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mybestリブランディングプロジェクトの舞台裏

こんにちは!
初めまして、mybest デザイン部の内山です。

このブログでは、mybest デザイン部の日々の取り組みやナレッジを共有していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします!

さて。今回はmybestのリブランディングプロジェクトについてです。 mybestは2023年7月13日にリブランディングを行いました。

このリブランディングプロジェクトは、デザイン部を中心に、社内のさまざまな部署・パートナー企業とともに取り組みました。今回は、そんなプロジェクトの舞台裏を公開します。


リブランディングの背景

月間UUは約3,000万のサービスへと成長を遂げたmybest。2023年にはアプリ版もリリースし、事業規模は年々拡大しています。

しかし、「mybest」というサービスをイメージをもって知っている人はまだまだ少ないのが現状です。「検索してよくみるサイトの1つ」ではなく、「何かを選ぶならmybestが一番!」と言ってもらえるような世界を作りたい。

そのために、mybestの現在と未来を反映したブランド価値を言語化すること、覚えやすい・わかりやすい表現を開発することを目指しました。

「選択」とは何なのか?

mybestは、選択というテーマにフォーカスしたサービスです。
疑う余地なく、マイベストのメンバーは全員がユーザーファーストを体現しています。一方で、そのユーザー像はメンバーによってさまざま。選択という経験はとても複雑かつ多様で、mybestのメンバー全員もまた選択する人だからです。

「選択」とはつまり何なのか?定義できるのか?そもそもわかるのか?mybestの根源とも言える「選択」というものをプロジェクトメンバーがイメージできることは、新たなブランド構築のために重要です。

そのためにさきがけて行ったのが、「UX Discovery」というデザインリサーチプロジェクトです。このプロジェクトはコンサルティングファームのMIMIGURI社と共に取り組みました。

mybestの利用者に限らず、30人以上の様々なライフスタイルを持つ人々に対して、ユーザーインタビューを実行。彼らが何を考え、どのように選択しているかについて、それぞれ1時間インタビューを行いました。そして、そこから得られたエピソードの抽象化を重ね、選択に関するコンテクストやメンタルモデルを類型化することで、ユーザーの課題を議論するための共通言語を導くというものです。結果的に、これをもとに今後の選択プロダクトとしての注力する体験がなにかを再確認しました。これらは、プロダクトの体験設計でも共通言語になっています。

このプロジェクトについては、また別のnoteでもご紹介したいと思います。

抽出したエピソードのクラスタリング
このプロジェクト後に作成中のリサーチレポート
マイベスト・MIMIGURI社のメンバーで実施したワークショップ

mybestの価値を再定義する

そして、mybestの提供する価値とは何なのか。

社員全員が共有している漠然としたイメージはあったものの、明確に定義づけはされていませんでした。そして、プロダクトのフェーズも目まぐるしく変化しており、将来的に目指す方向性が言語化できていませんでした。

クリエイティブパートナーとしては、デジタルサービスのブランディングに実績のあるPARK社に依頼しました。彼らのリードのもと、mybestの価値を再定義し、それを忠実に反映したブランドメッセージを開発することにしました。

プロセスとしては、次のようなものです。

  1. 綿密なインタビューセッションを通じて、CEOの吉川をはじめ、各部署のメンバーが捉えるmybestの人格や魅力をひとつひとつ抽出する。

  2. 数回に及ぶ発散と収束のプロセスで、メッセージを明確にしていく。

ディスカッションを通じて、言葉ひとつひとつにmybestにしか表現できない思想を反映することができました。PARK社からいただいた提案は、mybestの提供するものやオペレーションについて深い理解に基づくものでした。
抽象的な議論への困難さがありましたが、最後の最後までよい提案をもらい、強いコピーができました。

こうしてできあがったブランドメッセージに対して、社内のコンテンツやプロダクトをつくっているメンバーからも、mybestがどのような価値提供をしているのか、自分事として納得しながら再認識することができたという声がありました。

ビジュアルアイデンティティの刷新

mybestが選択の領域で社会のインフラになるためには、視覚的にも統一され、印象に残るブランドイメージを作ることも必要です。そこでインハウスのデザイン部でコーポレートロゴの刷新を行いました。
ロゴ刷新の目的は大きく5つ。

  1. 選択領域におけるユーザーの第一想起獲得

  2. 事業の拡大、社会の変化に耐えうるブランドイメージの構築(時間における耐久性)

  3. アプリを筆頭に、あらゆる媒体で正しく認識できるブランドイメージの構築(視認における耐久性)

  4. 社会のインフラとしての信頼感と王道感の獲得

  5. 社内メンバーの帰属意識の醸成

ただし、完全に新しいものを作るのではなく、これまでmybestが醸成してきたカルチャーやアイデンティティを反映し、より「mybestらしさ」が際立つものにしたいと考えました。同時進行していたブランドメッセージの開発により、メンバー間のブランドイメージが統一されていたことでコーポレートロゴの進むべき方向性も見え始めました。

