見出し画像

RENOVATION EXPO NAGOYA 2018 DAY1

本日から2日間開催されるリノベーションEXPO。日本一若い街と呼ばれる愛知県は長久手市にある愛・地球博記念公園にて行われた。

リノベーション事例が展示されるリノベーションギャラリー、廃材ショップ、キッザニア、ワークショップ、演劇、マルシェ、本屋、DJブースなどリノベーションという枠にとどまらず暮らしを豊かにするモノ・コトが所狭しとならぶ。

今日の個人的な目玉はブルースタジオの大島芳彦さんの講演。ブルースタジオさんといえば日本のリノベーションの草分け的な存在。僕自身も自分リノベーションするときによく事例を参考にさせてもらっていた。講演を聴くのも2回目だし、1年くらい前に放映されたプロフェッショナル仕事の流儀も録画して何度も見た。

ブルースタジオの凄さは、(表現が適切かどうかはわからないが)、顧客をナナメ上から見ているのではないかということだ。消費者迎合していないというか、ブレない芯のようなものを感じる。それでいて押し付けがましくない。顧客をワンランク上に連れてっていってあげているような印象をうける。これがブランドというものなのか。

これし続けているということがどれだけ難しいかというのは自らもリノベーション業界にいるのでよくわかる。利益や効率だけを追求していたらこんなことはできない。ブルースタジオは平均点をしっかり押さえつつ、その中で住まい手自身がワクワクするサプライズが残されている。そしてそれが絶妙に押し付けがましくない。このバランスはとても難しい。

お客様と向き合うときに一番大事にしている根本の考えというか、芯の部分って何なんですか?

思い切って講演の最後にずっと感じていた疑問をぶつけてみた。
返ってきた答えは、こうだ。

・リノベーションとは住まい手の考え方にイノベーションを起こすこと
・デザインが尖っているというのは表面的なもの
・コミュニケーションの中で住まい手自身が考え方が変わり、私たちはそれを形にしているだけ

言葉にするとシンプルだが、言葉に静かなる大きな熱量を感じて圧倒された。もはやリノベーションとは建築とか不動産じゃなくて本質はコミュニケーションではないか。コミュニケーションの中で、考え方、価値観を理解し、それを新しく作り変えること、それがリノベーションなのか。

理解することとつくりかえること

今日感じたことをどう行動に落としこんでいくかと考えるとポイントは2つある。まず理解すること。そして、つくりかえること。
大島さんは講演の中で、「偉大なる日常」という言葉を使った。みんな、日常の良さに気づいてないということだ。民藝運動にもあるような日常に宿る美の素晴らしさ。これは僕にとって大きなヒントだった。ヒアリングしていても不満はたくさんでてくるが、良さは全然出てこない。長年連れ添った夫婦に似ているかもしれない。現状は過去の決断の積み重ねの結果だ。であれば聴くべきは「そのときの決め手はなんだったんですか?」これがキラークエスチョンになり得るだろう。そして「結果、今どう感じてますか?」も良い質問かもしれない。

2つ目のつくりかえるということ。これも講演の中にヒントがあった。

あなたでなければ、ここでなければ、今でなければ

今日の講演のキーワードを一言でまとめるならこれになる。住まい手を質問によって理解していきながら、整理していく。なぜあなたなのか、なぜここに住むのか、なぜ今じゃないといけないのか。過去の決断と行動、感情を一つ一つ物語として紡いでいく。ここには辛抱強さが必要だろう。点と点を繋いで線に、そして線から面へ。自分から答えを出さない。住まい手に問題提起をし続ける。

気づけば自分もすっかり考え方を作り変えられてしまったことに気づく。

RENOVATION EXPO NAGOYA  2018は明日も開催。詳細は下記リンクから。
参加費無料予約不要。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?