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岩手県盛岡市の石割桜を見に行く春旅

岩手県盛岡市に岩の割れ目から延びた桜の木があることをご存じだろうか?

満開の石割桜、それを見たくて僕は4月に岩手県盛岡市まで足を運んだ。
今回はそんな旅の様子をお伝えする。

仕事の休みを取って新幹線で盛岡駅に向かう。
ひとり旅だし、平日だし、1席くらいあるだろうと何も準備をせず油断していた。しかし、一番早い列車はすでに満席であった。
最近の旅行事情恐るべしである、もうコロナ禍のようにふらっと旅行することはできないと改めて実感。

気を取り直して、午後イチに出る列車に乗って出発する。新幹線に乗ること約2時間、盛岡駅についた。

盛岡駅の駅舎、くすんだ黄色ベースで落ち着く見た目をしている。
年季が入っているように見えるけど結構塗りたて?

盛岡駅に着いたら早速目的地へ、脇目も振らずに石割桜に直行する。
石割桜があるのは駅から離れた繁華街や岩手の官公庁が立ち並ぶメインストリートにある、徒歩20分くらいのところ。

石割桜は桜がいくつも並んでいる公園や川沿いにあるわけではなく、盛岡市の地方裁判所の敷地内にあり、とても目立っているらしい。
裁判所という固そうな場所に勝手に入って大丈夫なのかと思っていたが、観光客はたくさんいて観光地化されている。

さあ、念願の石割桜の紹介……その前に。
桜を見に行くにあたり開花情報をシャットアウトしていた。

僕が旅行に行ったのは4月の中旬、東北は桜の開花が遅いといってもまだ咲いているか怪しい時期。

今の時代、ネットで検索すれば全国各地の桜の開花情報を調べることができる、それも精度が高く、桜の名所ごとに検索することもできる。

だけど僕は調べなかった、答えを知りたくなかったから、せっかく休みを取ったのに咲いていなかったら盛岡に行く意味をなくしていただろうから。
旅に出る理由をとっておきたかったのだ。

咲いていれば日頃の行いが良かったと言わざるを得ない。
咲いてなければ、精進すべし。

さて、その結果は……こちら

……本当に見事に綺麗な葉桜だった。
いまだかつてこんなに綺麗な葉桜を見たことがあっただろうか。
いままで「葉桜」というワードを聞いたら歌野晶午さんの『葉桜の季節に君を想うということ』が頭に浮かんでいたが、今後はこれが頭に浮かぶだろう。

それと反応に困るよ!
咲いていれば、綺麗な満開の石割桜を撮影したものを知人や職場の人に鼻高らかに自慢できただろうし、散っていたらもっと「あちゃー、せっかく往復3万円かけて岩手まで行ったのに散っていたんですよ!」と話のネタになっていただろう。
しかし、この葉桜である。

綺麗だけどね、本当に!
岩の間からそびえたつ桜は自然の力強さを感じるし、桜のピンクと葉の新緑、そして花崗岩の灰色の組み合わせも味がある。
どうしてこんなところで育ったのか経緯も気になるし、この石割桜があったから地方裁判所が建てられたのか、その逆なのかも気になるところ。

しかし、これを撮影して見せたところで「ちょっと遅かったね」という感想しか返ってこなかった。

そうだよ、ちょっと遅かったよ、でもいい経験だ。

ぐるぐると桜を見て飽きたところで観光終了。
今回の旅は石割桜を見るために盛岡にきたようなものなので、ミッションコンプリート。

ではここで終了……
みたいな偽のオチがあるYouTube動画の展開にはもう飽きた。
まだまだ続く。

盛岡は石割桜があること以外は何も調べていない、せっかくだからこの周辺を何も調べずに歩くことにした。

メインストリートを歩いた先に大きい赤レンガ作りの建物を見つける。
東京駅にすごい似ている。

レトロな建物大好き、もとは岩手銀行の支店だったようで、入れないかと思っていたが観光施設になっていて無料で入ることができた。

中は当時のままの内装で残っていて、歴史的価値がありすぎる。

1階はメインホールになっていて、昔は受付や接客エリアだったようだが、今は開放的な雰囲気で購買イベントが開催されていた。

そして、この建物2階にも上がることができる、こういう古い建物って2階は安全を考慮して上がれないことも多いのに。流石元銀行、いろんな危険に備えて頑丈な作りになっていると感じる。

