患者目線、MSW目線
牛をみて美味しそうという人間は
焼肉屋のCM。
高そうな肉を、焼いて美味しそうに食べている。
肉屋さん。
いろいろな部位に分かれて売っている。
どちらにも共通しているのは、解体前の牛の写真はない。
まれに、牛のどこの部位かという説明書きは見たことがある。
牛を育てている畜産の人なら、牛をみて「いい肉」ということが分かるかもしれない。
しかし、実際に牛肉を食べている多くの人は、牛をみて選ぶことはない。
患者会と作った社会保障制度の一覧表
患者会から依頼を受けて、社会保障制度の一覧表を一緒に作った。患者会の資料であるため、制度については限定的であるが、患者会の資料に社会福祉の専門家の要素が加わったなかなか良い資料が出来たと思った。
患者さんに渡した時も「分かりやすい」と評判だった。
医療ソーシャルワーカー(MSW)は使ってくれない
患者会の許可を得て、いろいろな医療ソーシャルワーカー(MSW)に配って回った。
しかし、誰も使ってくれなかった。
そのことを患者会の方に相談した。
「『患者目線』と『MSW目線』は違う」
と言われた。
ユーザー(USER)のことを考えているのか?
医療ソーシャルワーカー(MSW)は、日々、多くの相談が舞い込んでくる。
相談は多種多様で、それに合わせて、一生懸命使える社会保障制度を提供する。
ただ、社会保障制度の相談の場合は、Q&A方式であるため、一見さんで終わることも珍しくない。
患者さんの生活はその後も続く。
医療ソーシャルワーカー(MSW)は、その後のことが想像できていないのかもしれない。