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高畑勲×宮崎駿による唯一のドキュメンタリー映画「柳川掘割物語」をジブリ好き柳川出身者が見た感想


こんにちは~🐼
最近「君たちはどう生きるか」を観に行きました🎞

ジブリ作品は子供の頃から日常的に見てたのですが
(家にたくさんビデオがあったので暇な時よく見てました)

今回の新作映画は内容が難しかったので、色んな方の感想や考察を読んでいました。その中で宮崎駿さんの人生や高畑勲さんについて調べていると「柳川掘割物語」に辿り着きました。

柳川は私の生まれ育った場所であり、姉(ジブリ好き)から「宮崎駿が柳川の映画作ってたんだよ~」と教えて貰っていたので数年前から作品の存在自体は知っていました。

「柳川掘割物語」はDVDしか見る方法ないし、あんまり評判も良さそうではなかったので今まで見てなかったのですが…

「柳川掘割物語」を見てみたい!と思ったタイミングで丁度阿佐ヶ谷にある映画館「morc」さんが上映しているということで見に行きました🎥
(君たちはどう生きるかの上映のタイミングで再上映しているみたいです)

初めて阿佐ヶ谷に行きました!

向かう途中にポスターがありました。
雰囲気良すぎ
たまたまサービスデーで¥1000でした!
とてもオシャレで素敵な映画館でした!絵が上手👏🏻
手塚治虫さんの本もたくさんありました!🐞✒️
もう売ってない柳川掘割物語のパンフレットも置いてありました。
読ませて頂いたのですが
高畑勲と柳川出身の方との対談が面白かったです!


「柳川掘割物語」は風の谷のナウシカの後に作られたドキュメンタリー映画です。高畑監督は最初はアニメ映画のモデルとして柳川に取材しに訪れたそうですが、高度経済成長期に汚染が進んだ掘割の埋め立て計画を撤回させ、昔の掘割を戻す活動をされていた広松伝さんと出会い、感銘を受けてドキュメンタリー映画に変えたそうです。




ここからは私が柳川掘割物語を観て柳川に住んでいた頃を思い出しながら感じた感想を書いていきます✍︎

知らない柳川

映画が始まり、私の知らない昔の柳川の映像を見れて嬉しく感じました。映画が制作されたのが85~86年。私は95年生まれなのですが私が生まれる10年前の柳川の姿に少し驚いたのと自分の知っている地元の映像と方言に懐かしい気持ちになりました。

映像と違い、私が柳川に住んでいた頃には掘割は生活用水としては使用しておらず、子供も少なく、掘割で遊ぶ子はほとんどいませんでした。

また、高度成長期で掘割が汚くなっていたことも埋め立て計画があったことも、昔の人達が地域総出で綺麗にしていたことも知りませんでした。

市役所の人が掘割掃除をしてくれているのは見かけていましたが、あんなに掘割が汚くなり問題になっていたことを知らなかったのです。

私にとっての柳川の掘割

生まれ育ったときから身近にあった掘割。子供の頃から当たり前にあったので掘割の存在が珍しいと思ったことはありませんでした。

子供の頃は「川」「掘割」「クリーク」という言葉は呼び方が違うだけで同じものだと思っていました。

子供の頃は山の方にある川(星野村周辺)に良く遊びに行っていたのですが、あの辺は上流の川でとてもきれいだったので、それと比べて柳川の掘割をずっと汚い川だと思っていました。

小学生の頃にやったお堀の掃除

作中で地域の人達が掘割を掃除するシーンが出てきます。そんな時代があった事を映画で初めて知るのですが、私も掘割の掃除をしたことがあります。

小学6年生の頃に「学校の前の大きい掘割の掃除をしよう!」と担任の先生に言われ掘割の掃除を先生と同級生としたのを覚えてます。
(1日がかりで掃除してめちゃくちゃ大変だった…🥲) 

