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絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方 第6回 「自分で」

2022年ゴールデンウィークの毎日更新(予定です)シリーズ。

絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方

6日目、第6回です。
前回は⏬

ゴールが近づいてきました。

前回の要旨は、

アクティブファンドを選ぶなら
その投資先、とその移り変わりを確認しましょうよ!

でした。

ここまで5日、毎日記事をつくってきましたが、一番大事なのは、実は、今日のテーマではないか、と感じています。今日のテーマは「自分で」です。

「絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方」第6回は

「自分で」調べず、考えずに
アクティブファンドを選ぶのは
絶対アカン!(と思う)

です。

自分で」を強調しているのには非常に大きな理由があります。

マスメディアはもちろん、SNSの発信等でWeb、ネットには投資信託に関わる色んな情報が飛び交っています。

もっとも多くよく見る一つが「アクティブファンドの8割(9割でしたっけ?)がインデックスファンドに負けている」というアレです。で、そういう発信をしている人のほとんど、ほぼ全てが「伝聞」あるいは「誰か」の調査結果を拡散しているだけなんですよね。「自分で」確認、検証していない、ってことです。

2022年3月末のモーニングスターさんのデータで確かめてみます。

アクティブファンドの勝率を「自分で」調べる

最初にやってみるのは「国際株式・グローバル・除く日本(F)」で、”インデックスファンド除外”、運用実績3年超のファンドを調べてみます。

https://www.morningstar.co.jp/FundData/DetailSearchResult.do

リターン(長期)で並べ替えて、10年超の実績あるMSCIコクサイに連動するインデックスファンド(こちら)と比較してみます。

こんな風に結果が得られます。10年リターンとなると、アクティブファンドの勝率は7%かあ、って感じです。これを「自分で」調べてみるのと、「誰かの」調査やどこかで聞いた話、読んだ話に乗っかるのとは全然違う、って思うんです。

国内株式型で同じ要領で調べた結果です。

(3年)
対象ファンド 505本のうち
TOPIX連動型ETFをアウトパフォーム 267本(52.9%)
日経225連動型ETFをアウトパフォーム 175本(34.7%)

(5年)
対象ファンド 457本のうち
TOPIX連動型ETFをアウトパフォーム 235本(51.4%)
日経225連動型ETFをアウトパフォーム 120本(26.3%)

(10年)
対象ファンド 262本のうち
TOPIX連動型ETFをアウトパフォーム 140本(53.4%)
日経225連動型ETFをアウトパフォーム 79本(30.2%)

10年となると、生存者バイアスが強くなるでしょうから勝率はアップする感じかと思いますが、アクティブファンドが対TOPIXだと優位にあるように見えますね。
ただ、これは2022年3月末基準の静止画像、スナップショットです。
継続してチェック、定点観測してこそ、より的確に様子を掴めると思います。ただし、僕はこの論点、アクティブファンドの勝率にはあんまり興味ないので定点観測の予定はありません。

リターンとフィーとの関係、相関を「自分で」調べる

地下3階のドグマ については、ここ2年くらい「自分で」調べてました。

地下3階のドグマ:
インデックスファンド、アクティブファンド、その中身を問わず、
最も大事なのはフィーである、という教条。

https://note.com/renny/n/n5c4596b506b3

調査結果はこちらにまとめてます。

国内株式型のアクティブファンド、3年超実績のあるもので、リターン(3年)と信託報酬との関係を調べてみたものです。2022年3月末はこんな結果になりました。

この調査、もっと良い方法があるんじゃないか、ということは感じているのですが、フィーとリターンにはあんまり関係ないなあ、というのは見て取れます。

地下3階のドグマ 的には強い逆相関が出るはずでは? 
2年ほど毎月「自分で」調べましたけど、そんな月は一回も無かったです。

この調査を始める前から「理屈として」、アクティブファンドでは、リターンとフィーにはあんまり関係ないと考えていましたから、自分で調べてみて、そうだよなあ、と感じました。もちろん、これ、別のアセットクラスで調べてみたら違う結果が出るかもしれません(が、調べてません)。

何度もこの(ヘタクソな)絵を使っていますが、リターンを決めるのはフィーではなくグロスリターンだと考えています。
要は、何に、どれだけ、投資するか、です。

全世界、米国、TOPIX、日経225

何に、どれだけ、投資するかの重要性は、インデックスファンドでも確認できます。
全世界(先進国株式 除く日本のMSCIコクサイですけど)と、米国のS&P500、NASDAQ100、TOPIX、日経225に連動するETF等のローリングリターンを、5年、10年で調べてみました。

ローリングリターン 5年
ローリングリターン 10年

NASDAQ100、スゴいですねぇ。って感心しちゃいましたが、成績を決めるのは何に、どれだけ投資しているか、ポートフォリオ次第だというのが、よーくわかります。当然、これは過去の結果なので、将来もこの通り、この傾向を示し続けるかは誰もわかりません。

こんな具合に「自分で」調べることがとても大切です。マスメディア等が何かを伝えている時、それはどんな方法で調べたのか、によくよく注意すべきです。
最初に「仮説」を設けて後付けでそれを「なるほどねぇ」と思わせるデータをくっつけていることもあり得るからです。それは、調査を色々と積み重ねての「発見」とは違っている、僕はそう思っています。
上で示した僕の調査も同じことが当てはまるかもしれません。
だから「自分で」調べてみてください。

「自分で」調べる、考える。
アクティブファンド選びに必要な理由。

株式投資の果実を収穫するまでには、通常、時間が長くかかります。また、時間をかければかけるほどに収穫高が大きくなる、増える性質もあります。もちろん、投資内容次第ですが。

第1回で述べた通り、アクティブファンドを選ぶことは、異端・少数派になることです。

異端・少数派で長くあり続けることが必要になります。その際、「自分で」調べることなく、「誰かの」だけではそれが難しいと想像します。「誰かの」で判断、行動がブレる。そう思うんです。結果、中途半端に終わってしまう?

「自分で」調べたり、考えたりして、判断、行動する。
実践する意思が無いのであれば、アクティブファンドを選ばないのがベター。
そう思います。

マガジンをご購読の皆さんには、上記で僕が「自分で」調べた際に使ったExcelのファイルがダウンロードできるようにしておきます。

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