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身体操作 Re-Vive 7 〜Corkscrew〜

Re-Viveでお伝えする基本の身体操作5つ目は、「Corkscrew」です。ここへきて、だいぶ癖が強めの内容となっております(^^)
前回まで脊柱の操作・感覚入力「Wave」、IAP(腹腔内圧)のコントロールと下部体幹に関する「Hollowing」、大腰筋の強化「Pistal」、股関節回旋力「Dragon」をお伝えしてきました。大枠でまとめると体幹の制御に関して2つ、股関節の操作に関して2つです。今回から、上肢の操作についてお伝えしていこうと思います。

上肢に関しては、今回のお話であるCorkscrewと次回Omoplataをお伝えします。今回のCorkscrewを端的にまとめると、「捻れをつなげる」となるでしょうか。上肢をうまく使う、というと、「肩甲骨」というKey wordがすぐに思い浮かぶと思います。決して間違いではないと思いますが、「鎖骨」の存在を忘れてはいけません!

過去のRe-Vive7でもお伝えしてきましたが、ヒトがまだ今の形に進化する前に過ごしてきた空間は、樹上の3次元的な場所で、「垂直木登り」と「ぶら下がり」による移動が主体でした。ぶら下がりを用いて色んな方向で安定した力を発揮する動きを効率良く行うためには、鎖骨の存在が鍵になります。

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前肢の到達範囲を広げるために自由肢の一部として機能する、より可動性のある鎖骨は有利。つまり、前肢の動きの中心が肩関節から胸鎖関節に移された。Inuzuka 1992

上肢で体重を支えなければならない樹上生活者にとって、肩甲骨を胸骨につなげる役割を持つ鎖骨は大変重要です。まだ上肢機能と体軸の運動が未分化である動物であった時代から、各動物が独特の移動モードに適応するにつれて、上肢のその主な機能は「支えること」から「移動すること」に変化していきました。霊長類では、鎖骨を上肢としてうまく使うことで移動動作の効率化を図り、生存競争を勝ち抜いてきたわけです。

だから、「垂直木登り」と「ぶら下がり移動」は上肢運動の基本動作に当たり、上肢運動連鎖の原則がそこに詰まっています。

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