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真木共働学舎

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へたれ大学生だった私が真木へ行き、帰ってくるまでの記録。(一部茨城県での苦悩もあり)
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2020年2月の記事一覧

私が思うに、荷上げは義務であり、信頼であり、承認なのだ。

私が思うに、荷上げは義務であり、信頼であり、承認なのだ。

真木には様々な仕事がある。農作業、鶏の世話、山羊の世話が主なものだが、その他にも炊事、洗濯(これは1,2週間に1度だが)、掃除(当番制)ももちろんある。壊れた道具や家具があれば自分たちで直すし、時には家までも直す(なんと茅葺屋根の修理もする。日本全国、10人いるかいないかといわれている茅葺屋根職人さんが、真木にいるのだ!ちなみに私も手伝ったことがあり、その経験は一生の宝ものである)。

様々な

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私は自分の身体のコントロールを9割9分9厘、失った。

私は自分の身体のコントロールを9割9分9厘、失った。

峠を2つ越えるのだ、と聞いていた。

すると、私は1つ目の峠に達したということだ。

先へと続く道は、なんと、下り坂になっているではないか!

下る、ということは、登る、という行為よりも楽に違いない。だって、重力に逆らわないのだから。20㎏の荷物も手伝って、なんなら気持ちよく進めるのではないか?

自分自身の内側の宇宙に引きずりこまれていた私の眼前に、ひとすじの希望の光が差した。

そして、あっけ

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だんだんと、私は私の中へ堕ちていった。

だんだんと、私は私の中へ堕ちていった。

ザッザッという足音。

異常に荒い自分の息遣い。

破裂しそうな心臓の鼓動。

土で汚れたスニーカーと地面。

たったそれだけの世界。

それだけの世界で、私は生きていた。

止まりたい。苦しくて。

でも、止まったところで?誰かが私を負ぶって運んでくれるとでも?

止まったところで。

ただ、時間が過ぎて。そして、しばらくして、

再び歩き出すだけではないか。

また苦しむだけ。それだけのこと。

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