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刑法#43 文書偽造の罪

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文書偽造


→公文書偽造と私文書偽造
→偽造の保護法益は文書に対する公共の信用
→文書とは、ある程度永続的な状態で物体に残り、法的に社会上重要な事項の証明となるもの
◯試験答案、黒板に書かれた文書
×砂の上の文、小説、掛け軸の文字

有形偽造と無形偽造


→形とは名義のこと。前者は偽りの名義をつくること、後者は名義はかわらないが、内容がかわるかとをさす。
→有形偽造の例としては、権限のあるものでないのに、印鑑証明書を作成するなどがある。この場合、地方公共団体の長でなくては正式な名義にて発行されないため、いかに内容が正しくても、作成者が偽りであるかぎりは偽造である。もちろん、内容が虚偽でも成立する。
→無形偽造の例としては、きちんと行政庁が作出したのに、内容が虚偽である公文書などがあげられる。
※上記の例にて、もちろん代決権限のない公務員がしても成立する。

抽象的危険犯と目的犯


→偽造罪は上記の両方が要件となる。
つまり、行使の目的を要して、相手方にその内容を認識させ、または認識しうる状態におくことを要する。
 私文書を偽造しても行使される見込みがなければ公共の信用を害する危険が少ないためである。
 しかし、具体的に他社に損害を与えていなくても行使の目的で文書を偽造すれば犯罪は成立する。

変造について


→真正に成立した他人の作出文書の本質的でない部分を変えること。
 ※本質的なところをかえると、それは偽造である。

偽造の例→免許の写真や生年月日を偽造する。※これを所持するだけなら偽造罪だが、提示してしまうと行使罪も追加で2罪となる。

変造の例→売買契約書類の代金欄に数字を加えるなど。ただし、これにさらにコピーするなどして手入れしてしまうと偽造となる。

演習問題

次の設問に◯か✕かで回答せよ。

①Aは他人の運転免許証を貼り替え、生年月日を改竄し、運転中にこれを携帯した。Aは公文書等偽造罪が成立する。

→◯ なお、写真は免許証の本質的な部分であり、本行為は変造ではなく、偽造である。

②Aは市長の記名押印のある700万円の売買契約書の代金欄に1を加えて1700万円に改竄した場合、公文書等偽造罪が成立する。

→✕ 公文書等変造罪が成立する。売買契約書の代金欄な非本質的な部分である。

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