ライトノベル第四章六話【三人での待ち合わせ】
いつもの曜日、いつもの時間、いつものスタジオについたのは、予約の時間の一時間も前だった。さすがにそんな時間から使用するのはまずいだろう。相楽さんなら「構わない。」というだろうが、今日は十中八九、詩音不在での練習になる。詩音の顔で優遇してもらえている面がある以上、本人不在ならそれなりの謙虚な心構えでいなくてはいけない。中に入る前に踵を返すと、真後ろに美琴がいた。
「うわあっ、声くらいかけろよ〜美琴。」
「すみません、奏さん。考え事していたので・・・。」
「詩音のことか?」
「