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ホ長調の名曲

このシリーズ、久しぶりですね。
今日は別格級の名曲が勢揃い。
一曲一曲への思い入れがすごいので、解説が長文になることを先に告知しておく。(面倒な方は音楽だけ聴いてね!)

ホ長調はEを主音としたシャープが4つ付いたメジャーキーで、僕の個人的なホ長調のイメージは、「優美で切ない美しさ」「ふわふわしたかわいさ」である。クラシックでは前者のイメージが強いかもしれないが、ポップスでは明るく軽快でかわいい感じの曲にも多く使われている(気がする)。

それではスタート!


①猫になりたい/スピッツ

もうこの曲と次の「あなたに」だけは絶対に外せません。何故なら僕が最も好きなアーティストであり、それぞれ彼らの楽曲で一番好きな曲だから。

スピッツ随一の名曲であり、感情移入せずには聴けない。
優しいイントロ、優しいサビ、優しい歌声・・・全てを包み込んでくれるような優しさに溢れている。これ以上ヒーリング効果のある曲を僕は知らない。生で聴いたら確実に泣く自信がある。

しかし、その優しさかわいさに紛れて狂気をはらんでいるのがスピッツ節であり、サビの歌詞をよく見ると

猫になりたい 君の腕の中
寂しい夜が終わるまで ここにいたいよ
猫になりたい 言葉ははかない
消えないように傷つけてあげるよ

作詞・草野正宗

一見、主人公が好きな相手に対して猫のように甘えたいというほんわかした歌詞に見える。しかし、最後に「傷つけてあげたい」とあるのだ。猫は愛情表現でわざと噛んでくることがあるといわれているが、それになぞらえているのだろうか。猫は人間と違って言葉は「吐かない」、だから物理的に相手を傷つけることで愛情を伝える。人間は言葉を発することができるが、向けられた相手はどう受け止めるか分からない。伝わるかどうか分からないし、その時は伝わっても、いずれ忘れられてしまうこともあるだろう。だから言葉というのは「儚い」。だから傷つけたい。私の傷跡を、好きなあの人に残したい。私のことを、ずっと忘れないでいてもらうため・・・

・・・という解釈もできる。もちろん他の捉え方もあるだろう。
この短い言葉でここまで想像を広げられるのはスピッツのすごさの一つだと思う。

ちなみにサビ以外の歌詞は、僕の読解力不足か、何を意味しているのかよく分からない。
初期のスピッツはそういう歌詞が多い。


②あなたに/安全地帯

珠玉の名曲。
一度感動すると他の音楽が全て霞んでしまうほど、抜きん出た芸術性を持っている。バラード部門に限定すればこれ以上の名曲はもう世に出ないと思う。断言する。なぜ当時売れなかったのか疑問でならない。

1985年の映像なので当時27歳ぐらい。もうこの時点で完成されている。どんなアーティストでも、若い時はまだ粗さが残っていたり青臭さがあったりするものだけど、この人たちは楽曲のレベルも歌唱力も演奏力もこの年齢にしてすでにベテランの域に達しているといってもいい。

メロディーラインの美しさ、歌詞の美しさ、コード進行の美しさ、全てにおいて美しい。作曲者と作詞者は別なのに、メロディーラインと歌詞が一体化しているかのように全く違和感がなく自然で、これって相当すごいことだと思う。歌を作る人はたぶん共感してくれると思うけど、メロディに合う歌詞を考えるのは簡単なようですごく難しいし、いい歌詞ができてもメロディに乗ったときにしっくり来なくてやむなく変更、なんてよくあることだから。

コード進行も本当に美しい。この人の曲って、コードとその上に乗っているメロディの運び方がとても自然で、作為的な感じが全然しない。これも多少音楽やっている人ならわかるかもしれないけど、こういうことができるのってある種「才能」なのかなと思う。作曲理論や技術を学んでどうこうできるところではなく、感性の部分だと思う。いわゆる、音楽センスと形容されるもの。そこが、この玉置浩二氏は抜きん出ているのだと思う。その上、天性の美声も。音楽をやるために生まれてきたような人だね。


③恋愛サーキュレーション/花澤香菜

かわいい曲ランキングがあれば断トツで一位間違いなしの曲。
花澤香菜さんの唯一無二の声と、そのかわいさの成分を余すことなく引き出す楽曲の良さ、それらが掛け合わさって究極のかわいいソングになってしまった。

かわいさに気が取られがちなこの曲だが、歌うにはかなりの歌唱力(ピッチの正確さ・リズム感・安定性など)が必要。つまり、素人には歌えない。譜割りからすでに難しすぎる。Aメロのラップ調の部分を完璧に歌うだけでも難しいのに、そこから曲調が一変するBメロへ自然につないで、幸福感あふれるサビに持っていくのはプロの技だと思う。本人はサラッと歌っているけど、相当な技術がないと歌えない。それに、いくら技術的に優れていても、あのかわいい声で歌わないと恋愛サーキュレーションにならない。。そのへんはJPOPとは違う。声優さんだから歌える曲って感じ。

この曲を知ったのはアニメではなく、鈴木愛理がカバーしている動画からなんだけど、そのカバーも本家に負けないレベルで完成されていて、プロはただただすごいと驚かされた。

最初は、よく分からない歌詞と独特の雰囲気に正直「なんじゃこりゃ・・・」と圧倒されたが、何回も聴くと慣れてくるもので、不思議な中毒性がある。ただし、「塵も積もれば大和撫子!略してチリツモヤマトナデコ!」だけは何回聴いても意味不明。でもかわいいから許す。


④ホットミルク/いきものがかり

ただいい。過ぎ去った若い日々を思い返すような、明るいけどどこか切ない青春ソング。僕はこういうのに弱い。
いきものがかりは本当にいい曲多いけど、ベスト10を挙げるならこれは必ず入る。大方のいきものがかりファンもそうなのではないだろうか。映像の通り、ライブでも大いに盛り上がる曲。

ちなみに僕自身は、飲み物のホットミルクはそこまで好きではない。
でもこの曲を聴いていると、ホットミルクが自分にとって大切な記憶を思い起こさせる特別な飲み物のように感じて、じんわりと心の奥に沁みていく。いい曲っすよほんとに。

前の3曲が説明臭くなってしまったので、ここいらで終わろう。笑
とりあえず聴いてみてください。あなたもきっと好きになる。


【総括】
僕にとって思い入れの深い4つのホ長調の名曲を解説した。
アーティスト自体は全員超有名だが、3曲目以外は一般的に有名ではないと思う。でも、名曲かどうかは知名度で決まらない。ぜひ、あなたのプレイリストに加えてほしい。

今宵はここまで。

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