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憲法#19 一票の格差
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「一票の格差」と法の下の平等の問題
選挙において「一人一票」の平等はもちろんだが、「一票の価値の平等」も要求される。
しかしながら、完全にどの地域も同じにするというのは技術的に不可能であるため、程度や状況の問題となってくる。それらを判断するのは司法権の裁量となる。
重要判例ポイント
※一票の格差が不平等状態にあっても直ちに違憲となるわけではなくて、合理的な期間に是正がされない場合に違憲となる。
※たとえ違憲状態であるとしても、違憲無効にすると社会が大混乱してしまうため、判決では違憲を宣言するが実際には無効としない判決もある(事情判決の法理)。
※衆議院選挙も参議院選挙も人口比例主義が原則ではあるが、後者においてはある程度の後退も免れないとする。二院制であるため、差異があってもいいし、参議院選挙において三年ごとに改選があるため。
※判例は衆院選挙で1:2、参院選挙で1:5で違憲判決をだす傾向にある。学説では1:2を越えれば違憲であるとするのが通説である。
サラリーマン税金訴訟
判旨はサラリーマンの納税は自営業者と税率や条件が、基準が違うとしても違憲ではない。
演習問題
次の設問に◯か✕かで答えよ。
①衆議院議員の選挙区間の投票価値の不平等が、もはや国会の合理的裁量の限界を超えているものと推定される場合、人口の変動をも考慮して、合理的期間内における是正が憲法上要求されているにもかかわらず、それが行われ
ないときは、憲法違反となる。
→◯ 直ちに違憲となるわけでなく合理的な期間内に是正がない場合に違憲となるのがポイント。
②憲法に違反する議員定数配分規定に基づいて行われた衆議院議員選挙は、 選挙自体、無効となる。
→✕ 違憲状態が認められてもそれを無効とすると社会的混乱は計り知れないため、事情判決の法理により、違憲状態を認めても無効とはしない。
③租税法における所得の性質の違いによる取扱いの区別は、その立法目的が 正当であり、かつ、その区別の態様が立法目的との関連で著しく不合理であることが明らかでない限り、 憲法に違反するものではない。
→◯ サラリーマン税金訴訟
最高裁判決昭和60年3月27日
④各地方公共団体は条例制定権を有するから、売春の取締りについて 地域 ごとにその取扱いが異なることとなっても、憲法に違反しない。
→◯ 条例は地域によって差異があることを想定して地方自治体には条例制定権がある。
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