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不登校が今社会に必要なワケ

突然ですが、皆さんは「不登校」という言葉に対してどのようなイメージを持っているでしょうか。

多くの人はこの言葉を聞くとネガティブな社会問題、あるいはパンドラの箱のような触れてはいけない話題のように感じるかもしれません。
当事者の中には、自分という人間がネガティブに定義づけされるような、とてつもない嫌悪感を感じる人もいるでしょう。

かくいう僕も不登校を経験した一人としてこの言葉が大嫌いです
この記事では「不登校」のネガティブなイメージを払拭するために

「主人公」

という言葉に置き換えて自分の考えを述べさせてください。

まずは簡単に自己紹介から。

私は小学5年生から中学三年生までの4年間主人公を経験しました。
最初は1日休むだけ、そう思ううちに気づけば4年が経ちました。
きっかけは自分でもわかりませんでした。主人公になるまでは友達も少なくなく、いじめや家庭の問題といったこともありませんでした。
しかしこの理由もなく主人公であるということがより一層自己肯定感を下げ、自分を責め続けることにつながりました。


その後なんやかんやあって高校からは学校に通いだし、今は関西の国立大学の4年生です。
主人公だった当時は、毎日学校にいけない自分を責め立てるだけの日々でしたが、現在大学に通い社会や経済について学びを深めている中で、今の日本社会に必要な人、あるいは近い将来この社会を変えていく人は実はかつての自分のような主人公たちなのではないかと思うのです。

ここからは社会学的な話に移りますが、日本の失業率はG7のなかでも長年最低水準を守り続けています。2022年の完全失業率は2.59%でこれは中国などG7に所属していない経済大国と比べても大変低い数値になります。つまり、日本は先進国の中でも最も失業者の割合が少ない国の一つに該当するのです。

OECDのデータをもとに自民党が作成(2022)

しかし、経済成長の面から見ると話は別です。
一国の経済状況を表す際に最も考慮される要素の一つである実質GDPは
以下に示すように主要先進国と比べて横ばいの状態がずっと続いています

OECDのデータをもとに内閣府が作成(2021)

ではなぜ長年経済成長が低迷しているのでしょうか。もちろん、少子高齢化など様々な要因は考えられますが、この30年間日本国内でイノベーションが起こらなかったことが大きな要因の一つと言われています。

実際に今の社会をリードしているITやAI、半導体などの分野における
イノベーションはほとんどが外国で起こっています。
私たちの身の回りでもAmazonやNetflix、Uberなどの企業はどれも外国資本です。その国、社会を大きく変える物はイノベーションなのです。
つまり、これから日本社会がさらなる成長を遂げるにはイノベーションを生み出せる人材が必要不可欠です。
そしてイノベーションを生み出すために必要なこと、それは

「常識を打ち破る発想」

そして、

「隙間」

です。


イノベーションを起こすためには常識を超えた発想が必要です。そして次に重要なのはその発想を実現するために生活の中に十分な「隙間」があることです。私は、主人公であることはこの2つの条件を満たすうえでとても有効であると考えています。一般的に主人公であることはネガティブな方向に目が行きがちですが、自分のやりたいこと好きなことに目いっぱい時間を使えるというポジティブな側面もあります。また、人とは違う経験をしている僕らは学校に行っている人には思いつかないような常識を破る発想が生まれやすいと経験から感じます。今ある隙間時間を有効活用し、自分の好きなことやチャレンジしたいことに目いっぱい取り組めば、今社会に必要とされている個性的なイノベーションを主人公たちが起こし得ると僕は強く信じています。


最後になりますが、僕が主人公だった時期を振り返って一番後悔していることは多くの時間を自分を責めることにばかり使ってしまったことです。あの時もっと自分の好きなことややりたかったことに時間を使っていればと今は思っています。

現在、主人公である人たちやその保護者の方には学校に行くことだけを目標とせず本人の夢ややってみたいことを今一度考える時間を作ってほしいです。もちろん、学校に行くことが悪いといっているのではありません。学校生活で得られる友人や経験、知識などはとても貴重な物です。
それは主人公を経て学校生活を経験した身として大いに感じます。

しかし、本人の個性を尊重し他の可能性も育むこともとても重要なことであると感じます。そしてその個性は必ず社会全体にとっても大切な財産になることは間違いありません。
主人公を経験した身として、主人公であることで自分を否定し責めてしまう人たちが一人でも減り、それぞれが自分の個性を武器に社会で活躍する「主人公」になることを願っています


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