掃除した掘割はみなさんがイメージしている掘割というよりかは柵もついてたので川に近い見た目かもしれません…

柳川について調べる授業

掘割掃除日の数週間前から班ごとに「柳川について調べて発表する」というグループ学習をしました。

授業中に柳川に関するビデオを見たのですが、柳川の掘割や干潟やムツゴロウについての内容でした。もしかしたらこのビデオの中にお堀の埋め立て計画や清掃について入ってたかもしれません。
当時の小学生の私には掘割についてはあまり興味が持てずどんな映像だったかほとんど覚えていません。
「くちぞこ」という良く食べていた魚が地域特有の魚だったという事実と調理前は独特な見た目をしていたのが衝撃だったのはしっかり覚えています。

くちぞこ


柳川についての授業で色々と学びましたが、子供の頃は井の中の蛙なので他の地域のことも知らず比較の仕様もなく柳川特有の文化という認識はあまりありませんでした。

今思えば「柳川についての勉強(掘割につて)」→「掘割を掃除しよう」という流れで先生達が考えてくれてたんですね。

掘割から自転車2台を引き上げる

学校の前の掘割の掃除は丸1日かけて行いました。
ゴミが大量に拾え、自転車が2台引き上げられました。自転車を引き上げるのが大変で子供たち数人+先生の大勢で取り掛かりました。自転車が釣れた瞬間はみんな達成感で「取ったど〜!!」という歓声があったのですが、自転車を持ち上げるのめちゃくちゃ大変で「誰だよココに自転車捨てたやつ!!!!どういう思考で自転車を堀割りに捨てるんだよ!!」と当時の私は思いました😇

1日かけて大量のゴミが運動場に上げられました。
(車2~3台分くらいの量でした)

引き上げたゴミを処理するのも大変だし、掘割の中に入っていたゴミなのでもちろん臭いも強くヘドロまみれでした。

このゴミ掃除をやっている時の気持ちは
「柳川の掘割を綺麗にしよう」という感覚ではなく
「ゴミを川に捨ててはいけない」「ボランティア」という意識でした。

今回の映画を見て、あの時の掘割掃除は「柳川の掘割をきれいにする」という昔からの活動から来ていたのだと知りました。

当時の私は掘割掃除大変だし、汚いし、怪我しそだし、面倒だなって内心思っていたのですが(普通のゴミ拾いとは大変さが全然違います)映画を観て掘割を綺麗にする活動に参加できて良かった!と思いました。(学校の教育に感謝)

千と千尋の神隠し「オクサレ様」

「柳川掘割物語」で地域の方達が掘割をきれいにする活動をしている映像を見ながら、小学生の頃の掘割掃除を思い出していました。そして千と千尋の神隠しに出て来る「オクサレ様」のシーンも頭の中にポっと出てきました。
ヘドロまみれのオクサレ様の姿は、ゴミとヘドロが混じり嫌な臭いがするあの時の掘割掃除のときと似てます。

千尋がトゲに気づき、湯屋のみんなと引っ張ったら自転車も出てきたシーンは当時の私が参加した掘割掃除と重なる部分がありました。

最初は千尋と凛だけで一生懸命オクサレ様をきれいにしようとしますが、途中で湯屋のみんなが協力する姿は柳川の埋め立て反対と昔の掘割に戻してくれた広松伝さんと清掃に協力していた柳川市民とも重なって見えました。

子供の頃はオクサレ様のシーンを汚い見た目だけど実は立派な神様だった(砂金と不思議な団子もくれたし)「人は見かけで判断してはいけない」と伝えたいシーンだと思っていました。

大人になったのと柳川掘割物語を観たことをきっかけにまた違った感じ方をしました。

映画が伝えたかったこと

この映画の内容とテーマは難しく
何が伝えたかったんだろう…私は何を感じたんだろう…と振り返りました。
私が感じたことは自分の生まれ育った場所なのもあり、思い出と新しく知った柳川の一面が感想になってしまいそうでした。

高畑監督は自然と生きるその大切さを伝えたかったのかな~と思いました。 ジブリ作品は自然と共に生きていく大切さを忘れてはいけないと思い出させてくれます。

私はシータの言葉を思い出しました。

「ラピュタがなぜ滅びたのかあたしよく分かる。ゴンドアの谷の歌にあるもの。”土に根をおろし、風とともに生きよう。種とともに冬を越え、鳥とともに春を歌おう”。どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」

