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夢を忘れてしまった人へ「アルケミスト 夢を旅した少年」 パウロ・コエーリョ 著 by エシモの備忘録

今回取り上げるのは世界で最も売れた本ベスト10にランクインする歴史的名著「アルケミスト 夢を旅した少年」です。それでは参りましょう!

◆この本から学びたいこと
・夢の見つけ方を知りたい
・幸せな人生とは何かを知りたい
・自由な人生を生きるには何が必要なのかを知りたい

◆この本から学んだこと
・夢の見つけ方
食事、睡眠、運動、手芸…何でもいいので今この瞬間をより良く体感しようと精一杯生きること。すると自分の心が本当にやりたいことを教えてくれる。それは昔からやりたいと分かっていたものかもしれないし、新しく芽生えたものかもしれない。とにかく待ってないで動くこと。

・幸せな人生とは何か
本当にやりたいことを成し遂げるために冒険に出た瞬間から全ての経験が幸せな人生となる。

・自由な人生を生きるには何が必要か
変化を恐れない勇気と物事に熱中できる愛

◆概要
羊飼いの少年サンチャゴが自分の夢を叶えるために冒険に出て、少しずつ人として成長し、幸福な人生の意味を掴むストーリー

◆作者が訴えている本質
・まずは外に出ろ
・本心に従え
・覚悟を決めて選べ
・周りのガヤは無視しろ
・運命を受け入れろ
・恐れるな
・ポジティブに考えろ
・全てのものから学べ
・一度夢を達成したら、また次の新しい夢に向かって生きろ
・瞑想しろ

心の喜びはワクワクして熱中できるアウトプットから生まれる。必要なのは変化を恐れない勇気とそれに打ち込む愛。運命を追求する者には必ず宇宙の全てが力を貸してくれる。自分を信じるものは宇宙の運命を信じる者。

◆備忘録
・人は自分の運命より、他人の評価を優先してしまう。
→コンフォートゾーン、承認欲求。他人からのわかりやすい評価を得ることを目的にすると人生は辛くなる。

・少年は父親の目の中に、自分も世界を旅したいという望みがあるのを見た。それは何十年もの間、飲み水と食べられるものと、毎晩眠るための一軒の家を確保するために深くしまいこまれていたものの、今もまだ捨てきれない望みだった。
→やりたいことをやらないままでは、いつまでも後悔し続ける人生を送ることになる。

・誰もみな、他人がどのような人生を送るべきか、明確な考えを持っているのに、自分の人生については、何も考えを持っていないようだった。
→他人の人生に口出す前にお前の人生を自由に生きろ

・人は人生のある時点で、自分に起こってくることをコントロールできなくなり、宿命によって人生を支配されてしまうということだ。それが世界最大のうそじゃよ。

★運命とは
運命とはお前がいつもやりとげたいと思ってきたことだよ。誰でも若い時は自分の運命を知っているものなのだ。まだ若い頃は、すべてがはっきりしていて、すべてが可能だ。夢を見ることも、自分の人生に起こってほしいすべてのことにあこがれることも恐れない。ところが、時がたつうちに、不思議な力が、自分の運命を実現することは不可能だと、彼らに思い込ませ始めるのだ。

・宝物を探したいということでさえそうなのだ。「大いなる魂」は人々の幸せによってはぐくまれる。そして、不幸、羨望、嫉妬によってもはぐくまれる。自分の運命を実現することは、人間の唯一の責任なのだ。すべてのものは一つなんだよ。おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それらを実現するために助けてくれるのだよ。

・まだ手に入れていないものをあげると約束して始めたのでは、お前はそれを手に入れたいとは思わなくなるだろうね。
→新しいことに挑戦するには今持っている何かを代わりに捨てよ。人生の全てには代価が必要。

・人は自分の夢見ていることをいつでも実行できる。でも、まずはお金を貯めることを選び、気づくと歳をとっているのだ。
→夢の実現に向けて動きだす時に必要なお金は実はほんの少しだけ、もしくは無くてもいいのだ。大切なのは動きだす覚悟だ。

・僕はかつて父、母、生まれた白の街を後にした。両親は僕のいないことに慣れ、僕もそれに慣れた。
→独り立ちから時間が経てば親も子もいないことに慣れる。それが自分の人生を歩むスタートライン。自立せよ。

