mybestで取り組んだリサーチプロジェクトをインターン目線で振り返る
はじめまして!
私は2023年3月〜8月の約半年間、mybestでデザインリサーチの長期インターンをしていました。
mybestでは3月からユーザーインタビューを定期的に実施しています。3月に行った探索型リサーチから始まり、現在もアプリや新規事業などの各チームで継続しています。
本記事はリサーチプロジェクトの立ち上げから参加し、リサーチをする文化を作ろうとした半年間のまとめになります。
mybestとリサーチ
mybestのインターンを始めた経緯
学部2年生当時の私は、本当にデザイナーを目指すか悩んでいました。なぜなら、
同じ大学からデザイナーになった事例がほとんどない
figmaなどのツール活用に特別強みがあるわけではない
デザインの実務経験をほとんど積んでいない
という状況だったからです。
新卒の採用サイトを調べると大抵、UI/UXデザイナー、Webデザイナーがヒットするため、それ以外にデザインと名の付く領域が広がっていることが想像できていませんでした。
実際にUIについて考えたり、体験設計まで経験できるインターンは数が多くないので、どのようにキャリアを作るべきか分からず困っていたのを覚えています。
そして2023年の年明けまもなく、転機となる募集を見つけます。この募集を見て「デザインリサーチ」という分野があることを知りました。
同時にmybestという会社も初めて知ることになります。
mybestは簡単にいうと比較メディアなのですが、比較する商品を実際に購入し検証していることが特徴です。オフィスには大量の商品がどんどん追加されていき、圧巻の光景でした。
↓オフィスを紹介した記事を添付しておきます。
何のためのリサーチなのか?
リサーチプロジェクトが動き出した主な理由は、リブランディングのためです。ロゴやコピーまで大幅に刷新するということで、そもそもmybestの根本である「選択」とは何なのかを探索する必要がありました。
とはいえ、私が参加した段階では社内での前例もほとんどなく、プロジェクトメンバーが手探りで初めていくことになります。
リブランディングは7月に行われ、特設サイトもあるのでぜひご覧ください。
リサーチプロジェクトの立ち上げ〜社内活用まで
① 3月〜4月 mybestにおける「選択」を探索する
リサーチプロジェクトはUX Discoveryという名前で行われました。
概要は
となります。
プロジェクトがスタートして初月にいきなり30件近くのインタビューを実施できたのは、慣れない中インタビュアーを務めてくれた皆様のおかげです。インタビュー後の振り返りを元にどんどん改善し、その後のリサーチの土台となる経験とドキュメントが溜まりました。
一方で課題も山積みで、一つ一つ地道に解決しました。
1つ目は議事録。最初の数件、全て人力による文字起こしでドキュメントを残していました。しかし一件終わるだけで腕は限界を迎え、リサーチを継続する上での大きな懸念点でした。そんな中出会ったのがtl;dvというサービスです。自動文字起こしの精度がとても高く、録画も残るため一石二鳥でした。本サービスを導入してから、インタビューサポート側の負担が大幅に減りました。
2つ目はリクルーティングです。実ははじめ数件はTwitterで募集したのですが人数もあまり集まらず困っていました。そこで導入したのがuniiリサーチです。uniiリサーチに募集を出すとわずか1日で十分な量の応募がきました。そして日程調整も直感的操作で完了し、謝礼は自動で送ってくれるため特段の対応が必要ありませんでした。
リブランディングに関するリサーチは一旦3月で終わり、以降はそのデータを社内で活用するためのドキュメント整理やリサーチの幅を広げる活動をしました。
② 5月〜6月 リサーチチーム以外のメンバーを巻き込む
この時期から、社内でもリサーチ活動が認知され始め、どんどんと新たなメンバーを巻き込み始めました。
UX Discoveryには初期段階からエンジニア・PM・デザイナーが所属していました。そのため、5月から実施した事業ごとのリサーチではUX Discoveryメンバーが各々指揮をとることでスムーズに進みました。
この頃から振り返りも充実し始めました。
Miroでも議事録を取ることでインタビュー後の振り返りがより盛り上がるようになりました。リクルーティングも属性で絞り、より適性のある人をピックアップできるようになりました。
