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ハムストリングス肉離れ後の段階的トレーニング

肉離れは裏もも(ハムストリングス)やふくらはぎ(下腿三頭筋)、前もも(大腿四頭筋)に多く発生します。※1

ハムストリングスの肉離れは、その中でも頻度が高いスポーツ障害ですね。どのように復帰していけばよいか悩んでいる選手も多いのではないでしょうか。

この記事では、ハムストリングスの肉離れ後、受傷からジョギング開始までにしっかりやっておきたいトレーニングを段階的に分けてお伝えしていきます。なぜランニング開始までの段階的トレーニングなのか。それは、ランニングを始めるまでに、肉離れをするに至った原因を潰していくことが、復帰した後に再受傷しないための鍵になるからです。痛みがなくなったらすぐチームに合流する、走り始める、というやり方では、再受傷するリスクも高いままです。

走ると痛みがあるという時期にこそ、再発予防のポイントがある。ぜひ最後まで御覧くださいね(^^)

今、肉離れをして痛みがあるという選手はもちろん、肉離れの再受傷が多く困っている指導者の方にもお勧めしたい内容になっております。

他にも疾患別のセルフケアについてまとめていますので、よろしければそちらも併せてご覧ください。


専門家向けの記事はこちら


ハムストリングス肉離れの重症度について

ハムストリングスの肉離れは3つの型に分類されます。
(奥脇分類)

それぞれの型によって復帰までに必要な期間の目安が報告されていますので、可能であれば病院でMRIを撮影して医師に診断してもらうことで、休むべき期間を決めたり、リハビリの計画を立てるのに役立つでしょう。

奥脇分類※2
Ⅰ型(筋線維部の損傷):復帰の目安は2週間前後
Ⅱ型(腱膜の損傷):復帰の目安は6~8週以降
Ⅲ型(筋腱付着部の損傷):復帰の目安は4~6ヶ月
             (手術適応の場合もあり)


ハムストリングス肉離れからジョギング開始まで

まずは、痛めたハムストリングスが回復する過程において現在どの段階にいるのかをチェックしましょう。

普通に歩くだけで痛みがある段階では無理に動かさず、安静にしましょう。
歩く際の痛みを感じなくなったところから、3段階を確認していきます。

段階0:歩くだけで痛みがあり、普通に歩けない

段階1:歩くときの痛みはほぼなくなったが、ストレッチは痛い

段階2:ストレッチした時に、痛みより先に伸長感が出てくる。力を入れると痛い、違和感がある。

段階3:力を入れたときの痛み、違和感は消失。最大の力発揮はできず、速い運動をすると左右差がある

段階1でやるべきトレーニング

この段階は、損傷した筋肉がまだ回復している途中なので、ハムストリングスを伸ばしたり、収縮させたりといった負荷がかからないメニューを選択していきます。

ハムストリングスの肉離れを起こす選手の大半は、股関節や体幹筋の機能が衰えて、骨盤の安定性や股関節の可動性が悪くなっていることが多いです。

患部のトレーニングがあまりできないこの時期に、肉離れの原因となりやすい股関節や胸郭の運動を中心に行っていきましょう。

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