【ただ語る】HUNTER✕HUNTERは好きですか ならば刺さるはず小説「さよならの言い方なんて知らない。」
みなさん、HUNTER✕HUNTERはご存知でしょうか。
冨樫義博先生による能力・心理戦・多様で複雑な群像劇ドラマが巻き起こる名作漫画です。
間違いなく名作漫画なのですが、これに匹敵する「能力・心理戦・多様で複雑な群像劇ドラマ」が巻き起こり、かつ連載中でペースが落ちず発刊もされ続けている作品があります。
こちらです。
さよならの言い方なんて知らない。
新潮文庫nexから出版されている、河野裕 氏の小説になります。(執筆時の最新は8巻。10巻程度では終わりそう。)展開が良くてグイグイ読めるので普段、本はちょっと…って方もぜひ読んでみていただきたい。
本記事では、こちらの作品について(面白さを損なうようなネタバレをなるべく回避しつつ)現在進行系の能力バトル作品でもっともアツい、という語りをしていきます。
事前情報が0であればあるほど面白い作品と思っているので、興味が沸いた時点で記事を閉じて本屋に向かっていただければ。
・冒頭の概要で引き込みたい(微ネタバレ)
この作品のジャンルは「異世界転生 能力バトル 戦略シミュレーション ループあり SF 青春 群像劇」(※独断と偏見)です。役満です。
作者も「エンタメとして最上級のものを書きたい」と過去に発信してました。
主人公、香屋歩(カヤアユム)はひょんなことから戦争ゲームが勃発している「架見崎」に訪れることになります。
「架見崎」に存在するユーザは"運営"のような存在から特殊能力を授かれるポイントをもらいます。特殊能力は身体能力を向上させるもの、遠距離攻撃の強化、情報検索の拡張…がメインです。それに加えてユニークな例外…いわゆる「特質系」のような能力も自分で制約と誓約を設定しながら獲得することができます。
・・・皆さんならどのような能力を獲得しますか?
香屋歩は、他のどれよりも例外的な能力である「キュー・アンド・エー」という能力を設定し、獲得しました。
名前から分かるような、分からないような、だと思いますが、それを生かしたひりつく頭脳戦が香屋歩、かつ、作品全体の基本的な方向性になります。
・表紙とのギャップを話したい
1巻の表示を見ていただければ分かると思うのですが、この作品が呪術廻戦!みたいな普及をしていない理由に、表紙とのギャップがあると考えています。わかりやすく「異世界転生 能力バトル 戦略シミュレーション ループあり SF 青春 群像劇!!」とは書かれていませんね。
河野裕氏の作品は色々な側面がありますが、「爽やか」「群像劇」「心情の言語化」という点が美しくかつわかりやすく描かれている感覚があります。
数年前に映画化した「いなくなれ、群青」も河野裕さんの作品になります。
また、全体的な作風に関しては、同氏の『昨日星を探した言い訳』に対する、筒井康隆先生の第11回山田風太郎賞の選評コメントが良く表しているな、と思っています。
こんなヒトが書く能力バトルが面白くないはずがない!
ちなみに、毎巻の表紙にいる少女は何者?も作品の大きなキーポイントになっています。いろいろ想像しながら楽しんでください。
・作者の別作品の話をしたい
山田風太郎賞 選考作品にノミネートされた『昨日星を探した言い訳』、「読者による文学賞」を受賞した『君の名前の横顔』、映画化した『階段島』シリーズ… と様々なテーマ、作風の作品があります。
『さよならの言い方なんて知らない。』の『架見崎』シリーズに近い作風を挙げるとすると、デビュー作『サクラダリセット』シリーズが同じくらいオススメです。
こちらはこちらで、「爽やかなデスノート」 という感じの、青春群像劇を装った静かなバトル作品でオススメです。能力バトルや主人公達の考え方や強キャラのイメージなどでも『さよならの言い方なんて知らない。』と親和性を感じます。ひっそりとアニメ化もしています。ヒロインの春埼美空(cv.花澤香菜)がピッタリで最高でした。
・以上
何を話してもネタバレになるんで何も言えません。絶賛されるべき作品なのに、刺さりそうな方へ届いてなさそうな気がしておりこの記事を書いています。読んでみて良かったらぜひ布教してください。
最後に 河野裕 作品あるあるを言わせてください。
作品すべてにピストルスター居がち。そして筆者の好みに刺さりがち。
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