働く

【図解】プロジェクトの成功率を上げる設計図・8つの手順。

準備8割という言葉がありますが、準備段階で成果はある程度決まると思います。僕の仕事は家を買いたいという人に対して、中古物件を探すとこからから関わり、資金計画とローン選びのサポート、設計デザイン、リノベーション施工までを提供することです。時間もかかるし、大きなお金が動きます。

もともと何も考えずとにかく動いてみる派でしたが、僕の仕事柄、それだと多大なる迷惑をかけます。もしあなたが家を買う、作るとして、担当の人が行き当たりばったりな感じだったらどうでしょうか。僕なら絶対嫌です。必然的に、一つのプロジェクトをどう設計するかについて熟考する機会と経験が積み重なってきました。

このフレームワークを使い続けて4年になりますが、設計図の精度が上がれば上がるほど、成果が出せるようになっていることを実感しています。これを体得することによって、成果を「狙って」出せるようになってきた実感があります。

僕の仕事でなぜこの設計図が必要なのかというと理由は2つあります。一つは、リードタイムが比較的長いサービスを取り扱っていること。僕の仕事はワンストップ型のリノベーションの営業です。一組のお客様にかける時間は最低でも半年以上となります。下記僕の仕事の流れです。

・コンセプト固め(約0.5ヶ月)
・物件探し(約2ヶ月)
・資金計画/ローン手続き(約1ヶ月)
・設計/プランニング(約1.5ヶ月)
・工事(約2ヶ月)

もう一つの理由はプロジェクトに関わる人が多いということ。
デザイナー、不動産営業マン、銀行担当社、マンション管理会社、マンション管理組合、現場監督などなど、関わる人が社内外様々です。ただ情報の伝達をしているのでは、お客様が満足いくような質の高いサービスは提供できません。目的を共有し、一つの目標に向かって全員の方向性を合わせていく必要があります。

こういった理由から、もはやプロジェクトの設計図を描かずに仕事を進めることはありません。すべてはここから始まります。資料作成一つにとっても、これに紐付いているかどうかを熟考してやるべきか、やらざるべきかを判断します。

前置きが長くなりましたが、こちらが僕がいつも使っている設計図の全体像です。

①ゴールイメージに心からワクワクするか?

これが一番大事なことです。なぜかというと、自分自身を動かすときも、誰かに動いてもらうときも、基本的にはワクワクしないものに対して重い腰を上げて動こうなんて思えないからです。綺麗ごとを言わず、欲望を一旦丸出しにして、これを達成した時にどうなっているか、4K動画くらい鮮明にしていきます。

②目的/なぜやるのか

ゴールイメージが固まってきたら、それを達成したいのはなぜだろうと自問します。ポイントはそれが利他的な要素を入れるということ。なぜなら、利他的であればあるほど、周りは協力してくれます。自分以外の誰かの力を借りることができるので、成功率が飛躍的にUPするからです。
誰かのちょっとしたお困りごとを解消してあげたとき、静かな満足感がじわりじわりと身体の中を巡るのは僕だけではないはずです。周りに喜んでもらえて、自分も成長できる。その結果、少しあとに大きなリターンが返ってくるものだと思います。最初から見返りを求めるのは粋ではありません。

③目標(KGI)に落とし込む

ひとつのプロジェクトにつき、目標は一つです。
目標には必ず達成水準と納期を入れます。
「お客様を幸せにする」は目標ではありません。
幸せにするは主観的だし、納期がないからです。
僕の仕事の場合は、「〇〇様邸お引渡・納期2019年3月31」が目標になります。引渡書に日付とサインを頂くことで、納期と達成水準が明確に達成されているのがわかります。第三者が見ても達成未達成が分かるか、自問します。

④小目標(KPI)に分解する

これができるかどうかで達成率は大きく変わってきます。
なぜなら、この時点で目標は結構今の自分の実力では達成し得ないものになっているからです。人はすでにできるものにワクワクしません。初めて自転車に乗れたときはとてもワクワクしたはずだけど、それは長くは続きません。なぜワクワクするかというと今の実力では届かない、一種の憧れの気持ちがあるからです。ワクワクするような目標を立てた時点で、やっていくうちに目標が高すぎると感じ、挫折してしまうリスクも高まるということです。そのために、目標を細かく分解します。富士山登頂して朝日を見る(明日の5:30)を目標とすると、5合目、8合目を何時何分までに通過するというのが小目標(KPI)となります。ちなみにこのKPIは状況に応じてどんどん変化させていいものです。悪天候だからルートを変えようなど。ただ、目標(富士山登頂して朝日を拝む)は基本的に一度決めたら変えません。KPIとして機能させるためにSMARTという切り口でチェックすると更に良いと思います。※図解表記

⑤タスクに落とし込む

目標決めて満足しがちですが、ここからタスクに落とし込みます。
タスクの分解はHIROENというフレームで設定していきます。これは性格がでます。ある人は人に任せず、自分でやる作業がほとんどになりますが、ある人はほとんど人に任せてるということになったりします。後者の方が成果が上がりやすいです。なぜなら、何度も書きますが、目標を高く設定している時点で、自分より優秀な人を巻き込まないと達成できないのは確実だからです。頑張っているけど、成果が出ないとい人は、「Operate」が8割「Examine」が2割で終わっているケースも。目標を達成するためにはプライドを捨てて、周りを巻き込んでいく必要があります。そのためにも日々謙虚さと感謝の気持ちを持って周りに接することが大切です。

⑥スケジュールに落とし込む

終盤に差し掛かってきました。ここで、分解したタスクを順番に並び替えます。スケジュール通りいくことなどほとんどありません。最初から変更ありきで立てます。僕はスケジュールを立てながら、タスクを出してしまいがちでしたが、それだとタスクに漏れや非効率な部分が出てくることがわかりました。遠回りなようですが、タスクをもれなく出してから、タスクを並び替え、スケジューリングの順番の方が圧倒的に効率がよくなります。

⑦多重人格でいく

ここからは考え方、在り方に関するところです。
目的、ゴールイメージ、目標、タスクなどそれぞれを同じ人格でやるのではなく、キャラ変させていくイメージを持ちます。なぜそんなことが必要かというと、タスクを考える脳でゴールイメージを描いたところで小さくまとまってしまうのが関の山だからです。目的、ゴールイメージについては、できるだけ壮大に、ZOZOの前澤社長くらいのキャラ設定で、大きな愛と夢を持って描きます。KGI、KPIについては、策士、戦略家になった気分で。そしてタスク出しのときは職人になった気分で緻密に具体的に。

⑧串刺しにする

最後に、目的、ゴールイメージ、KGI、KPI、スケジュールが一本串刺しになっているかどうかを確認していきます。目的とゴールイメージは相互に関係しているかな、KGIとKPIはどうかなと上下の往復運動していきます。この往復運動で、プロジェクトの設計図に磨きをかけていきます。そしていざ、スタートを切ります。目的、ゴールイメージ、ゴールはブラさず、それ以降を状況に合わせて変化していきながら目標達成へと進みます。

一人でも多くの方が、この設計図を使って、プロジェクトの成功の確度が少しでも上がると嬉しいです。使ってみた感想やご意見など頂けると更にうれしいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?