ジン

小説、エッセイ、YouTube、ラジオで発信する33歳。ジョギングと読書が趣味。 ラジ…

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小説、エッセイ、YouTube、ラジオで発信する33歳。ジョギングと読書が趣味。 ラジオ→ https://anchor.fm/hra79m2fjig YouTube→ https://youtube.com/channel/UCK_d27I7cIjik1Z-qatu7rA

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  • エッセイ集

    エッセイのまとめです。暇な時にぜひ!

  • 生きづらさについて

  • 人類史

    空白の歴史について書きました。

最近の記事

夫婦別姓という死ぬほどどうでもいい話が主要議論になる異様

 選挙前だからか、いやでも目につく夫婦別姓についての議論。  これほど殆どの国民にとってどうでもいい話はない。  地球環境の危機、AIの利用、ベーシックインカムなど、人類が消費と生産を抑えていく方法について早急に合意点を探さねばならない今、夫婦別姓か否かについて口角泡を飛ばしているなど正気の沙汰ではない。  確かに人類が社会的な動物である以上、その家族の名前について議論することが完全な無駄というわけではないかもしれない。  しかし、これは苗字についてこだわりのある集団同士(

    • 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』がつまらない理由※ネタバレあり

      『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』が面白いと聞いて、アマプラで見てみた。  結論から言うと面白くはなかった。その理由は、終盤の水木(主人公)の沙代(ヒロイン)に対する態度のせいである。  物語の序盤から中盤にかけて、水木は沙代からの猛烈なアプローチを受けるが、最初は「夢みがちな少女の一時の気の迷い」だと真剣に考えず、むしろその恋心を利用しようとしていた。  水木は戦争経験した兵士上がりのため、人間のエゴに絶望しており、そのため人の愛を信じることができなかったのだ。愛を信じず、人を支

      • 車椅子イオンシネマ問題、あるいは恩という借金について

         車椅子に乗った女性が、イオンの映画館で揉めた話がネットで話題になっている。(↓の記事を読むとネット反応がよくわかる) https://note.com/dokuninjin7/n/n0159e82198a9?sub_rt=share_b  確かにネットの情報を見る限り、件の車椅子の女性は随分と我儘に思える。障害者対応の劇場があるのにもかかわらず、わざわざ対応していない劇場のチケットを購入し、そして従業員に運んでくれと要求したらしい。  健常者が普通にできること(その劇場

        • 自分の人生を諦められる人が減ったから少子化してる

           現代の少子化の原因は、もちろん経済的理由なんて見当はずれで、実際は、大人が自分の人生をいい歳になっても諦められず、心は文系大学生みたいにモラトリアム気分のままだからだ。  大人になっても、まだ自分は何者かになれるかも、と思っているから、人生のリソースを割かねばならない結婚育児に尻込みしてしまう。  もちろん、何者かになれるなんて、本気で思っていない大人が大半だろう。  だが、日曜日の夜、もっと何かできたんじゃないかと、往生際悪く、無駄に夜更かししてスマホを眺めてしまうよ

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        • 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』がつまらない理由※ネタバレあり

        • 車椅子イオンシネマ問題、あるいは恩という借金について

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          8本
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        • 生きづらさについて
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        記事

          女湯に入っていく少年を見た

           先日恋人とスーパー銭湯に行った。施設の中には座敷の食事処もあって、俺たちは湯に入る前に夕飯を食うことにした。  平日の夕方だったから、混雑はしていなかったが徐々に客の増える時間帯だった。一つ空けた隣の卓には三人の子供連れの母親が座っていた。  父親はおらず、母親は疲れている様子だった。一番上の男の子は小学校3年生くらいで、その下の弟と妹は共に幼稚園の年長くらいに見えた。  母と子供3人でカレーライスとラーメンを注文していて、子供らは、微笑ましいほど一生懸命に食べていた。

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          進撃の巨人の能力はB系列時間

          (ネタバレあり) 『進撃の巨人』は漫画ではすでに最後まで読んでいたが、先日アニメの最終話も見て、改めて感動した。漫画の完成度で言ったら『寄生獣』『ベルセルク(蝕まで)』に匹敵するし、作者の光と影をファンタジーに落とし込んだテーマ性も強く感じた。  特にエレンの「壁の外に人類がいると知って、がっかりした」というセリフは、現代日本の子供が大人になるにつれて感じる世界への失望と重ねてしまう。平和な日本で生きていた子供が、学校に通い、歴史を学び、日々ニュースやインターネットメディ

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          プライバシーという贅沢品

           私は自衛隊の営内、つまり寮で8年と3か月過ごした。新隊員教育隊の時は、一部屋に二段ベッドが五個で、10人部屋。部隊配属後はだいたい5人~3人の部屋で生活していた。  陸自の考え方により、仕切りなどはない。一年目などは、部屋には先輩しかいないわけで、椅子に座る音さえ気を遣ったし、誰かの机の上にゴミがあれば「捨てますか」と聞かねばならなかった。一年ちょっとは、外泊できるのは月に1回くらいだったから、日々の大半を営内で過ごした。  しかし、だんだんと後輩が増えていくのもあって、年