ちなみに、リクルーティング、議事録、Notion整理、インタビュー前の準備含めてインタビュアー以外の動きをほとんど1人で行っていました。これは自分が頑張った!と言いたいのではなく、1人でも行えるようにマネージャーがサポートしてくれたということです。振り返りのフォーマットの作成や各種作業の自動化について教えてもらったため、何とか進められました。
③ 7月〜8月 開発チームにリサーチ文化を作る
7月からは各事業ごとにインタビューする目的もはっきり決まり、実施回数や内容に幅を持たせることができました。
課題をこなしてもらうタイプのユーザビリティテストではインタビュアー初経験のメンバーの参加が増えました。初めてのインタビューは緊張するのですが、事前に録画を見てもらっておくことで負担が軽減されていました。この時期になるとスクリプトの充実度合いも増し、さまざまなパターンに対応できるようになってきました。
また、Notionに記録しているインタビュー結果も量が増え、情報を整理することが必要だと感じ始めました。
そこでUX Discoveryではユーザーリサーチに関する社内向けマニュアルの作成を行いました。このマニュアルがあることで、今後インタビューを新たに立ち上げやすくなったと思います。(私の作成したものは拙すぎて没になりました😇)
④ 全社への共有に向けたレポートの作成
ここが一番大変でした。
ユーザーインタビューを何度も行っていると、インタビューを行うことが目的のように錯覚してしまうタイミングがあると思います。しかし行わなければならない、社内共有。リサーチで発見したことを資産化し、今後も活用できるような形にする必要がありました。
ということでリブランディングに向けた3月のインタビュー結果をタイプごとに類型化し、購入までの流れもまとめました。30人分の購入の流れをスライドにまとめ、ユーザーストーリーも全て載っています。総ページ数も100近くあり、かなりのボリュームになりました。この資料を読むだけで「選択」という行為の幅広さを実感できますし、それもある程度のパターンがあることがわかります。
もちろんただ投下しただけでは読んでくれる人は少ないので、社内イベントを行うなど尽力していただきました。(私は退社していたので参加できず…無念…)
この資料は現在も社内で活用されていると聞いたので、一安心です。入社したら読めると思うので、気になった方はカジュアル面談でも。
と自分の功績のように書いてしまったのですが、この資料やインタビューの立ち上げなどはマネージャーの横田さんの尽力があってこそでした。ユーザーインタビューの立ち上げと並行していくつものプロジェクトに携わっていて、本当に何者なんだろうとずっと思っていました。憧れの人です。
ちなみにインターンに参加する前に↓の記事を読み、ここで働きたいと思いました。
まとめ
業務としてのリサーチを経験して
半年間、学生インターンとしては珍しくリサーチをメイン領域として活動しました。この経験から、将来もリサーチに携わりたいと思うようになり、就職活動もその視点を入れた上で行うようになりました。
現時点では専業リサーチャーになりたいという思いは強くなく、リサーチを通して共通認識を増やし、開発チーム全体に貢献できるデザイナーを目指しています。
また、リサーチを通してユーザーの多様性を実感したことからアクセシビリティの領域にも興味を持ちました。まだまだ知識と経験が足りないので、積極的に学習する姿勢を持ちたいです。
そして、リサーチをメインにしたインターンがもっと増えればいいなとも感じます。リサーチにインターンを採用するメリットは実はかなり大きいのではないかと思います。理由として
大学生は変則的なインタビュー日程に時間を合わせやすい
社員ではコスト的に割けない業務も回収できる
といったメリットがあります。学生側も、
社会人力も必要になるため、差別化できる経験となる
様々なメンバーと関わるため会社のことをよく知れる
というメリットがあります。リサーチが立ち上がっている組織の方は検討する価値があると思いますので是非お願いいたします!
さいごに
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この半年間mybestで働けたことは間違い無く私の人生にとって大きな転換点です。短い期間でしたがたくさんの方と関わらせていただき、皆さん優しく接してくださいました。本当にありがとうございました。
良い報告ができるように、これからも頑張ります!
mybestデザイン部のことを知るには
カジュアル面談やオウンドメディアがあるので是非ご覧ください!
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