろにいた友達と目が合い、鏡の中から手を振られたことにとてもびっくりしたことを覚えている。

鏡の中で目が合うという現象が理解できていなかった私は、友達が何か特殊な能力を持っているのではないかと思い、数日間その友達を警戒していた。
当たり前だけど、その数日の観察で友達に変わったところは発見されず、

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気にしなくても良いことを

気にしなくても良いことを

通勤ラッシュのときに改札にひっかかる、電車で目覚めたとき、目の前にいたのが足がプルプルしているお年寄りの方だった、普通の春雨サラダだと思って買ったのに食べるまでタイ風であることに気付けないetc…
日常、まあまあの頻度で起こるほんの些細なことを家に持ち帰って大反省会を開いてしまう方へ。大丈夫、あなただけじゃないですよ。

人を不快な気持ちにさせたくないのと自分が傷つきたくない気持ちが強すぎて、ふつ

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さだまらない

さだまらない

日々忙しくしていると、自分の感情や好きな物事がだんだんと輪郭をなくし、ぼやけていってしまうような感覚がある。それは私をとても不安にさせる。足元がぐらついて、芯がなくなっていくような怖さがある。

私がほんとうに好きなことって何だったんだろう。興味のあることって何だったんだっけ?

それを確認するため、というか、ちゃんとhomeに戻ってくるための道標のようなものが自分にとっては読書であって、決して娯

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