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いよいよ、出発!!の前に

出発の前に

小学6年の春、父から家族全員でイギリスへ引っ越すという我が家の史上初のビッグニュースを受け、出発予定の夏までの間、私は地元の英会話レッスンに放り込まれた。
初めて目にするアルファベット。英単語。
先生は丁寧に絵と英語が表記されたカードを見せてくれながら、英語を教えてくれる。

けれど、なんかピンとこない。
全く興味持てない。
「何これ、面白くない。わかんない。」
当時の素直な感想。

「英語なんて、おもしろくなーい」

そんなテンションのまま、週1で1時間程度のレッスン受けても、やる気のない私が上達するはずもなかった。
レッスンに通うこともそう長くは続かず、辞めた。


小学校のクラスの皆への発表時のどよめき

事前に学校の先生には親から報告がいっていたが、7月に入ると、いよいよ先生からクラスの皆へ私がイギリスへ引っ越すと発表された。

「え~!」
「すげ~!」
「そーなん??」

皆、予想通りの反応を示してくれた。
その時の私は、なぜか、泣いていた。
みんなと離れてしまうことが寂しくて泣いたんだと思う。
なぜか、先生に、前もって皆の前で読む文章を書くように言われ、作文用紙に「私は来月からイギリスに引っ越すことになりました…」みたいな作文を書いて皆の前に立って読んだことを覚えている。
(後に、卒業文集にその作文をそのまま載せられることになった)

そして、前もって親が準備してくれた皆へのお別れのプレゼントを一人一人に配って歩いた。
シャープペンと消しゴムのセットをなんとクラス全員分!!
35人はいたと思うから、シャープペン300円と消しゴム100円で400円、それを35人分だと14,000円。高くつきましたね…


小学校2年生に私が転校してきてから、ずっと一途に大好きだったOくん。
(大好きすぎて毎年のクラス替え時には、神様に手を合わせて本気で「来年もOくんと同じクラスになれますように!!」と祈っていたら、見事6年生までずっと同じクラスになれた。皆さん、強く願えば叶うんです!!(笑))
彼と離れ離れになることはとても辛った。

そして、ずっと仲よくしてくれていたKくんは、家のポストにサイコロ消しゴムを2個入れてプレゼントしてくれたのを今でも覚えている。

小学生ながらに様々な寂しさを噛みしめながら、私はこれからの未知なる世界に胸を躍らせながら前を向いていた。




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