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何か困ったことがあった時に「もとにもどるための3つのステップ」のこと。

何か困ったことがあった時、子どもたちは固まってしまったり、すねたり、キレたりすることがあります。どうやって解決したらいいのか・・・分かりそうなもんだけれど、まったく動き出そうとしない・・・。

そんな時にオススメなのが「もとにもどるための3つのステップ」です。

これは、「クラス会議で子どもが変わる」(コスモスライブラリー)の中に、「回復の3つのR」として紹介されているものを、日本語に変換したものです。原著の説明は、ちょっと難しい表現だったので、シンプルな言葉に言い換えています。

この「もとにもどるための3つのステップ」。

学校の教室で指導し、掲示しておくと、子どもたちがトラブルになったときの行動が変わっていきます。学校だけでなく、ご家庭でも導入をオススメします。いやいやそんなこと・・・って思う方もおられると思います。

でも、ホントに変わっていくのでオススメです。


さて、なぜこれがオススメなのか?詳しく説明していきたいと思います。


何かトラブルがあったときの、子どもたちの常套句は、

「そんなん知らんし!」
「やってへんし!」
「みんなしてるし!」

といったもの。学級を担任している方なら、「そうそう!」って思う方も多いと思います。明らかにやっていたとしても、認めない。どんなに悪いと分かっていても、謝らない。聞けば聞くほど、意固地になって、全く話が進まず、無理やり謝らせて終わる・・・っていうご経験がある方も多いのではないでしょうか?

でも、これって明らかに意味がないし、その場が終わる・・・ってだけで、何1つ学んでいないと思いますよね・・・。さっきまで、キレキレで泣きそうになりながら、認めず、謝らず・・・だった子が、話が終わったとたんにニコニコして遊び始めて、こっちがイライラする・・・なんてこともあります。


これは、子どもたちがそう行動すれば、その場を乗り切れる・・・ってことを学んでいるってことだと思うのです。認めず、謝らず・・・でがんばれば、最小限の被害で済む・・・と思っているということ。

「もしも、認めてしまったら悲劇が起こるし、謝ってしまったら負けだ!」

と思っていると考えてみてください。だから、本当はやったことは認めないといけないし、謝らないと思っているということ。

でも、しない。

これまで、「もとにもどるための3つのステップ」を使って、子どもたちのトラブルに対応してきて思うのは、子どもたちが認めたり、誤ったりしないのは「怖いから」だと思うのです。

本当はしないといけないことは分かっているけれど、それをする方法もわからないし、したこともない。やったら多分とんでもなく不利益なことが起こる・・・と信じているのです。信じているというか、もしかしたら、

先生:「〇〇ちゃんをたたいたの?」
子ども:「たたいてしもた。」
先生:「なんでそんなことしたん!あかんやろ!」

みたいに、認めたことでさらに怒られた!みたいな経験があるのかもしれません。

こういった子どもたちの経験や信念を少しゆるめて、しっかりと問題を解決したり、困ったことを解消していくための方法を教えていくのが「もとにもどるための3つのステップ」です。

「もとにもどるための3つのステップ」は、子どもたちに「安全に」もとにもどるための道筋を示すことができます。このやり方をすれば、問い詰められたり、怒られたりしない・・・ということを示し、経験することで、解決を学んでいきます。

では、具体的な指導の仕方を説明していきます。


「もとにもどるための3つのステップ」の教え方

①教室に掲示できる「もとにもどるための3つのステップ」を作る。

もとにもどるための3つのステップ

まずは、教室に掲示できるサイズの上の写真のような掲示物を作りましょう。これは、子どもたちにこの考え方を紹介してすぐに教室に掲示し、いつでもここに立ち戻れるようにするための大切なツールです。


②短時間でいいので、子どもたちに考え方を紹介する。

例えば、「教室の花瓶を落として壊してしまった・・・」といったような例を出し、どうするかを想起させていくといいかもしれません。

そんな時には、この3つのステップで解決することが大切ってことを教えます。

①「みとめる」・・・「先生、花瓶を落として割ってしまいました。」
②「あやまる」・・・「ごめんなさい。」
③「どうするか考える」・・・「家の人にお願いして、家にある花瓶を代わりに持ってきます。」

など、子どもたちと一緒に板書していくのもいいかも知れません。

そして、最後にぜひ「この方法でやってみると、おそらくとてもうまくはずです!」と明るく話してあげてください。

例えば、花瓶の話なら、「代わりに持ってきます。」って言われると、先生は「いやいや、いいよ。」と逆にほめてくれるかも・・・なんて話してあげるといいと思います。誠実に対処することの方が、不利益が少なくなる・・・ってことを教えてあげてください。

ふだん子どもたちがやってしまっていることを想起させてもいいかもしれません。例えば「知らんし!」と言ってひたすら認めない・・・とか、絶対に謝らない・・・とか。それに、先生がわざと奮起して怒る!といったような、ロールプレイもいいかもしれません。

その後、「もとにもどるための3つのステップ」のストーリーで、ロールプレイをして、その子をひたすらほめる!といったような楽しい指導がオススメです。

ここでのポイントは、あくまでも考え方を紹介する・・・ということ。

この後すぐに完璧にすることを求めないことです。この考え方を紹介してすぐ後に、「知らんし!」といった子に「やり方教えたやろ!」と怒らないようにしてくださいね。


③掲示していつでも確認できるようにする。

そして、掲示物を教室の良く見えるところに掲示してください。何かがあったら、いつでもここに立ち戻れるようにしておくためです。

トラブルがあったとき、困ったときに、「どうしたらよかったかな?」と掲示物を指差してあげてください。

何度も言いますが、この後すぐに完璧にすることを求めないことがポイントです。この考え方を紹介してすぐ後に、「知らんし!」といった子に「やり方教えたやろ!」と怒らないようにしてくださいね。


④【最重要】このステップにしたがって「できたこと」に注目する!

最も大切なのがこれ。「みとめる」ができたことをほめてあげたり、紹介してあげたりすることです。ちょっと時間がかかるかもしれませんが、これを続けていくとで、間違いなく変化していきます。

トラブルがあった子どもに「どうするんだった?」と聞いて、子どもが認めた時に、「すごい!」「これが難しいことなのに!」といったような声かけをしていくことです。

本人に確認して、教室で紹介するのもいいかもしれません。

「みとめること」や「あやまること」は、難しいことだけれど、やったらほめられたり、みとめられたりする・・・。そして、何より、困ったことをしっかりと、そしてスムーズに乗り越えていける・・・ってことを学ぶことになるでしょう。

安全に回復することができる、安全に解決することができるってことを学んだ子どもたちは、進んでみとめたり、あやまったりするようになっていきます。おそらく、先生としては、これまでネガティブな雰囲気で、たくさんの時間をかけていたことがスムーズに対処していけるようになっていくでしょう。

何より、教室でこういった経験をたくさん積み重ねていくことで、教室外でも、子どもたちはこのやり方で問題を乗り越えていくことができるようになっていくことにつながっていくはず・・・。


「もとにもどるための3つのステップ」オススメです。ぜひぜひ、教室で子どもたちに考え方を紹介して、チャレンジしてみてくださいね!

店長敬白。


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