私は子供の頃から、なぜかこのシータの言葉が大好きだったんですが、今ちゃんと見返すと自然と共に生きる大切さを教えてくれているなと思います。

ジブリアニメとは全く別のドキュメンタリーとして観る

「ジブリの高畑勲と宮崎駿のドキュメンタリー映画だ!」とジブリアニメをイメージして観るとなんか違うと思うと思います😅 
作中に出てくるアニメーションも個人的にはあんまりジブリっぽさは感じませんでした。

ジブリアニメを想像するよりかは、高畑勲さんと宮崎駿さんが作品を作る上で大切にしていることが知れるドキュメンタリーなのかなと思います。

そして時間も長く単調なので、途中うとうとしてました😭←
内容も難しく、興味がないとなかなか観るの大変かなと思います。

柳川出身がなんとなく恥ずかしかった

自分でも酷い奴だと思いますが、田舎の柳川出身ということを少し恥ずかしかしいと思っていた時期があります。

上京して都会出身の人と出会い自分が経験したことのない環境や色んな話を聞いて、都会育ちが羨ましい気持ちと田舎出身なことが恥ずかしいと思うようになりました。

上京してから「福岡出身です」と答えるとみんな福岡市内をイメージするので「柳川」だと知ると「何だ田舎じゃん」「博多じゃないんだ」と言われるか、柳川を全く知らないかでした。もちろん「鰻が美味しくて良い所ですよね」と言ってくれる人もいましたが。

観光地だけれど、観光客は少ないし
“水郷柳川“というけれど掘割も綺麗ではないし…と思っていました。柳川で修学旅行生を見かけたときは、「他にもっと行くとこあるやろ」って思ってしまっていました。

柳川掘割物語を観て「生活の近くに水(掘割)があるということ、埋め立てする計画が反対され昔の掘割を取り戻したこと、それに感銘を受けて高畑勲さんと宮崎駿さんが柳川をモデルとしたアニメではなくドキュメンタリー映画にしたこと」を知れました。

私はすごく素敵で誇らしい出身地で生まれ育っていたことをこの映画で知りました。

掘割が埋め立てられていたら

この映画を観るまで、掘割の埋め立て計画があったことを知らなかったのでびっくりしました。
映画を観ながら、もし「掘割が埋め立てられていたら」と考えていました。私の時代では生活用水として使うことはありませんでしたが、当たり前のように道を歩けば掘割がある環境でした。
小学校の登下校中に掘割にいたアメンボやカメを見て喜ぶこともなかったし、たまに見れた魚やカモに興奮したり、もしかしたらカッパが隠れてるかもと怖がることも無かっただろうなと思いました。華やかに小船で掘割を流れる新郎新婦に「おめでとうございます」と言ってほっこりすることも無かったと思うと少し目がうるうるしました。

掘割は上流の川の水と比べたら綺麗だとは思わないですし、生活用水として掘割の水を使ったことはありませんが、私は知らないうちに自然と掘割と柳の木に癒されて生まれ育っていたのかもしれません。

広松伝さんと柳川市役所の方、掘割をきれいにしてくれた当時の柳川の人達、掘割を残してくれてありがとうございます。

私はたった1回の掘割掃除で大変過ぎると思ったくらいです。昔の掘割を取り戻すのは本当に大変だったと思います。

上京してから柳川の桜が見れない私に
地元の友達が「柳川も桜が咲いたよ」
と送ってくれた写真です🌸


ジブリファンとしては宮崎駿さんと高畑勲さんが柳川の街を歩いて作品を撮っていたことだけでもとても嬉しい…
ジブリファンは沢山いるのに私の周りの柳川の人は「柳川掘割物語」を知りません…小学校の授業で見るの良さそう! 

柳川の観光オススメ載せようと思ったのですが
長くなったので終わります。
ここまで読んでくださりありがとうございます🫶🏻

柳川のご当地PVに若かりし今田美桜ちゃんが出ていてめちゃくちゃ可愛いので見てください~💖

https://youtu.be/NYOrc0h5SN4


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