解説 偶像から離れよ(後編)(第二説教集2章1部) #75
原題: An homily against Peril of Idolatry, and superfluous Decking of Churches. (教会をいたずらに飾り立てて偶像崇拝を行うことの危うさについての説教)
※第1部の解説は2回にわけてお届けしています。
※第2章の全体像についてはこちら:
第1部解説の後編です。聖句で言うテーマとポイントを確認します。
皆さん、なぜ、こんなことをするのですか。私たちも、あなたがたと同じ人間にすぎません。あなたがたが、このような偶像を離れて、生ける神に立ち帰るように、私たちは福音を告げ知らせているのです。この神こそ、天と地と海と、そこにあるすべての者を造られた方です。(使徒言行録 14章15節)
第1部のポイントは次の6点です。今回は④~⑥についてになります。
①はじめに~第1章との関連とこの章の目的
②偶像崇拝が行われていることへの非難
③偶像という言葉の起源
④旧約聖書における偶像崇拝への戒め
⑤新約聖書における偶像崇拝への戒め
⑥まとめの結びの短い祈り
聖書では偶像崇拝が強く戒められているということが確認されます。
旧約聖書からまずは『申命記』が引用されます。この二つの引用が起点となります。
神の教えを守るべきである。また、そもそも神の姿を誰も知らないのだから、似せたものを造るなどできようがない。そこがポイントとなります。これに始まり、旧約聖書からは『申命記』のみならず偶像崇拝を戒める言葉がたくさん引用されます。偶像を造る者、それを崇める者、そしてそれを破壊しない者への戒めの多さに圧倒されます。
次に新約聖書での偶像崇拝への戒めが引用されますが、はじめに旧約聖書からの引用を権威づける言葉があります。
この上で新約聖書からの引用が示されますが、旧約聖書からのものほどではないにしても、これもまた多くの箇所からです。主なものを二つ紹介します。偶像崇拝が忌み嫌われるということと、神のほかに信仰や崇敬を向けるべきではないということです。
天使でさえ崇敬されることを拒む。しかしむしろサタンは自らを崇敬させようとしているということがこのあと述べられます。そのサタンに従うべきではない。神のほかは崇敬すべきではないし偶像を崇拝するべきではない。むろんここで言うサタンとは反カトリシズムにおけるローマ教皇を指すと考えられます。偶像崇拝をカトリックを象徴するものと位置付けていると読むことができます。これは第2章が第2部、第3部と進むにつれてよりはっきりとしていくことですが、すでにもうここに強い言葉があります。
このあと短い祈りがあって第1部が終わります。ここまでですでに他の説教ひとつ(一章分)の分量に相当します。かなり長い説教の始まりです。
今回は第二説教集第2章「教会をいたずらに飾り立てて偶像崇拝を行うことの危うさについての説教」の第1部「偶像から離れよ」の解説(後編)でした。次回から3回に分けて第1部の試訳をお届けします。
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