・少年は気分が悪くなって恐ろしいほど孤独だった。
→運命を生きることは孤独と戦うこと

・僕は他の人と同じなんだ。ほんとに起こっていることではなく自分が見たいように世の中を見ていたのだ。
→現実を受け止める冷静さがないと正しい分析はできない。感情的になるな。

・前兆に気がつくようになるのだよ。そして、それに従っていきなさい。
→あらゆるものから自分の運命との関連性に気づくためには、まずは運命(道)を決める覚悟が必要。運命を生きる決断をしていないものにはあらゆるものからの前兆(ヒント)に気がつけない。前兆に気づくためには忍耐が必要。のんびりと落ち着いて進むことがコツ。

・自分のことを泥棒にあった哀れな犠牲者と考えるか、宝物を探し求める冒険家と考えるか、そのどちらかを選ばなくてはならないことに気がついた。
→ものの受け取り方は自分次第。つまずきを成功へのステップと考えられれば次への糧となる。逆につまずいた自分を犠牲者と考えるとあきらめるきっかけとなる。

・しかし、その仕事が自分を幸せにしてくれる種類の仕事ではないと分かった。
→ライフワークではなくライスワークだったから。ライスワークの売り上げアップに工夫をしても幸福にはなれない。やりたい夢をやらず、仕方なく働く時間は自分にとってストレスにしかならない。そうしていくうちに自分の夢を考えないようになってしまう。

・幸運が自分の側にあるときは、それを利用しなくてはいけません。そして、それが私たちを助けてくれるうちに、できるだけのことをしなくてはなりません。それは幸運の原則と呼びます。あるいは初心者のつきとも言います。
→ビギナーズラック。革命を起こせるのはいつも業界の素人。業界の常識に囚われないうちに自分の感覚を信じてつき動かなくてはならない。

・それはこの世には誰もが理解する1つの言葉があると言うことだった。少年が店で物事をもっと良くしようと思った時、ずっと使っていた言葉だった。それは熱中すると言う言葉であり、愛と目的を持って物事を達成すると言う言葉であり、信じていることや、望んでいることを追求すると言う言葉でもあった。
→物事を良くしようと思うのは人間の本能に従った行動。あきらめない誠実性と明確な目的がないと熱中は続かない。

・「よく知っている野原に戻りまた羊の群れの世話をしよう」と確信を持って自分に言った。しかし、彼は自分の決心に、もはや幸せを感じなかった。彼は一年間、自分の夢を実現するために働いてきたが、今やその夢は1分ごとに重要さを失っていった。それは本当の夢では無いからなのだろう。
→明確な目標を自分の本心と食い違うものに設定しても、人は熱中することができてしまう。しかし、いざその目標(例えば売り上げ)を達成した時に興奮は得られても幸せは感じないだろう。夢を諦める理由など本当は無いのだ。夢を諦める理由を探している時、それは自分を安全圏(知っている場所)に留まらせようとするもう一人の自分の工作である。

・彼は実際に2時間だけ宝物の近くにいるのだ。その2時間が実際は1年になってしまったと言う事実は、問題ではなかった。自分がなぜ故郷に戻りたいのか知っている、と彼は思った僕は羊たちを理解しているからだ。
→往々にしてやってみたいと思うことは未知のことである。未知のことに飛び込める時間と少しのお金があるのなら、結局はあとは勇気次第である。やりたいと思って5秒以内に少しでも動き出せれば恐怖心は消えてしまう。

・全ての出来事に意味があり、全ての出来事が一つの道につながっている。自分が学ぼうと思いさえすれば全てのものから学びを得られる。

・直感=虫の知らせ=宇宙の言葉
直感とは、魂が急に宇宙の生命の流れに侵入することだと理解し始めた。そこでは、すべての人の歴史がつながっていて、すべてのことがわかってしまう。そこに全てが書かれているからだ。
→直感を信じよ。

人は、自分の必要と希望を満たす能力さえあれば、道を恐れることはない、と言うことです。私たちは持っているもの、それが命であれ、所有物であれ、土地であれ、それを失うことを恐れています。しかし、自分の人生の物語と世界の歴史が、同じものの手によって書かれていると知ったとき、そんな恐れが消えてしまうのです。
→自分は自分だけのものではない。この地球の生命の一部に過ぎない。全てが一つ。最低限のサバイブ力と希望に向かって進む勇気があれば未知を恐れなくなる。

