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僕は君たちに武器を配りたい 瀧本哲史 前編 by エシモの備忘録

「大切なのは、不労所得を得ることではない。投資家的に考えて生きる、ということなのだ」

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【この本から得たい知識】
少し古いけど、20代に向けたビジネス書で販売当初は3.40代からの反響も多く、ベストセラーになった話題の本。現代版「学問のすゝめ」だと個人的には思っている。

ここにはグローバリズムに飲み込まれる日本で、いかに強く生きるかの方法が書かれているらしいので、そのゲリラ的な生き方を現代の福沢諭吉先生こと瀧本哲史先生から盗もうと思う。

【備忘録】
第1章 勉強できてもコモディティ

投機家ではなく投資家になれ!

真の意味での投資家は「一攫千金を狙うのではなく、自分の時間と労力、そして才能を、何につぎ込めば、そのリターンとしてマネタイズ=回収できるのかを真剣に考えよ!」

・資本主義の本質を理解する→日々変わる情報を正しく察知する→インプットを変える→自分の行動を具体的に変える

新しい時代の夜明けには、必ず長く厳しい冬の時代がある。
→あ、ジュペングラーと同じこと言ってる!

・閉塞した冬の時代を切り開き、新たな希望を生み出すのはいつの時代も若者たちだ。

・医者、弁護士、介護士、看護師、プログラマー、デザイナー…先進国の資格の職はすでに人余り状態。安く買い叩かれている。
勉強(努力)と収入は比例しない。

・何が正しいかわからない時代には「これさえあれば」が大衆に受ける

★勉強ブームの陰には不安解消マーケティングがある。勉強すれば安泰と思うな。

◆コモディティ化
コモディティ=スペックが明確に数字や言葉で定義できるもの
現在のグローバル資本主義は雇い主が決めた条件を満たす人たちの中で一番給料が安く済む人を雇う。

★全産業でコモディティ化が進んでいる。生き残るためにスペシャリティな人間、唯一の人となれ。そのためには資本主義の仕組みを理解してどんな要素がコモディティとスペシャリティを分けるのか熟知せよ。

第2章 「本物の資本主義」が日本にやってきた

資本主義の原理
「より良いものが、より多く欲しい」、「同じものなら、安いもののほうがいい」という人間の普遍的な欲望に基づいている。

計画経済の原理
どこかにめちゃくちゃ優秀な人(官僚)がいて、その人の正しい予測のもとに、社会が進んでいく。
官僚の計画通りに必要なだけ必要な時に物資を配る。自分の予想外のことが起きると、世の中の方がおかしいと考える。
→大量の餓死者を出した

計画経済は国民を愚民化させて思考停止状態にしてしまう。反論する者は虐殺される。ポルポト政権や天安門事件然り。

市場で交換するという行為は、人間の本質的な営みである。

資本主義はアダム・スミスの神の見えざる手に任せる。全ての需要と供給を人間が予想することはできないのだから、お金を使ってその都度双方の交渉で交換できるようにする。売買する双方に自由がある。この交渉においてたくさんの物資を持つよりたくさんのお金があるほうが有利となる。だからみんながお金を増やすのに必死になる。

資本主義の社会でお金を増やすには「より少ないコストで、みんなが欲しがるもの/超富裕層がどうしても欲しがるものを作る」しか道はない。

必要以上のコストをかけて作ったり、需要がないものを作る行為は自然淘汰される。

資本主義社会の中で正しいアウトプットは「人に売れる商品を提供し続ける人」のみ。お金が入ればさらに開発して、より高い生産力をつけられる。上昇スパイラル。

その逆で需要がないものを作る人はジリ貧になりコストを削って、魅力がなくなり、ますます売れず、倒産する。

さらにライバルが生まれることで製品機能が上がり、値段が下がり、世の中が進歩していく。ex)YouTubeチャンネルもますます高品質になっている
→この進歩への飽くなき追求がファウスト的魂なのかも。

資本主義は技術革新を内包するシステムなのだ。

デメリットとして、コモディティ化や超格差社会がある。

★本物の資本主義の姿を見極めよ!
一部の頭のいい人ではなく、より安く、より良い商品を作ることで社会を進歩させるシステムが資本主義なのだ!

★資本主義のモデルの変化
略奪(アレクサンダー大王、チンギス・ハン、海賊)→交易(三角貿易、奴隷制、香辛料)→生産性革命(フォード工場、日本の技術革新による効率化)
・日本を支えてきた客の要望通りにカスタマイズする製造法の擦り合わせ産業はもはやオワコン
・ものづくりにはこだわるな!国に頼るな!

◆投資の鉄則
ブームになってから投資すると、死ぬ。
焼け野原に投資して、誰よりも早く実った果実を回収し、まだまだ儲かると普通の人が思い始めるタイミングでさっと身を引く。これが投資家のルール

★金融業界は短命
・先細りの日本はオワコン。海外で働くことを視野に入れておくこと
プログラマーは海を渡ったほうが稼げる

将来起業したい分野に就職して、30歳前後で起業するのが失敗しないベンチャーの法則

★ブラック企業の見分け方
ベンチャーで注意すべきなのは新しいサービスや市場で、非常に業績を伸ばしているように見える会社。急拡大している市場に多数の会社が殺到しているときは営業社員を大量に募集するが彼らは一時的な使い捨て要員のため労働条件が悪化しやすい。
使い捨て要員になるな。
ex)openhouse、保険セールス、ドローンビジネス

同様の理由でやたらと広告を打っている企業も要注意。

大量に広告露出する会社は新規顧客を獲得するのは大変だが、一度カモを捕まえれば高い利益を生むビジネスを行なっている。商品自体に差別化できる魅力が足りないため、無理やり売り込む必要があり、そのために大量の営業マンを募集する。
ex)脱毛エステ、英会話スクール、トレーニングジム

・世の中で流行っている業界に就職するのでは遅い!

・アプリ開発ベンチャーも黒い
大手プラットフォームの下請けはただのコマ。1000個中1個当たれば大手は御の字。街中でスカウトマンからスターになれば大金持ちだと声をかけられるのと同じ。

・現在絶好調の会社は当然数年後に冬の時代がくる

・コモディティ化された市場で戦う会社は社員の給料を下げるしか生き残る術が無いため、形の変わった奴隷ビジネスとも言える

・40.50代の役職者が大量にいる会社も危険。生産性が低いのに給料が高い高齢社員が沢山いるということは、その分若手社員が負担を課せられている証拠

◆ニッチな市場に目をつけろ
顧客を小馬鹿にするようなビジネスモデルではなく、お客様を大切にしている会社を選べ。顧客を大事にする会社は従業員も大切にする。就職も投資と同じで「高すぎる株は買ってはいけない」つまり、上場してしまった会社に入ることは旨味がないということ。貸借対照表、財務諸表など会社の成長度や健康状態を見た上で、これから伸びていくと確信し、多くの人がまだ気づいていないニッチな市場のある会社に自分の労働力という資本を投入すること。これが投資家的に生きる最初のステップ。

中編へつづく

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