おおとり璃句 短歌置き場 その3
【2021年8月から、2021年10月までの作品より】
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唯一の旋律へ幾千万のことばを乗せた笹舟の群れ
這い出してにじんだ栞たしかめて2ページ戻りきょうを始める
はちみつは色とりどりの揺りかごをゆっくりとろり忘れてセピア
アゲハ、「ア」の高鳴りいちど飲み込んで、アゲハ、呼ぶこえ世界揺らした
ひそやかな好意であざやかに包囲すみやかな勝利をしとやかに
雲のしたおなじ絵の具で描き足したように眩しさふくらみました
砂漠でも芽吹ける種を月