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冒険ねえ…

今年の9月に、新潟の山奥(でも駅近)で ”住み開きの古民家”として自宅をひらき、いろんな人が行き交う、「ギルドハウス十日町」というところにお世話になりました。

そのギルドハウス十日町で ”ギルドマスター”として、”ソーシャルな隠居”をされているハルさんからお誘い頂いた、ギルドハウス十日町の「アドベントカレンダー」という企画に参加する形で、この記事は書いています。

過去の年のものも含めて、他の方の記事も素敵です。
その中で私に何が書けるだろう...と、匿名での参加やクローズドな形での公開などを考えましたが、
このnoteのアカウントの一番初めの記事は、実はギルドに滞在中に書いたもので、公開直後 ギルドの居間に行ったときに ハルさんに「文章良いね、感動した」と言ってもらったことがすごく嬉しかったなあ、と思い、このアカウントで公開することにしました。

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ギルドハウス十日町に辿り着くまで

私は、現在 大学休学中の学生で、
ギルドハウス十日町へは、4月から約4か月滞在していた岩手県陸前高田市から、実家と大学のある関西 に帰る道中に、1週間滞在させて頂いた。

陸前高田では、 change makers' college という ”well-beingの学び舎”にいた。(ここも、ギルドと同じくらい 一見よくわからなくて怪しい けど面白い ところです。先述した、ギルドで書いた初めての記事はこの学び舎での時間について書いたものでした。)

そこでは、「よりよい自分の くらし や 在り方 とはどういうものなのか」を、今現在の自分のくらしを日々構築しながら 考える ということを主にしていた。

4か月間 そのようなことをした末に私は、
社会の中で漠然と存在しているように感じる”良いくらし”や”考えられる進路”にまつわるものに対して抱いた違和感には、「”現実”と照らし合わせた上で落とし所をつける」などではなく、これからも、一旦、その違和感に向き合ってみよう、と思った。
それは結果的には、「落としどころをつける」ということに至るかもしれないけれど、それも自分の納得や自分なりの論理を伴った形でのものとして、自分自身がよいと思えるくらし・在り方をしたい、というか、そうやって工夫していくしかきっと私は過ごしていけないなあ~という感覚だった。
そこに違和感を感じる私 を私は無視できないし、どうにかして誇りたい、と。

そこで、まずは 今興味のあることを 手当り次第に、でも誠実さを持ちながら やってみよう、と思いつつも、その先にある将来の自分の在り方 に自信をもてている訳ではなかった。
そこで、そんな工夫を今後も続けていくためにも、
自由に 工夫しながら、自分なりのくらしをしてそうな人たちをもっと知りたい と思った。

その中で、以前からなぜか知っていたギルドハウス十日町のことを思い出し、連絡したところ、びっくりするくらいすぐにハルさんから、「待ってます」とお返事を頂いた。

そして、4ヶ月を過ごした陸前高田を早朝に離れ、気仙沼・仙台・新潟と、バスと電車を乗り継いで、気が付いたらギルドハウス十日町の最寄り駅である、美佐島駅に降り立っていた。↓

駅は地下にあり、鍾乳洞のように冷たい空気が漂っていて、なんだかすごくすっきりした気分でいながらも、夢の中のような、現実味のない感覚があった。

駅まではハルさん達が迎えに来てくれていて、車でどんどん山に昇っていくと、よく写真で見ていたギルドハウス十日町に到着した。
私は薄暗い所や隠れられるようなところが好きなので、到着して割とすぐに、落ち着くなあと思った。

ギルド滞在中は、話したり、料理したり、出かけたり、思わぬところで出会いがあったり、発見があったり、落ち着いたり、
穏やかで静かで、でもいろんなことがあった時間だったなあ と思う。

↓ みんなで作って食べたそばいなり。

ここからは、くらし方・在り方を模索する中でギルドに立ち寄った私が、ギルドの在り方について考えたこと を書こうと思う。

「”自分” を一番にする」ことの一貫性が支える、ギルドハウス十日町の 安心感

ギルドに滞在してみて その在り方について私がはじめのほうに感じたことは、
「バランスがいいな」  ということだった。
そのバランスとは、
優しさ と 他人事感 のバランスである。

ハルさんは、
「なんでもやりたいように好きなようにやってみればいい、それでもしどうにもならなくなったらギルドに来ればいい」と言っていた。

人の在り方や将来について、「好きなようにやればいい」という言葉は、気持ちのいいものだ。そうだ、好きなようにやろう!という気分になる。
でも 案外誰にでも言える言葉であり、関係性のない中で放たれた「好きなようにやればいい、(けどその全ての責任は自分で取りなさい)」という言葉は、無責任なものでもある。
その言葉はあたたかな応援というよりは、あくまで一意見である。
(自由や自分で選べる ということ には 自分の責任が伴うからこそ、そもそも 他人の言葉に責任を求めることが微妙である、ともいえるけれど。)

