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絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方 最終回 結びに

2022年ゴールデンウィークの毎日更新(できました!)シリーズ。

絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方

7日目、最終回です。
前回は⏬

前回の要旨は、

「自分で」調べ、考えること。
それを続けることなくアクティブファンドを選んだら、
長続きしない、中途半端なことになってしまう可能性が高いですよ。

でした。

この毎日更新シリーズも今回が最終回です。
シリーズを締め括ります。

アクティブファンドって何?

シリーズの冒頭に持ってくるべき「問い」でしたね。
何度か記事にしていますが、世間一般のアクティブファンドの定義はオカシイ!と常々考えています。
アクティブファンド”で検索してみましょう。

投資信託はアクティブファンドとインデックスファンドの2種類に分類することができます。まずインデックスファンドは、日経平均株価やTOPIXといった指数に連動するように設計された投資信託です。一方、指数を上回る、または指数に捉われずにリターンの獲得を目指す投資信託がアクティブファンドです。

https://direct.smd-am.co.jp/learn/guide/difference/

運用会社ファンドマネジャーが独自の見通しや投資判断に基づいて、ベンチマーク以上の収益を目指すファンドのこと。

https://www.daiwa.jp/glossary/YST0013.html

アクティブファンドとは、独自の銘柄選択や資産配分により、株価指数等の動きを上回る投資成果を目標とする運用方法のことを言います。

https://www.saison-am.co.jp/learn/basic/06/

と、検索結果の上位3つの説明を貼り付けてみました。3つの説明に共通しているのは「株価指数もしくはベンチマーク、それらを上回る投資成果を目指す」ファンド、これがアクティブファンドだと説明しています。

ただ、最初の説明には他の2つと異なる説明がついていました

「指数に捉われずに」

この表現を取り入れている分、最初の説明は好印象です。

今年2月に放送されたテレビ番組でこんな説明をさせてもらいました。

このスライドも「指数を上回る運用成績を目指す」のがアクティブファンドってなってますね、、、

インデックスファンドは、ベンチマークに連動するポートフォリオにそっくりの完全コピー(目指すポートフォリオはたった一つ。その設計図は一つ。)をつくる、それを安く提供する。ここに尽きます。だから、フィーの多寡に注目が集まる。
一方、アクティブファンドはコピーをつくるのではありません。設計図は運営する人たちが自分でつくるんです。自分たちの調査、取材、分析、評価、判断で。そうやってオリジナル、唯一無二のポートフォリオをつくり、管理する。
株価指数やベンチマークとの優劣、「勝った負けた」は結果論に過ぎません。

でも、業界含めて世間の人たちは

アクティブファンド=ベンチマークを上回る運用成績を目指すもの

という捉え方に固執しています。

ある投資会社は、ベンチマークとの比較ではなく長期で均して年率x%を目標としていると説明されています。しかし、それを知らない(調べもしていない)外野の人は「アクティブファンド=ベンチマークを上回る運用成績を目指すもの」を勝手に押し付けてその会社のアクティブファンドに「見当外れ」な評価をしているのを見かけます。

この件に限らず、アクティブファンドについては、そのファンドのことをちゃんと「自分で」調べることなくSNS等で発信する人が本当に多いですね。

ベンチマークに勝つ方法?

アクティブファンドの説明会等のイベントに参加すると、そのQ&Aセッションで

「どうやってベンチマークに勝つつもりですか?」

と判で押したように尋ねる場面に出会します。そのたび「またか」と思います。

たとえば、です。
将来1年のベンチマークのパフォーマンスがいくらになるのか
精度高く予測できますか。

そんなんできひんやん、普通。当然ですね。
それが予測できないのに、それに「勝とう」とすることなんて不可能でしょう。
実にナンセンスな「問い」だと思います。

「アクティブファンド=ベンチマークを上回る運用成績を目指すもの」な考え方が世間に蔓延る限りは、この問いが投げかけられ、その度、何度も何度も「またか」と思わされるのでしょうね。

「勝ち負け」に注目しても意味がない

上述の通り、アクティブファンドは、設計図に従って完全コピーをつくるものではありません。独自の哲学、方針等に基づいてオリジナルな、唯一無二の、他の誰かにゃつくれやしない作品をつくることです。ですから、大事なことは、どれだけ違っているか、このシリーズでの言葉を使うとどんだけ異端・少数派であるか、です。

1年やそこらの成績や「勝ち負け」を見ても意味がなくて、その作品がどんな風に生きているか、運営されているか、を観察することが遥かに大事だと思います。

さて、前回まで

絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方

と、これはアカン!というダメ!な選び方と僕が考えているポイントを示してきました。この最終回では、実際に僕がアクティブファンドをどう選んでいるか、について書いてみます。

実践しているアクティブファンドの選び方

企業価値増大を楽しむ/企業とともに成長する

傑作! ”「市場」ではなく「企業」を買う株式投資

この本の第5章のタイトルが「企業価値増大を楽しむ投資
第6章のタイトルが「企業とともに成長する投資

こんな投資を実践したい、というのが大前提としてあります。
ですから、投資先の会社を短期間で取っ替え引っ替えしている忙しいアクティブファンドは好みではありません。
どんなに成績が良くても忙しいファンドやなあ、と感じたら「スゴいですねぇ。以上。」です。

月次レポート、運用報告書を読んでみる、定点観測する

これには力を入れています。毎月買い足しているファンドは必ず確認しています。
たとえば、こんな具合に。

月次レポートについては、第4回 でたっぷり書いています。

イベントに参加してみる

以前は割と積極的に参加していましたが、最近は「気が向いたら」くらいの感じで、イベントに参加しています。このイベントで何を注目しているか、関心を寄せているか、は後述します。

最後は「スキ?」「受け継いでもらいたいか?」

投資をするかしないか、毎月買い増すかどうか、それを決めるのは、結局のところ、2つです。

このアクティブファンドがスキか?
このアクティブファンドを息子たちに受け継いでもらいたいか?

今現在、毎月買い増しているアクティブファンドは、この2つの「問い」に対して YES! と答えられます。保有しているファンドで買い増していないものは、この2つの「問い」に対して「うーーーーん」となるものです。

息子たちに受け継いでもらいたいか?については、⏬の記事でも書いています。

"出口”ではなく”Heritage"  と書いてはいますが、生きているうちに使い切っちゃうかもしれませんけれど笑

アクティブファンドのバディ

アクティブファンド選びはバディ選び

このシリーズで何度も強調しています。これまではお金を預ける、託す相手、投資会社、運用会社、ファンドマネジャー、ファンドの運営チームをバディという前提で話してきましたが、アクティブファンドで極めて重要なバディが他にもいるんですよね。

自分以外の受益者の皆さんです。受益者の皆さんも非常に重要です。

投資会社、運用会社のイベントに参加して、一番に関心を寄せているのは、ここ。

つまり、

他の受益者はどんな人たちだろうか?

です。受益者限定のイベントで寄せられる質問やコメントが大いに参考になります。コロナ禍以降、オンラインイベントが増えましたが、それらのイベントの多くはチャット等があるので、ファンドに集っている人たち、バディがファンドに対してどんなことを感じられているのか、が窺えます。

たまたまですが、今日、ろくすけさんが株主総会についてブログをポストされていました。

「いい企業にはいい株主が集まる」と思っています。

長期目線で応援する姿勢をベースとした質問が多く集まる株主総会は、参加していても気持ちが良いものです。

アクティブファンドにも全く同じことが当てはまる。そう思います。

受益者限定イベントでのあれこれ

イベントでのあれこれを書いてみます。

一番強く印象に残っているイベントはこちらでした。

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