          プライバシーという贅沢品

          本当のこと

           札幌では先日まとまった雪が降り、道に積もった。昼夜続けての降雪だったので、氷状の雪の上にふわふわした雪が重なっていた。  俺が日課の通りジョギングをしていたら 「おーい」  と呼ぶ声がした。見ると杖を突いた老人が歩道に立つくしていた。 「どうしました」  俺は眼鏡の雪をぬぐいながら立ち止まった。 「あああ、足がつって歩けなくなってしまあああ」  老齢と寒さの強張りのせいで舌が上手く回らない様子だった。さっきの「おーい」は生命を振り絞って出した最後の大声だったようだった。  

          本当のこと

          ホスト問題について思うこと。

           ホストにハマる若い女性が増加し、彼女たちが風俗や立ちんぼで売春するケースが取りだたされ社会問題となっている。  この問題の起点はホストではなく、若い女の性的資本の上昇が先にある。近年急激に若い女の性的価値が高騰した結果、彼女たちは潜在的な金持ちになり、それに目をつけた業界が儲かっているという構図なのだ。  若い女の性的資本、つまり女との性行為には正当な価格などない。例えば地面から湧いてくる石油に値段をつけるときに、正当な基準などどこにもないのと同じだ。1リットル当たり1

          ホスト問題について思うこと。

          強くなければサイコパスになれない

           同棲相手がよくノベルゲームをしている。この前は『百花百狼~戦国忍法帖~』というゲームをしていた。イケメンイラストのキャラクター達と恋愛していくという乙女ゲームというジャンルだ。  ゲームが終わった後、彼女がヤンデレ(創作物におけるヤンデレ)について語りだした。しかし話を聞いた後も、ヤンデレというものの定義がよくわからないままだった。そもそもツンデレやメンヘラだったら人口に膾炙しているし、共通認識があるが、ヤンデレとなるといまいち判然としない。病んでいて、デレデレというとこ

          強くなければサイコパスになれない

          アイデンティティなんてない方がいい

           AIタレントが伊藤園のCMに起用されたことで、芸能人が危機感を持っていた。  芸能人に限らず、多くの人が仕事をテクノロジーに奪われるのを恐れている。それは多くの人が、仕事によってアイデンティティを形成しているからだ。  確かに日中の殆どの時間を仕事に費やしているのだから、それは仕方のないことかもしれない。自分にしかできない仕事とそれによって得られる貨幣、さらにそれらに価値を見出してくれる他者。みんな失いたくないようだ。  だがアイデンティティなど、文明以後に刷り込まれた多

          アイデンティティなんてない方がいい

          先進国のGDPは上がらない方がいい

           日本のGDPランキングが落ちているというニュースをまた見た。  案の定悲観的な論調とコメントが溢れている。  だがGDPは、金が動いた量を測っているわけで、豊かさの指標ではない。  確かに発展途上国のように、まだインフラが整っておらず、衣食住が不足している地域では、金が動いていることは必要なモノが人々に行き渡る過程を表しているので、GDPの上昇と豊かさの向上には相関がある。  しかし、先進国では、人々が生きる上で必要なモノはすでに満ち足りている。普通に考えればGDPの上昇

          先進国のGDPは上がらない方がいい

          自分の仕事に意味があると信じているのか

          「競争によって社会は進歩している」  という価値観が現代社会にもまだ強く残っている。  日常生活レベルで見れば、確かに切磋琢磨を実感する機会もあるし、スポーツは明らかにその価値観を強化している。  人が生きることと、スポーツは全くの別物なのだが、多くの人が生きることがあたかもスポーツ的な性質があると信じている。  なぜなら現代先進国の主体ビジネスはスポーツ寄りだからだ。だが、生きるために働いているはずなのに、その実、従事しているビジネスは生きることとは無関係という奇妙な状況に

          自分の仕事に意味があると信じているのか

          ブスから美人は生まれないと信じたい人々

           ブスから美人は生まれないと信じている人がいる。その信徒は敬虔で 「いや、ブスな親から美人が生まれることもあるよ」  と意見すると激昂しながら否定する。  彼らは「親ガチャ」という言葉を好んで使うクラスターとほぼ同じで、昨今見られる間違った遺伝学と運命論のハイブリッドニヒリズムの信奉者である。  もしブスから美人が生まれないとすると、世界にはとっくに美男美女はいなくなっている。  なぜなら、美男美女の両親から美男美女の子ができると限らないというのは、世間を見ていれば明白で

          ブスから美人は生まれないと信じたい人々

          「食いつくし系」は実在するのか?

           ユーチューブを見ていたら、「食いつくし系」なる者がいるというニュースがあった。 「食いつくし系」とは、家庭において、人の分の料理やお菓子を勝手に食ってしまう者を指す造語で、SNSで話題になっているらしい。  例えば、夕飯に、家族分のハンバーグを作ったのに、父親が一人で全部食べてしまうとか、家族分のシュークリームを買って置いといたら、また父親が全部食べてしまうなどの事案が見られる。  「食いつくし系」は大抵が父親で、妻や子供達による被害報告がインターネット上に溢れていた。

          「食いつくし系」は実在するのか?

          なぜ今、税金が上がるのか

           物価が上がっていて家計を逼迫しているのにも関わらず、政府は減税をしない。ガソリンのトリガー条項も発動しない。  そして、減税をしないどころか、増税を試みている。インボイス制度なども始まる。消費税の増税も近そうだ。  さて、なぜ今物価高の中、政府は増税を進めるだろうか。  結論から言えば、物価高というインフレ傾向だからこそ、増税をしなければならないからだ。(と政府のブレインの経済学者は考えているはず)  物価が上がるというのは、円の価値が下がっていることを意味する。  

          なぜ今、税金が上がるのか