刑法#27 窃盗罪②
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窃盗罪①
→窃盗罪は不法領得の意思を要する
①他人の占有にある財物を自己へと奪う意思
②経済的な用法に基づき処分や利用すり意思
※なお、横領とは自己の占有にある他人の財物を自己の物とする犯罪
財物
→情報そのものは財物ではない。情報を記載されたり、含んでいる、紙や情報媒体は財物である。
→記念品など、財産的価値はほとんどないが、主観的な価値が認められる物も財物とされる。
→刑法245条より、電気は財物である。
窃盗と横領
前者は被害者から占有をうつす
後者は自己が占有する他人の物を自分のものとする
→窃盗
・留守番を頼まれた者が、その家の財物を持ち帰る。※占有はあくまでも家主のもの
・店員が商品を持ち帰る。※上下関係がある場合、商品は上位の者、すなわち店主の占有となる。
・郵便局員が、現金書留の中身を盗む。
※外の封筒は郵便局員の占有。すなわち、これを盗むと横領。中身は委託者の占有となるため、窃盗
・友人と共同購入した自動車を共同で保管していて、それを処分する。
→なお、同じものを一人が保管していてそれを処分した場合は横領である。
・パチンコ台を磁石で誘導して当たり玉をだした。
窃盗既遂
・浴室内で発見した指輪を後で持ち去るつもりで隠した
・スーパーで商品を懐にいれた。
→かごにいれるならよいが、それでもレジ外や店の外にまででれば窃盗既遂となりうる。
・後で拾うために運転中の列車から他人の荷物を落とした。
・自転車を盗んで5メートル先の路上に出た。
・他人の家で袋に衣服をいれて勝手口に運んだ
不動産侵奪罪
※別動画はこちら
→不動産に対する窃盗
・他人の土地を囲い込んだ
・他人の所有地に建物を借りた
・自己所有の家屋の二階増築部分が隣人の土地に張り出た。
→侵奪にならない場合
・家屋の賃貸借契約の終了後に元賃借人が居座った場合※民法の不法占拠とはなる。
・他人の土地の登記名義を勝手に自己にうつした。
演習問題
次の設問に○か✕かで回答せよ。
①友人から一時留守番を頼まれた者が、友人宅から無断で時計を持ち帰った場合、横領罪が成立する。
→✕ 一時留守番を頼まれただけでは時計の占有はまだ友人にあるといえる。犯人は友人から占有を奪ったことになるので窃盗となる。
②コンビニエンスストアの店員が無断で商品を持ち帰った場合、横領罪が成立する。
→✕ 上下主従がある場合、占有は上位者に属するため、コンビニエンスストアの商品は店主にあるといえ、店員は店主の占有を奪ったことになる。
③郵便局の職員が現金書留から中身の現金を抜き取った場合、横領罪が成立する。
→✕ 判例によると委託された封緘物は、封緘物そのものは受託者の占有で封緘物の中身は委託者である差出人の占有であると考える。したがって、窃盗罪が成立する。
④友人と共同購入した自動車を共同で保管中、これを無断で売却し現実に引き渡した場合、横領罪が成立する。
→✕ 一人で共有物を保管していたなら横領罪が成立するが、二人で共有物を保管し、そのうちの一人が無断で売却した場合、共有者の占有を奪ったことになるので窃盗罪が成立する。
⑤甲は図書館に行って本を館内閲覧のために借り出して読んだあと、これを古本屋に売却しようと考え、図書館から持ち出した。横領罪が成立する。
→✕ 刑法上、本の占有は図書館にあるとされ、窃盗である。
⑥衣料品店で顧客を装い、上着を試着したまま、便所にいくと偽って逃走した場合、窃盗罪が成立する。
→○ 試着しても上着の占有は店にある。なお、便所に行くと偽ったのは窃盗の手段としてウソをついただけであり、詐欺罪には該当しない。
⑦家屋の賃貸借契約終了後に元借家人が明け渡しを拒否した場合、不動産侵奪罪が成立する。
→✕ 侵奪とは占有を自己に移すという事実行為であるため、設問の状況はそれにあたらない。なお、同じ理由で他人の土地の登記名義を勝手に自己に移した場合も不動産侵奪にあたらない。
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