・大いなる魂=運命
何かを全身全霊で欲した時、「大いなる魂」と最も近い場所にいる。それはいつも、前向きな力として働くのだ。

★錬金術の本質
すべてのものはただ一つのものがさまざまに現れたものにすぎないということ。
→全てが自分を作り出し、自分も全てを作り出す一部なのだ。それを感じるには純粋な心が必要。

★人生とはパーティである
私が食べているときは、食べることしか考えません。もし私が戦わなければなかったら、その日に死んでもそれは構いません。……人生は私たちにとってパーティーであり、お祭りでもあります。なぜなら、人生は、今私たちが生きているこの瞬間だからです。
→今に集中して生きることができれば、それが幸せだということ。禅の思想に近い。

・人々は絵や言葉に気をとられて、「大いなる言葉」のことを忘れてしまうのがオチだった。
→「自分は宇宙の一部だという運命を受け入れろ」と言われても、自分を信じられない人が大半なので科学的な解説や図解を求めてしまう。

★少年は宝物のことを考えていた。彼が夢の実現に向けて近づけば近づくほど、物事が余計に困難になってきていた。年老いた王様が初心者の幸運と呼んでいたものは、もはや働かなくなっているようだった。夢の追求の過程で、彼はやる気と勇気を常にテストされていた。焦ってもいけないし、イライラしてもいけなかった。もし、衝動に駆られて先を急ぐと、神様が道筋に置いてくれたサインや前兆を見落としてしまうだろう。
→やりたい先に待っている結果が分かっていて始める人など存在しない。結末を知っている週刊ジャンプを誰が読むであろうか。「やりたい」と思ったことは運命なのだから、すぐに飛び込め。最初は運が味方してくれるが次第に困難な道に迷い込む。しかし、それは自分の忍耐力と勇気を試されている証。焦らず、怒るな。落ち着いていないと直感が働かなくなる。食べる時には食べる。そして動く時が来たら動くのだ。

★大いなる作業をやってみるのを避けていた第一の理由は、失敗を恐れていたことだった。
→やりたいことをやらない理由は失敗したら怖いから。やりたいことをやっているときが本当は一番輝いている。

・運命を受け入れて毎日を精一杯に生きろ。

・勇気こそ、運命を理解するために最も重要な資質なのだ。

・悪いのは人の口に入るものではない。悪いのは人の口から出るものだ。

・それに彼女はすでに自分の宝物を見つけたのだ。それはお前のことだ。だから、彼女はお前にも、お前が探しているものを見つけて欲しいと思っているのだ。

★もしお前が冒険せずになぁなぁと彼女と過ごせば、彼女は自分がお前の探求の邪魔をしたと思って、不幸になる。男には愛の力を信じて冒険に出ないといけない時がある。男が自分の運命を追求するのを、愛は決して引き止めはしないということを、お前は理解しなければいけない。もし彼がその追求をやめたとしたら、それは真の愛ではないからだ。もし運命を探求せずに彼女と暮らせば、お前は探求しなかったことを後悔し続けるだろう。そして後悔し続けるお前を見て彼女は苦しむだろう。

★他の錬金術師が金を作れなかった理由
彼らは自分たちの運命の宝物だけを求めていて、実際に運命を生きたいとは思っていないのだ。

★お前がすべきことはただ1つ、1粒の砂をじっと見つめることだけだ。そうすれば、お前はその中に、創造の素晴らしさを見るだろう。全てが一つに繋がっているということを地球上にあるすべてのものが教えてくれるのだ。

★どうして自分の心の声を聞かなくてはならないのか
お前の心があるところが、お前が宝物を見つける場所だからだ。
→本当にやりたいことは自分の心が教えてくれる。

★お前は自分の心から決して逃げることができない。だから、心が言わねばならないことを聞いた方がいい。そうすれば、不意の反逆を恐れずに済む。

★傷つくのを恐れる事は、実際に傷つくよりもつらいものだと、お前の心に言ってやるが良い。夢を追求しているときは、心は決して傷つかない。それは、追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ。

★僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけると言う夢の1部だと知っているからだ。本気で宝物を探しているときには、僕はその途中でたくさんのものを発見した。それは、羊飼いには不可能だと思えることに挑戦する勇気がなかったならば、決して発見することができなかったものだった。
→本当にやりたいことは自分の心が教えてくれる。後はそれをやろうと動きだす勇気とスピードがものをいう。