また、インハウスでのプロジェクトだったこともあり、好みや主観だけによる判断にならないように事前に良いロゴの定義と判断基準を明確化し、メンバーに共有しました。

参考文献 : ロゴデザインの現場

そして実際にロゴの制作に入る前にデザインにおける指針となる3つのキーワードを抽出しました。

  1. インフラとしての信頼性

  2. 堂々としている

  3. 優しさと強さの共存

この3点を踏まえてシンボルマークの開発とロゴタイプのリファインを行いました。

シンボルマークの開発

まずはアプリアイコンを筆頭に様々な媒体でスピード感を持ってmybestらしさを伝達することを目的にmybestを象徴するシンボルマークの開発が必要と考えました。

様々なモチーフでロゴのプロトタイプを作成し、比較・検証を繰り返しました。「これだ!」と思ったものが5分後には「やっぱり良くないな」となっての繰り返し…。何度も何度もこの作業を繰り返すうちにメンバーの思うブランドイメージのブレが少なくなっていき、mybestらしいとは何なのか、本当に伝えたいことは何なのかが研ぎ澄まされていきました。

手描きで起こしたラフから可能性のあるものをデザイン化。これでもほんの一部。
シンボルがあらゆる媒体に展開され、総体として作り出すブランドの世界観も同時に検証。

たくさんの検証の末、最終的に決まったのは最も強く、端的にmybestらしさを表している星のデザイン。ユーザーにとってのお気に入り=最も輝く一番星を見つけられるサービスにしていくという思いや、確かな検証に基づいた、公正で信頼性のあるレーティングという意味が込められています。

星の角のアールの見え方の検証。ぱっと見全部同じに見えるほどの微差。

ロゴタイプのリファイン

以前のロゴタイプはシンプルでいながらどこか可愛らしさもあるタイポグラフィーで、社内の評判も良いロゴでした。しかし、事業の拡大に伴って露出する媒体の種類も増え、アプリを筆頭とする小さい表示の際の視認性に改善の余地が生まれました。シンプルで強く、優しさもかね備えていた旧ロゴはmybestのバリューである「誠実でいよう(Integrity)」「協力し合おう(Cooperation)」「ストイックにやろう(Stoic)」を体現していました。それらの良さを残しつつ機能面を強化するリファインを行いました。

さまざまな媒体やサイズでの視認性、そして時代の流行に影響を受けない普遍性、この2点を向上させました。モバイルでの小さい表示を念頭に細かすぎる場所や尖りすぎている場所を削ぎ落とし、より洗練されたロゴタイプに生まれ変わりました。

ブランドカラーの設定

あらゆる媒体において、ひと目見て「これはmybestだ」と認識できるかどうかは非常に重要です。そこで、新たにmybestらしさを表すブランドカラーを設定し、視覚的なブランドイメージの強化を計りました。

デザイン部では、定期的に社内にブランドイメージに関するアンケートをとっています。その中で社員の共通認識として、グリーンにmybestらしさを感じると答えた人が非常に多いという回答結果がありました。これはwebサイトのUIや、オフィスの造作による影響かもしれませんが面白い結果でした。ブランドカラーとしてオフィシャルで設定されていたわけではないのですが、社員がいつの間にかグリーンを自分たちのアイデンティティとして認識していたことが分かり、改定後の浸透のしやすさなどを考慮してグリーンを第一候補として進めました。

また、決め手となったのはインフラとしての信頼性の観点です。mybestは年齢もジャンルも関係なく、幅広い商品を取り扱っています。それゆえにターゲットの層が非常に広く、いかに多くの層の人々に自分のブランドだと感じてもらえるかがカギでした。グリーン以外の色も検討した結果、最もニュートラルかつインフラとしての信頼性を感じさせるグリーンに決定しました。

印刷時の色検証。RGBに比べて彩度が下がるため、印象を合わせるのに苦労しました。

さいごに

今回はmybestリブランディングプロジェクトの舞台裏のお話をお届けしました。

リブランディングプロジェクトの立ち上げ当初、正直右も左も分からない状態で途方に暮れていました。しかしmybestというサービスに誇りを持って、誠実に向き合い成長させてきた社員の強い想いが核になって、プロジェクトを推進させました。

もちろん、それぞれのメンバーの想いから生じた意見の違いにより立ち止まるときもありました。しかし協力してくださったMIMIGURI・PARK両社の客観的な視点も加わって最終的には社員全員の思いを反映したブランドイメージを作り上げることができました。
MIMIGURIの皆様、PARKの皆様、この度は本当にありがとうございました。

そしてこれからは今回作ったmybestのブランドを育てていくことが重要なミッションになります。あくまで現状はリブランディングを発表したにすぎません。

まずは社員一人一人がmybestのブランドイメージを理解し、共有することが非常に大切になります。そのために、今回策定したブランドガイドラインも運用していく中でブラッシュアップさせていく予定です。単なるルールブックではなく、新入社員や初めて見た人がmybestの世界観を瞬時に共有できる、そんなガイドラインを目指していきたいと思っています。まずは自分たちがしっかりとブランドを理解し、体現していく。その先にユーザーの皆様の生活にmybestというブランドが浸透した世界が見えてくると信じています。

mybestが世界中の人々のインフラになる未来を目指して。
デザイン部はこれからも前に進み続けます。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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