感じきること ①
~セッションの体験談より~
3年ほど前にある講座を受講していたのですが、その時のクラスメイトだったMさんに、モニターセッションをお受けいただきました。今回はその体験談とご感想をご紹介します。
Mさんは、芯が強そうだけど何ごとも大らかに包みこむような雰囲気の、一緒にいるだけでホッとできるような女性。看護師さんなのは知っていたのですが、根っからの癒し系なのでしょう、ずっと前にヒプノセラピーを学んだことがあると今回初めて知りました。
この日はZoomでのセッションだったのですが、約3年ぶりにお会いしたMさんは以前と変わらない温かさを備えていました。
まず、事前に書いてもらった課題や希望に沿ってカウンセリング。
『軽やかに生きたい』、『大らかでいたい』と望むのに、細かいところを気にしたり完璧主義な自分がいて、苦しくなってしまうとのことでした。
また、お母様との関係も気にされているようでした。
いろいろお話しして「この点について影響を与えている前世を見てみましょう」と決めて誘導します。この時、問題点や焦点がぼやけていると、鍵になる前世にたどり着くのに時間がかかったりします。
Mさんの場合、自分を優先するのを押さえて周囲のために黙々と、淡々と仕事をしないといけないとか、こうでなくてはいけないという責任感の強さもあり、「感情を思いっきり表に出してはいけない」という思い込みがあるようでした。そこで、その原因となった前世へと誘導しました。
すると、見えてきたのは乾燥した土地。
「アラブっぽいかなぁ、ラクダが見える」とMさんは言います。
そして、喧騒でザワザワと賑やかなところに迷い込んでしまったようだと言います。
…怖い…
必死で逃げてきた。
見つかったらどんな目に遭うか。
…おじさんたちに叩かれる…!
何度も逃げ出したけど、いつも見つかって叩かれる。
仲間はたくさんいるけど、今は一人で逃げているのだそう。
この時のMさんは11-12歳の女の子。
布でできた薄汚れた服を着ていると言います。
「どうしてそんなことになったの?」
「おじさんって誰?」
「家族はどうしたの?」
私の中に疑問が次々に湧いてきます。
でも、まずは概要を把握するため、この子の普段の生活となぜそうなったのかを紐解いていきました。
4歳くらいの頃。
友達と家の周りで遊んでいたら、元気で健康そうだからというだけの理由で強引に連れ去られたのだそうです。
連れ去ったのは「おじさん」たち。何人かいるようです。
同じように誘拐された子どもたち5-6人と、半ば監禁状態で馬小屋や牛小屋で働き手としてこき使われてきました。
何度も逃げ出したけど、他の子たちもそれぞれ逃げ出そうとしたけど、なぜか捕まって連れ戻される…
騒いだり、大声を出しても怒鳴られたり、鞭で叩かれたりする。
暴力を振るわれたりよそへ売られることもあったけど、一番つらいのは、ご飯をもらえなくなること。
何も感じないように我慢して黙っていれば、ご飯だけは食べられる…
両親と兄弟がいたと思うけど、はっきりと思い出せない…どうやって家に帰ればいいのかもわからないし、両親が生きているかもわからない。
そうやって、Mさんの過去世は、幼少期の頃に自分の感情をぐっと力ずくで抑え込み、何も感じないように淡々と日々を送るようになってしまったのでした。
それは、いつもお腹をすかせた幼い子にとって、唯一できる防御であり、生き延びる術だったのかもしれません。
つづく…
次回は、この女の子が成長してからのストーリーを綴っていこうと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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