★夢を負わない自分に、夢を追い続けると心が言わない理由は、それが最も自分を苦しませることだからだ。

★すべての探求は初心者のつきで始まる。そして、すべての探求は、冒険者が厳しくテストされることによって終わるのだ。夜明けの直前に、最も暗い時間が来る。

★運命を生きるために必要な資質
愛と勇気
クリスタル店で働いていた時の熱心さという愛と、羊飼いをあきらめて自分の運命を生きようとした勇気。

・人の心は夢を実現しようとしている人を助ける。

・他の者の運命を邪魔するものは、自分の運命を決して発見しはしない。

・もし、自分の運命を生きてさえいれば、知る必要のある全てのことを、人は知っている。しかし夢の実現を不可能にするものが、たった1つだけある。それは失敗するのではないかという恐れだ。

★大地がはやぶさの獲物に水を与えて養うのははやぶさを養うためです。そしてはやぶさは人を養います。そして、人はあなたの直養い、そこに食物が育ちます。それが世界の成り立ちなのです。そしてこれこそが愛なのです。それは獲物をはやぶさにし、はやぶさを人にし、人を今度は砂漠にするものです。それは砂を金に変え、金を地球に戻すものなのです。

・わしがここから少しでも地球に近づくと、地球の全ての生き物は死に絶え、地球の魂は存在出来なくなる。お互いを思いやりお互いを必要としている。わしは地球に生命とぬくもりを与え、地球はわしに生きていく理由を与えているのだ。

★すべてのものが、それぞれの運命を持っていると言うことは、本当です。しかし、その夢はいつか実現します。そうなったら、それぞれのものは自分自身をより良いものへと変えて、新しい運命を生きなければなりません。そしていつのひか大いなる魂と1つになるのです。
→夢は一つではなく、叶えた先に新たな夢が生まれる。

・私たちが良くなるか悪くなるかによって、私たちの住む世界は良くも悪くもなります。そして、そこで愛の力が役に立つのです。なぜなら、私たちは愛するとき、もっと良くなろうと必ず努力するからです。

・何をしていようとも、この地上の全ての人は、世界の歴史の中で中心的な役割を演じている。そして、普通はそれを知らないのだ。
→本当は誰もがこの宇宙の歴史の中心的な役割を演じている。運命に従うだけで良いのだ。

★人生は運命を追求するものにとっては、本当に寛大だと少年は思った。


◆エシモの所感
自己啓発系の小説って感じかな。星の王子さまに似てるという意見もあるみたいだけど、おれはそうは思わない。

ワクワクすること、たとえば歌ってるときやスケボーしたり、サーフィンしたり、ワイン作ったり、絵を描いたり、みんなで討論したり…そういときに自分の心が心から熱中していてそれに喜びを感じているなら、迷わずその道を進めと言っている。何よりも価値あるものはお金ではなく、冒険の道のり。

何かをやりたいと思った瞬間に行動に移し、今を精一杯生きること。これが夢に出会い、運命を受け入れて、生きる唯一の方法。

ということで、ストレスを感じている仕事は放り投げて、冒険に出なさい。まずはワクワクすることを探すために外に出なさい、能動的に遊びなさい。と言っているんですね。

現代人特に若い男性にはぴったりはまると思う。

現代人は1万年前の狩猟民族と脳の構造が同じなので、どうしてもまだ見ぬ運命(獲物)を獲得するために冒険(狩猟)したくなる。定住ありきの農耕牧畜社会から発展した資本主義社会は冒険したいという本能を押さえ込まざるおえない仕組みになっている。本能に従って、旅に出ると狩猟民族社会(ジュペングラーのいう現存在型社会)で使っていた人間本来の脳の仕組み(自分の感覚)を研ぎ澄まし、あらゆる危険から身を守るために周りの変化に冷静に気づけるようになる。また、宇宙と太陽、大地と風などの大きなうねりを体感する。すると人は全ての人、あらゆる生命、大地、海と繋がっていることに気づき、宇宙の法則を受け入れ、運命に身を任す。この生き方を選ぶ勇気さえあればだれもが望む本質的で自由な人生を歩めるのだろう。

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