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身体作りではなく、動き作り

 こんばんは。
 愛媛県で理学療法士、スポーツトレーナーとして活動しています宇治村信明(うじむらのぶあき)と申します。

 今回はトレーニングに対する考え方についてお伝えさせていただきます。

 『日本人選手は外国人選手と比べて、フィジカルが弱い』、『フィジカルで負けている』など、"フィジカル"という言葉をトレーニング場面やスポーツを観戦している時などに多く耳にする言葉です。この“フィジカル"という言葉を聞くと、ほとんどの方が"筋力や身体"ことを言っていると思われると思います。

 しかし、『フィジカルが弱い=筋トレ(肉体改造)をする』ことで、パフォーマンスは上がるでしょうか。チーム、個人として相手に勝つことはできるのでしょうか。

■身体作りではなく、動き作りを

 上記でも述べたように、『フィジカルが弱い』ということで、"筋トレをして肉体改造"や"身体作り"など、身体を大きくしようとするトレーニングが多く行われています。

 そもそもトレーニングの目的は何でしょうか。どのトレーニングに関しても注目すべき点は、『日常生活やスポーツ競技動作への転移』であり、この"転移"を意図としたものでないと、日常生活動作やスポーツ競技動作ではその機能は活かされません。
 

 "身体を大きくしよう"とする際の筋トレは、主に身体のある1つの筋群をトレーニングする(身体部位別アプローチ)ことに強く焦点をあています。

 "身体部位別アプローチ"を行うことは、スポーツパフォーマンスにおいて、スポーツ特異的な機能に関して欠点があることを知っておかなければいけません。

 スポーツ競技において、複数の筋肉間の協調性(コーディネーション)は、トレーニングにおいて重要な役割を果たします

 "身体部位別アプローチ"では、この筋肉間の協調性(コーディネーション)の要素はほとんど含んでいません。また、"筋肥大(筋肉を大きくする)"は、筋肉が疲れきった時だけに起こります。"筋疲労"が起こると、筋肉間の協調性パターンに対する制御にエラーが起こり、必然的にパフォーマンスの低下や怪我のリスクを高めてしまいます。

 身体はパフォーマンスを高める要素の
一つであり、"身体を思い通りに動かす"、
"目的とした動き"、"よりスピードを上げて、
不安定な状況でも安定して動かす"ことが大事

 
 ということは、パフォーマンスの向上や怪我の予防を目的とするためには、"身体"に焦点をあてたトレーニングではなく、"動き"に焦点をあてたトレーニングをしていくことが大事になってきます。

  "動き"に焦点をあてたトレーニングを行うことで、"自分の動き"にあった身体に変化していきます。結果として、"身体作り"もできるということです。

 動き作り → 結果として身体作り


■子ども達に対するトレーニング

 
 子ども達に対するトレーニング指導の際、どのように行っていますでしょうか。
 前回の記事で、子どもの発達発育についてお伝えさせていただきました。重要なキーワードは"神経系"です。この神経系は、上記で述べた"筋肉間の協調性パターンの制御"に大きく関わっています。

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 上の図を見て下さい。

 ゴールデンエイジ世代(5〜12歳)では、"神経系"の発達が最も強く、"動き作り"にとても大事な時期です。
 筋肉をどのように動かすのか、また動作を作り出すのも全て"脳(神経系)"からの指令のもと行われています。このため、この時期に"身体を思い通りに動かせる"能力を身につけるようなトレーニングを行うことが重要です。  

 ポストゴールデンエイジ世代(12〜16歳)では、筋肉、骨格系の発達が急速に発達する時期であり、身体作り(身体部位別アプローチなど)による怪我のリスクが非常に高くなりやすいです。怪我のリスクを高めないためにも、"動き作り"に焦点をあてたトレーニングが重要になります。

■まとめ

 今回は、"動き作り"の重要性についてお伝えさせていただきました。
 身体部位別アプローチでは、筋肉間の協調性(コーディネーション)の要素はほとんどなく、スポーツ競技や日常生活への転移が生じにくい。このため、"動き作り"に焦点をあてトレーニングすることが大事です。
 "身体部位別アプローチ"が悪いわけではなく、トレーニングの目的を自分自身の中で明確にする必要があるということです。

 "動き作り"という視点をもって、取り組んでみてください。

 僕のInstagramに、トレーニング動画など投稿していますので宜しければ見て行ってみて下さい。
 https://www.instagram.com/ujimura.0311

 ご質問などありましたら、DM(Instagramから)いただけたらと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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