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余白を生み出す取り組み

渋幕というと関東にいたことのある人であれば一度くらいは聞いたことのある学校だと思う。東大への進学実績もあり、高難易度の学校だという認識しかなかった。自由な発想を持つ生徒を送り出せる学校の仕組みがあったようだ。

廃棄されたパソコンからスパコンを製作するという、まさにSDGsを体現したかのような取り組みだからこそ、メディアに着目されたのであろう。もちろん、完成させた本人が素晴らしいことは言うまでもないが、彼のリーダーシップを発揮させた環境が大いにあると思う。

自由な校風というのは簡単だが、生徒をそこまで信頼して任せてしまえるのはなかなか勇気が要る。普通の進学校であればテストが多く、そのテストのために課題が出されるはずだ。渋幕で、どのような取り組みになっているかまではわからないが、"進学校の割には宿題などの課題が少ない"のであれば、やってみたいと思うことを精一杯できる環境があるのだろう。

もちろん、自由を与えられたからといって、誰もが研究にまい進するわけではないかもしれない。しかし、本当に自分の頭で考えて必要なことを判断できる人間を育てるという意味では、この方法を取るしかない。色々な仕事がAIに取って代わられる、複雑な社会問題を解決する、これらを達成するためには自分で発想することが必須だからだ。

また、その人が持つリーダーシップを発揮できるためには周りの協力が不可欠で、その周りにも余裕が無いといけない(余裕が無ければ、手伝うことはできない)。それを可能にしているのも、前述の宿題が少ない環境だからだろう。

学校教育に限らず、家庭での子育て、あるいはビジネスシーン。人を成長させるためには、ある程度の余白を持たせなければならない――。そんなことを教えてくれる同校の取り組みである。

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