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大学院の入学式で保護者と間違えられる

入学式は4月2日に行われました。大規模な大学なので全学の入学式は午前と午後に分けて行われました。教育学研究科は教育学部と一緒に午前中の部に入っていました。文学部や法学部なども一緒だったと記憶しています。入学式はキャンパス内にある記念会堂で行われました。受付には新入生とともに保護者の姿もたくさんありました。若い学生が多い中で私が受付をしようとすると「保護者の方ですか」と言われてしまいました。確かに私は保護者の世代です。

キャンパスではあちこちでサークルの勧誘が行われていました。新入生に近寄って声をかける学生たち。自分が大学に
入学した時もそうだったなあ。先輩に声をかけられてESSに入ったことを思い出しました。今日も私は新入生です。でも誰も声をかけてきません。新入生向けのチラシを配る業者も私にはくれません。やはり保護者と思われているのでしょう。

式は厳粛に執り行われました。ガウンを着た教授たちがステージに並ぶ姿も壮観でした。最後に壇上の応援団のリードで有名な校歌が歌われました。歴史のある大学の有名な校歌です。周りの新入生は腕を振りながら歌っています。二階席の保護者の中からも歌う声が聞こえます。保護者も卒業生なのでしょうか。愛校心が感じられます。

全体式のあと研究科ごとに式が行われました。研究科のある棟はキャンパスのはずれにあります。新しい棟が立ち並ぶ中で古さの目立つ棟です。エレベーターも小さく5,6人でいっぱいになります。会場は4階だったので歩いて上りました。会場の教室には新入生と先生たちが80名ほど集まりました。研究科長の挨拶に続いて先生たちの紹介があり、簡単な事務連絡で終わりました。とてもアット・ホームな雰囲気でした。

そのあとは指導教授と一緒に研究室に移動しました。研究室の同期は4人で、男性と女性が2人ずつです。私以外は学部を卒業したばかりのストレートマスターで、1人はこの大学からそのまま進んだ教育学部の出身、2人は他大学の法学部と文学部の出身です。3人とも私の子どもと同じ年齢です。そんな若者と一緒に学ぶのかと思うと嬉しいような恥ずかしいような複雑な気持ちでした。彼らがどう思っていたのかはわかりません。

指導教授は私より2歳上の方で、暮れにすでにお会いしています。他の3人は初めてのようで初対面の挨拶を交わしていました。研究室ではお互いに自己紹介をして、明日からの流れを確認しました。授業が始まるのは10日以降です。当面は科目追録など様々な手続きに明け暮れそうです。

すべてが終わってから構内を少し歩いてみました。大きな棟がいくつも立ち並び、正門近くには創立者の銅像が立っています。その向こうには創立者の名前を冠した講堂が見えます。高校生のときに憧れていた大学のキャンパスを30年後に院生として歩いていることがとても不思議に思いました。これからの生活をあれこれ思い描きながら期待に胸を膨らませていたことも確かです。


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