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身体操作 Re-Vive 7 〜Dragon〜

 Re-Viveで行う基本身体操作トレーニングの4つ目は「Dragon」です。WaveHollowingは体幹機能に関するお話、Pistolは股関節の強化、特に矢状面の動きで大腰筋機能をしっかり発揮することが重要だというお話をお伝えしました。まず基本となる体幹部の制御能力を高め、下肢筋力発揮の固定端を明確にすることで筋収縮による運動の効率をあげます。今回のPistolでは、股関節を介したねじれ運動の作り方について触れていきます。

「捩れる」という動きは、3平面(矢状面・前額面・水平面)の全てで適切に運動が制御されることで実現する運動です。つまり、難しいわけです。「回旋する」という動きの制御は、ヒトが立ち上がって歩けるようになる基盤になりました。。手足が交互に、互い違いに動くことによって実現している歩行や走行運動は、非常に難しい運動である、ということが言えそうです。

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直立したヒトの2足歩行では、下肢の前後運動により骨盤にねじれ運動が生じ、上肢の長さがカウンターモーメントになって打ち消される(Inuzuka 1992) →水平面の制御が必要になったことに加え、直立したことによって矢状面(前後方向)への制御も難易度が増した。


よく、「股関節を鍛える」とか「股関節主導で動け」という言葉を聞きますが、ヒトの体は上下で固定するところと動かすところのバランスを取りながら動いています。股関節に回旋が生じれば、必ず寛骨を介して仙骨に力が加わり、順に腰椎→胸椎という具合に動きが連動していきます。つまり、ここで回旋を使いこなす、ということは、ねじれの動きが生じた際に、手足をバランスよく配置し、体軸の安定した位置を獲得し、移動につなげることを意味している、ということだと思います。

私はこの連載の中で、「木登りの法則」をお伝えしていますが、ここで、この回旋運動に伴う骨盤から上肢までの動きの流れを確認しておきましょう。

このように連動するのが基本的な運動連鎖で、下肢にしても、上肢にしても右と左のねじれの動きを互い違いにすることで方向転換が可能になります。ヒトの肋骨の後弓が後方に突出した形になっているのは、この肋骨の互い違いの運動によって胸椎が回旋することを実現するためです。

難しい話はこれくらいにして、単純な連鎖を確認するねじれ運動の基本練習をみていきましょう。

どうでしょうか。皆さんの体も、同じように動くと思います。これが基本原則です。細かく言うと末端の骨の配列が乱れると力の流れが崩れるのでどこかに運動連鎖の破綻が生じますが、このような破綻をどこかで代償しながらヒトは生きています。ヒトは移動し、方向を転換する際に、矢状面・前額面・水平面の制御をうまく行ったり来たりしながら、最も自分に心地よい、環境に適応した形の運動を組み合わせて動いているわけです。

ですから、歩く、走る、方向転換をする、といった動作を基本としながら、道具の操作(打つ、投げる、捕る等)においても回旋運動を使いこなして行く必要があります。

上肢の回旋をどうつなげるのかはこの後のCorkscrew、Omoplataでお伝えますので、今回は特に股関節の回旋運動と体幹の制御を中心にトレーニングをお伝えしていきたいと思います。

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