EXHAUSTED #THINKTOBER
人間だって一種のテレフォンカードのようなものだ。磁気をまとっていて、それを読み取りあって残りの金額を確かめながら、ぼつぼつと穴が空いていくのを見て、自分の端数がどんなもんかを脳裏に浮かべたりする。
そして、あまりに強い磁場を受けると消え去ってしまう。
そう思ったのはこの男が、もうこのあたりでは駅前のロータリーのはずれ、つまりここにしかない電話ボックスで、テレフォンカードの最後の穴を確かめながら、これで実家に電話がつながらなかったら誰が迎えに来てくれるだろうかと寒々しい気