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三色ボールペン情報活用術

本棚にあった本を読んでみる、先週も同じようなことで書いたが、せっかくもらったのに今まで読んでいなかったのは反省すべきである……。

今回は「声に出して読みたい日本語」シリーズで有名な齋藤孝さんの本である。「声に出して―」の刊行は2001年(もう20年くらい前になるのか…)で、この本は2003年、この頃から本を執筆しまくっていたんだなとわかる。

"情報活用術"と謳っているので、実用書の部類、しかも巻末に練習問題が付いている。本書中には、他の人(学者)や世間に対して、だいぶ辛辣な(?)表現も見えるので、普段は見せない筆者の姿が垣間見える。個人的に印象深かったのは以下の部分である。

自分が関心のあるテーマで読んでいく本とか、出会う資料というのは、どうしても自分の今までの網に引っかかるものでしかない。それはそれなりに大切であるが、網の目の進化ということにはならない。
異種の情報源に積極的に接する。これが暗黙知の網の目を張り巡らせておくのに重要な習慣である。
重要なことは網を進化させてくれる情報と、どういうふうに出会うかだ。(中略)偶然による出会いというものが、思わぬ展開で自分を広げてくれる。自分から進んで手が出ないところには、意外な拾い物が潜んでいるものだ。
そういう意味でいえば、取引先や上司から割り振られて与えられた仕事だとか、自分の専門ではない研究テーマといったものこそ、逆に願ってもない、ありがたい機会になる。

最近ではGoogleフィードなどが勝手に情報を選んでくれる。それらは今までの検索履歴などからAIが選んでくれるから、高確率で興味のある記事である。それらの記事やサイトを読んでいるのは楽しいが、続けているとそれだけに凝り固まり、危険である。

"自分から進んで手が出ないところ"にアクセスするための習慣を、どうやって設定するか、である。これには唯一の答えは無くて、一人ひとり異なるやり方が存在する。上の例でいう"取引先や上司から割り振られて与えられた仕事"のように、自分でない誰かが選んだ情報というのが一つの切り口になるだろう。他の人が言ったことをとりあえず受け入れてみるという柔軟性や素直さというのが前提として必要になる。

この本も、ある意味、他人が買ったものであるから、一つその条件をクリアしているかもしれない。ただ、数ある本の中から"自分で"選んだから、ちょっとグレーかな…といったところ。興味のない情報を選ぶために、やり方を工夫しなければならない。

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