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2021年3月の記事一覧
『ノマドランド』(クロエ・ジャオ監督作品)自動車で移動しながら生きるー広大なアメリカの地は、彼女に何かを与えるのか
映画『ノマドランド』の宣伝を見たのはずいぶん前で、アカデミー賞候補とか、そういう話も出ていない頃だったと思う。ただ画面に映っているショートカットの人が、以前NHKのドキュメンタリーで見た、同じ車上生活を選んで暮らす女性とすごく似ているなと思い出して。あああのアメリカの話が映画になったんだ、もしかして本人なのかなあ? そういう記憶で、なんとなく興味を持っていた。
もちろんテレビで見た人と主役を演じ
全ての野球好きに、全ての女の子に、全ての男の子、全ての人々に、捧げる。『野球少女』(チェ・ユンテ監督作品)は、天下一の野球映画だ!
速い球は必要ない。回転数の高いボールとナックルボールで、打者を討ち取る。それがわたしの長所ー
野球が大好きで且つ天才的な能力を持つ少女スイン。韓国では高校の野球部に女子が入ることは許されていないが特例で入部し、野球を続けてきた。最速134kのストレート、女子では世界に数人しかいない触れ込みで、知る人ぞ知る存在だった。
映画パンフレットの解説によれば、韓国の高校野球は、プロを目指す者が選択する特
『「少女マンガを語る会」記録集』ー少女マンガはどこから来たの? 戦前から戦後へ激動期が育んだ花たちのー少女マンガを取り戻すためにーそれもまたどこから?
2021年のお正月明け、NHK地上波で放送された「100分de萩尾望都」は、多くのマンガファンの評判を呼んだ。もちろんわたしもその中の一名であり「ついに萩尾マンガも全国区メジャーの扱いになったのねえ」と万感胸に迫るものもあった。
番組では、著名な学者や作家、マンガ家が、我こそは世界一の萩尾ファンと言わんばかりに愛する作品について、そりゃもう前のめりに声を振るって語り尽くしている。まあこう言っちゃ
『「少女マンガを語る会」記録集』ー少女マンガはどこから来たの? 戦前から戦後へ激動期が育んだ花たちのー少女マンガを取り戻すためにーそれもまたどこから? その2
そもそも「少女マンガ」って一体なんなの?
考えてみたことのある人は、多分少ないですよね。『「少女マンガを語る会」記録集』(2020年刊 監修水野英子 編者ヤマダトモコ 増田のぞみ 小西優理 想田四)によれば、昔の漫画、明治、大正、昭和、戦争前には、はっきりと男子向け、女子向けみたいなジャンル分けはなかったそうです。「少女倶楽部」「少年倶楽部」といった少女雑誌、少年雑誌はありましたが読み物主体で、