一方で、「どうしようもなくなったらうちにおいで」というのを、すごく親しい人だけじゃなくて、誰に対しても言える人 というのはあんまりいないように思う。
「だめならうちにおいで」が付いた途端に、「すきなようにやればいい」という言葉は 一気にその実践の現実味を増すし、自己責任だ、と突き放された感覚というよりは、シンプルに あたたかく応援してもらえているように感じる(勝手に)。
そういう優しさや安心感のようなもの が、ギルドや ハルさんたちにはあるように思う。

でも、底抜けに優しいなんでも受け入れてくれる人たち、というわけでもない。
いろいろと一緒に考えてくれたりしても、最終的には「まあ、どれも下界のことだしなんでもいいけどね」としれっと笑いながら切り上げられたり、
それこそ、それは自己責任だ、個人の選択だ、とか、”他人事”であることをすごく明確に線引きされる。

そういう関わり方は、時に淋しさを感じるかもしれないが、これはやっぱり先述したような、それぞれの自己・自分の選択をそれだけ尊重されている、ということでもあると私は思った。

この、「優しさ・安心感と 他人事感のバランスがいい」というのは、実はこれまで私が素敵だなあ と思ってきた大人たち に共通して感じていたもの であった。
と同時に、そのバランスの取り方って結構難しいんじゃないか、と思っていた。自由を奪ってしまったり、自立(このワードもいろんな捉え方があって一概には言えないけれど)を妨げたり、逆に自己責任を強調しすぎて怖れを抱かせすぎてしまったり。

でも、ギルドの在り方を見ていて、それは「バランス」ではない、ということに気付いた。

2つのものの間でバランスを取っているのではなく、
「自分や自分のくらしを一番にする ということが強く貫かれている」ということなのだと今は思う。

「自分を一番にする」というのがまずベースにあった上で、
その”自分が”やりたいと思うから人を受け入れていて、”自分を”尊重するというのが強くあるからこそ ”相手を”尊重することを自然にする、と。
そうしたら、自分と他者の自由を侵さないままに、でも冷たいわけでは無く、優しさやあたたかさもある関係を、他者や社会との間に築けるんだろうなあ、と思った。

ハルさんと2人で話しているときも、「私はあなたと 話してあげよう と思って話しているのではなく、今 あなたと話したいなあ  という一方的な素直な気持ちをただ行動に移しているだけだ」という趣旨のことを言っていた。
他者と自分は異なるものであるからこそ、それぞれの人が何に価値を見出すのか、どういう感覚を持つのか、はわからない。だからこそ、どう思われるかとかを考えずに自分がしたいように振舞えばいいし、選べばいい。それを受け取るかどうかは相手の選択だ、と。

望むならそのままでもいい、と示されていることの有難さ

もし疲れた人とかであっても、ギルドハウス十日町は 住むところと食べる物、基本的なくらしが比較的低いハードルでできるからこそ、時間的・精神的な余裕が生まれ、そうすると 何かしたい という気持ちは自然に生まれてくるから、ギルドで一旦ゆっくり過ごしてそのうちその”何か”をやればいい、
と言っていたのも印象的だった。

その言葉自体というよりは、その言葉を発するハルさん自身が、startup weekendやアプリ開発やnoteへの投稿など色々なことをしながらも、主には”隠居者”として、その基本的なくらしのみの状態を続けている、というのがすごく有難いというか、珍しいことであると思う。

「やりたいことをする」という言葉も、「やりたいことをして輝かなければ」という強迫観念のようなものに繋げて捉えられがちである。
移住なども、その”理由”や”意図”や”熱意”などを求められたり。

でも本来は、別に無理して他者基準の「やりたいことをして輝いてる」に当てはまる必要はなくて、自分がそうありたいという状態であればいい。
「余裕ができたら何かしたいという気持ちはでてくるものだ」といいながら、別に くらしてるだけでもいい ということをその在り方で示しているギルドハウス十日町は、やっぱり優しいというか、有難い場所だなあ、と思う。

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せっかくだし張り切って書こう と思ったら、かなり長い文章になってしまいました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

その後 色々なことをしていて、工夫しながら自由に好きに生きていく というのもやっぱりそれはそれで大変だなあと思うときもありますが、それを面白いと思える私でいたいな、と今も思います。

このアドベントカレンダーを通じて も、何か どこかしらで 出会いがあればいいなあ、と思います。
明日からのみなさんの記事も楽しみです^^

そして、また是非、ギルドにも伺いたいです!
ではみなさん よいクリスマスをお迎えください**⛄🎄

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