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2月に春服を買う女に、私はなりたい

普段はあくせく仕事しつつも、週末はほぼワンオペなので息子たちと公園をはしごしている至ってフツーの母です。
逆上がりの見本を見せようとして張り切って鉄棒を握りしめましたが、自分の身体がピクリともせず。そう、ピクリとも。
その場の空気をなんとも華麗に吹き消して、さらりとブランコに乗せてただひたすら子供たちの背中を押しました。嗚呼、早く大きくなっておくれ。

そんな日々の中、季節はすっかり春めいて、お店には春服がラインナップされていて気分も明るく華やぐ次期。
皆さんは春服をいつ買いますか?新作が並んだらすぐ買いますか?
私は春服が並んで淡い色合いが透ける素材などに心躍りながらも
「まだ寒いし~、着れる頃にはどんなの着たいかまだ分からないし~」などとお洒落番長かのような貫禄でその場をスルーしてきた女です。
だから、いざ春服を着る頃にお店には春服がない。
寒い冬には身体を暖めてくれるダウンコートももちろんない。
ユニクロの極暖ヒートテックも在庫切れで買い逃している、そんな女なのだ。
ずっとずっと、そうやって逃してきた。
気付いた時に動いても、時すでに遅しなのだということにやっと気づいたのです。

それをちゃんと知っている女の人は春を過ごす自分を想像してワクワクした気持ちで春服買ってるんだよね。
こんな自分になりたいな、こんな色を合わせてちょっと違った印象にしたいな、
いつもは買わない色にも挑戦しよう、そんな気持ちで。
そうやって、自分の時間を先読みして、イメージして、なりたい自分になろうとする。自分の過ごしたい環境に自分で考えて整えて、試して、時には失敗したりもして。

でも春服を買わない私の春はいつも慌てて去っていく。
ねぇねぇ、もういっちゃうよ?ゆっくり見てみたら?立ち止まって、触ってみたら?好きなかたちのシャツとか、見つかるかもしれないよってきっと毎年視線をくれていたのに。

今年はまずは立ち止まって、眺めて、自分の心地よく感じる服の感じを思い出そう。そして選んでみよう。

朝起きてから昨日の仕事や落ち込んだ気持ちや家事を後片付けする
今日こそはやろうと意気込んで箇条書きした途端にやる気がなくなる
無意識に開いたSNSで焦燥感にかられて140文字を書きなぐる
自分の感情を出して嫌われるのが怖くて周囲の人との会話が話題が天気と子供の成長しかなくて怖気づく
夫が帰ってくる10分前にキッチンに立って「ながら家事風」で取り繕う

もうこんな自分に飽きたのです。
最初のうちは出来ない自分が嫌とか病気かも?とか思いましたが、ここまでくるともう良い悪いではない、自分に飽き飽きっていう感想がしっくりくる今日この頃。

今年の春には
会社員でどうにか波風立てずに数年やり過ごせば普通の暮らしはできるだろうとか取り繕っていたあの頃には選べなかった綺麗な水色のシャツを着たい。
それを着て、新しい仕事、新しい出会い、未知なる自分に会うまであと何日かな。

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