2階の渡り廊下は下のホールを見下ろすことができて、すごくいい眺め。

元岩手銀行の建物を出て、繁華街のほうへ戻ってみる。
すると石割桜があった近くに歴史資料館があったので入場した。

建物自体は古そうだったけど中はかなり綺麗、特に甲冑や刀を展示しているコーナーは空間の使い方が上手だった。


ジョン・ウィックの戦闘シーンで出てきそう。

また、豊臣秀吉の忠臣として仕えて西日本で活躍した武将、黒田官兵衛の兜がここ盛岡に展示されていた。
なぜ盛岡に縁のなかった黒田官兵衛の兜が流れ着いたのか、官兵衛の部下に兜を送り、巡り巡って岩手までたどり着いたみたいで、その経緯説明がとても興味深く、歴史の面白さに触れることができた。

そのほか、江戸時代後期の盛岡城下の雰囲気を感じられるセットがあったりして、良い観光地だなと思ったのに観光客は誰一人いなかった。

歴史博物館を見て、近くにある盛岡城跡にも興味を持ったので向かってみる。その道中にある神社の桜はとても綺麗だった。

鳥居と社、そして桜の組み合わせは素晴らしい、外国人観光客もたくさん。

盛岡城跡は石垣が残っていて、中心は公園になっている。

ちょうど夕方だったので地元の学生がサッカーやキャッチボールをしていていたり、出店が立ち並んでいたためそこで買い食いをしている姿もありとても地元の青春物語を感じた。

そういえば盛岡にきて何も食べていない、何か食べたくなってきた。
盛岡は麺が有名で、わんこそば・冷麺・じゃじゃ麺が盛岡三大麺と呼ばれている。
僕はじゃじゃ麺を食べたことがなかったので、さっそくお店があるか検索。繁華街に何店舗か専門店もあって、営業していて一番評価が高かったお店へ
向かった。

訪問したのは『不来方じゃじゃ麺』というお店

雑居ビル地下のバーやパブがあるお店にこのお店があって、初見ではなかなか行きにくそう。

チャーシューじゃじゃ麺を注文、見た目から汁なし担々麺みたいな味を想像して、その割には麺に対して味の決め手となる味噌だれの量が少ないなとも感じていた。

麺をかき混ぜて肉みそを全体に絡ませて食べると、肉みその力強い味を感じる、この量が適量だった。
そしてこのちぢれた太麺がこしと小麦のうま味を感じられてめちゃくちゃうまい。紅ショウガの塊が添えられていて、少しずつ齧って口の中をリセットしていくのも良いサービスだ。
盛岡三大麺、相当レベルが高いかもしれない。明日は冷麺を食べよう。

夜になったのでホテルにチェックイン。
ホテルにチェックインする前にスーパーに立ち寄った、岩手は小岩井農場というとても有名な牧場があったり、酪農が盛んみたいだ。
スーパーにも様々な種類の乳製品が並び1リットル700円する高級牛乳も売られていて驚いた。
さらに乳製品コーナーにいた奥様の会話を聞いていると高級牛に指をさして「この牛乳を買ったらもう他のには戻れない」とマウントを取っていた。

高級牛乳は買わなかったが、僕は気になった乳製品を買ってホテルで乳製品パーティーをした。賞味したものを紹介する。


まずは『毎日のみたい湯田牛乳』
パッケージが可愛い。
かなりさっぱりとした味わいで、牛乳独特の臭みやコクが抑えられている、どんな食事にも合いそう、だけど牛乳は濃厚な味が好き。


『あおのミルク村 のむヨーグルト』
すっごいおいしい、、砂糖の甘さ控えめでヨーグルトの酸味と甘みのバランスが素晴らしい、牛乳の風味も残っている。
容量は少ないが粘度が高いため満足感がある。

『なかほら牧場 ぷりん』
プリンは大好き、柔らかい派か、固い派か断然固いほうが好き。
パステルのプリンは敵。
しかし、こういう瓶に入ったプリンはなめらかプリン率が高く、毎回少し後悔する。僕にとっては大きな賭けだった。

買ったの大正解。うますぎる!
固めで、カラメルがすくないためミルクと卵の味がダイレクトに感じる。
玉子とうふっぽい風味もあってうま味が強いのも特徴。
1個500円くらいだったと思うが、それに見合う価値のある味。
『なかほら牧場』ありがとう、どこにあるか教えてほしい。

といった感じで中身があるのかないのかわからない旅になってしまったがこういうのでいい気がする。
石割桜を見て盛岡旅行の目的を既に達成した僕が明日、どこに向かうのか。
次回もよかったら見てください。













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