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9日目 1番泣いた日

今日は朝から天気が悪い。出勤時間帯を直撃して、大雨の予報になっている。朝起きた瞬間から、少し頭が重く感じた。天気予報を見ると、午後からは天気になるらしく、しかも25℃を超える夏日になるという。今年は異常気象だ。

実家には長男が泊まっていて、朝は僕が迎えにいくことがルーティンとなった。自分の役割があることは大切らしい。家族に貢献できているということが自己肯定感につながるそうだ。

大雨の中、車で長男を学校に送る。こんな大雨の中で、小中学生は傘をさして学校に向かっている。

いつものように、最後に妻と末っ子を見送ったあとは家の片付けを始めた。

しばらくすると母と妹家族がやってきて、近郊にあるショッピングセンターへ誘ってくれた。1人になるのが怖いからありがたいことなんだけど、車の中で外を眺めていると、なんだかやっぱり侘しい気持ちになってくる。

天気はすでに晴れていたけれど、なんだか今日は頭にモヤがかかってしまう。

ショッピングセンターでは、母と2人で行動し、母が友達のプレゼントを買うのを一緒に回って歩いた。雑貨屋さんではついついアクセサリーをみてしまう。ひまわりのアクセサリーはないだろうか。この間すでに買っていて渡せていないのにね。

カフェに入って母と話しているとまた涙が出てきてしまった。
それでも、焦らなくていいんだよとか、考えすぎなくていいんだよとか、人から言葉をかけられると、客観的に捉えることもできて、気持ちが少し救われる。

母は要件が終わったらすぐ帰るタイプなので、2時間もいないうちに帰宅することになった。帰りは何も考えなくていいようにと車を運転させてもらった。

家に帰ると母がスマホがない!と騒ぎはじめた。どうやら先ほどのショッピングセンターに忘れてきたらしい。急いでまたショッピングセンターへ向かうことになった。とは言っても片道40分。まぁまぁめんどくさいことが起きたが、一緒に行くことにした。

車ではやっぱり彼女から教えてもらったケセラセラとMagicのエンドレスリピート。
どうしてもこれらの歌が頭から離れない。

無事にショッピングセンターでスマホを回収することができた。日本てやっぱり安全な国だなと実感しながら、、、今日は車にいる時間が長くて頭が疲れてきた。

今日は、いつもよりも運動ができていなくて、頭の中を全然クリアにすることができていない。

その後、職場へ休職の手続きをするための書類を送る準備をした。
仕事のことを考え始めると、頭がキューっと締め付けられるように苦しくなってきた。彼女のことが最近の第一議題になっていたけど、本来は仕事の苦しみと家庭をどう両立するかが問題だった。その問題と向き合っていないから、あまり鬱になりすぎることなく過ごせているのかもしれない。

その後、母と一緒に市のプールに行くことにした。思い切り身体を動かせば頭の中をクリアにすることができるかもしれないと思ったからだ。

わざわざプールにまで一緒にきてくれるなんて、きっと母も心配してくれているんだよな・・・。

僕は、早く身体を鍛えて自信を取り戻したいと焦っていて、ちょっとオーバーワーク気味なぐらいに運動している。自分自身の甘えから脱却するためにも自分を律することのできる人間になりたいんだ。

プールでは25mプールを20本泳いだ。吐きそうになりながらも、合計500m。自分に課して、逃げるな、諦めるなと奮い立たせてようやく泳ぎ切ることができた。小さな小さな達成感だけど、この積み重ねが自信につながるような気がした。

とはいっても、さすがに今日は疲れ切った。

帰り道、僕は1人で車を運転していた。
1人きりで車の中にいる状況は最近なかったんだけど、ここで何か感情を抑えられなくなってきてしまった。近所の公園は高台になっていて街の夜景が見える場所がある。1人、そこに行ってまた音楽を聞いた。

公園のベンチには高校生くらいのカップルが座っていて、家に帰る前のほんのひと時を2人で大切に噛み締めるように過ごしていた。

その時間を大切にしてほしいなと、思いながら横を通り過ぎた。

しばらく夜景を眺めて車に戻る。

そこからは、涙が止まらなくなってしまった。まるで、赤ちゃんが泣くくらいに声をだして、次から次への涙が流れてきた。

こんなに声を出して大泣きをしたことなんて、子供の時以来だろう。

大人になって、辛いことがあっても、苦しいことがあっても、泣いちゃいけないと耐えて、耐えて、耐えて、生きてきた。大人ってのはそういうものだと思っていた。でも、自分でも意味がわからないくらい泣いて泣いて泣いて、心の関が外れたくらいに泣いて、しばらくすると、妻に会いたくなった。

自分が苦しい時、感情が壊れた時、顔が浮かぶのは妻なんだと自分でもすこし驚いたけど、僕は泣きながら車を走らせて自宅へ帰った。

家に着いて妻の顔を見たら、また涙が止まらなくなった。

妻は驚いた様子でどうしたの?!といって僕を抱きしめてくれた。

僕は妻に、ただ泣きたくなったと言って、抱きしめてもらった。

次男がなぜか保育園の時の卒園の歌を歌い、聞いて聞いてと何度も近寄ってきた。

びっくりするくらいに音が取れてなくて、音痴すぎて笑えてきた。

少し、正気を取り戻したものの、今日は頭がクラクラだ。泣いてスッキリするかと思いきや、泣きすぎて頭がモヤモヤしてしまった。


今日は人生で1番泣いた日だ。

別に彼女のことで泣いたわけでも、仕事のことでも、妻のことでもなくて、ただ自分の感情を吐き出すためだけに泣いた感じだ。

もう、こんなに泣くことはないだろう。

また、明日。

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