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ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。

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異世界ファンタジー作品: <ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。〜世間知らずの夢の成就は、屋敷ではなく平民街で〜> 連載中(約10万字(文庫本一冊相当)で完結予…
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#貴族夫人

ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。〜世間知らずの夢の成就は、屋敷ではなく平民街で〜 第一話

ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。〜世間知らずの夢の成就は、屋敷ではなく平民街で〜 第一話

【あらすじ】
 第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家からも追い出された伯爵夫人・フィーリア。
 なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていた彼女は、目的地も希望も生きる理由さえ見失いかけた時に、二人の貧民の男の子たちと出会う。

 言葉汚く直情的だけど、何だかんだで面倒見がいい、ディーダ。
 喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家、ノイン。
 
 環境のせいでスレてい

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ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。〜世間知らずの夢の成就は、屋敷ではなく平民街で〜 第十七話

ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。〜世間知らずの夢の成就は、屋敷ではなく平民街で〜 第十七話

「うーん。今日はお洗濯、しない方が良いでしょうか……」

 家の外。井戸の水で顔を洗って目を覚ましてから、空に昇った太陽を見上げ呟いた。
 天気のいい日もあれば、当然良くない日も存在する。最近は比較的天気がいい日が続いたが、今日は太陽に光の輪が掛かっている。

 たしかあれは昔、実家の領地に居た時にお母様が教えてくれた雨降りの前兆だった筈。
 今日も仕事で『ネィライ』に行く。その間に雨が降ってしま

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ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。〜世間知らずの夢の成就は、屋敷ではなく平民街で〜 第十五話

ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。〜世間知らずの夢の成就は、屋敷ではなく平民街で〜 第十五話

 二人が店番を代わってくれるようになってからは店頭での私の拘束時間はかなり減った方だけれど、私がすべき事もある。
 流石に商品の陳列や掃除までは、今も私の仕事になっている。
 朝に店に来て早々に済ませる仕事なのだが、この時間は仕入れなどの裏方仕事を主にしているバイグルフさんもよく手伝ってくれるので、二人で話す時間がある。

「大変だろう? あいつらの世話をするってのは」

 昨日仕入れたばかりの布

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