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vol.5(5) 登山はまるで出産

富士山の頂上に着いた時の気分は
一言で言えば
「出産した時のような喜び」でした。

赤ちゃんがお腹の中にいるとわかった日から、
出産までの10か月。

そして、陣痛からの出産。

もう、それはそれは、長い道のりでとにかく大変で、でも、胎動を感じた瞬間の喜びがあったり、
どんどん変化していく身体にとまどったり、
出産の痛みは想像以上で、
「もう無理!」って分娩台で叫んだ事もありました。

でも、赤ちゃんが産まれた瞬間に
苦しみや、辛さや痛さなんて
一瞬にして消え去り、忘れてしまうくらい
の喜びがありました。

出産だけでなく、
人間は、辛い事、悲しい事は忘れて生きていけるようにプログラムされているんだとつくづく思います。

もちろん完全に忘れることはできなくても、その後生きていれば、
喜びがあるから、また前に進むことができるのです。

出産の痛み、辛さは人によっても違いますが、
出産した瞬間の喜び、幸福感は誰もが感じるのではないでしょうか。

あの痛みの後、すぐに今まで味わった事のない喜びが一瞬で訪れるので、あの喜びをまた味わいたいと本能的に覚えていて、また辛い妊娠、出産ができるのだと思います。

だから、また赤ちゃんが欲しくなってしまうんだろうな。

富士登山は、本当に辛かった。
頂上に着いた喜びの後に、さらに
剣ヶ峰までの最後の道のりは私にとっては出産より辛いぐらいでした。

でも、剣ヶ峰に着いた後は、もう気分は最高で、幸せいっぱいでした。

下山はまた辛かったけど。。

出産の大変さはよく耳にしますが、
実は、出産後も大変なのです。

後陣痛といって、子宮収縮に伴う痛みがありました。

下山の辛さはまるで出産後の後陣痛。

さらには数日間、出血もすごい量で、
赤ちゃんには3時間起きに母乳をあげなければならず
ゆっくり眠っている暇なんてありません。
初めての出産の後は、とまどいばかりでした。

頂上から下山する間、
私3人産んだから、3回は富士山登頂できるかも??(笑)

なんて考えながら、
こんな最高の経験ならまたしたいなぁと思っていました。

今こうして書きながら、
登山と出産。

うん。やっぱりかなり似ているかも。

まだ他にも似たような体験あるかなぁと考えていたら、ありました!

実は私は楽器を演奏しているのですが、
年一回定期演奏会があり、
それに向けて10か月間かけて10曲以上練習するのですが、
本番最後のお客様からの拍手の瞬間は登頂や出産に少し似ている気がします。

それまでは練習も大変で本番も緊張しながら、
一曲ずつ終わり、フィニッシュのアンコールを終えた時の感動は最高です。

演奏は登山や出産のような辛さはありませんが
10か月練習して、一回の本番で終わる瞬間の喜びはかなり似ています。
演奏会が終わると来年の演奏会に向けて、練習が始まります。
また舞台に立つ瞬間を夢みて頑張ります。


出産はもう2度とできませんが、
演奏はまだまだ頑張ってやりたいです。

富士登山は?またできるかな?

まずは、このnoteを書き終えてから考えようかな。
「富士山と子どもと私」
まだまだ長いお話になりそうです。

富士山と子どもと私

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