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ファクトフルネス/FACTFULNESS と #アクティブファンド

STAYHOME週間に読みました!

前から気になっていたのですが、なかなか手に取るまでには至りませんでした。

徳力さんのこちらの記事を読んで「そろそろ手に取るか」と思って注文。

さらにダメ押しがありました。農林中金バリューインベストメンツ #NVIC  の奥野一成さんが、4月30日のイベントで推薦図書として、こちらを紹介されたのです。これはもう読むしかありません!ということで一気に読みました。

最初にクイズが13問出題されます。このクイズの存在をボヤッと知っていた、つまり、ちょっぴりの心構えが出来ていたということです。それなのに、正解したのはたったの2問。最終の問題はサービス問題的なので、、、

本では実際のデータとハンス・ロスリングさんのエピソード、経験が絶妙に配合された形で10の思い込みについて解説されています。

分断本能:「世界は分断されている」という思い込み

ネガティブ本能:「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み

直線本能:「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み

恐怖本能:危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み

過大視本能:「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み

パターン化本能:「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み

宿命本能:「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み

単純化本能:「世界はひとつの切り口で理解できる」といいう思い込み

犯人捜し本能:「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み

焦り本能:「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

以降、まずは読書のメモ。印象的な箇所を書き留めておきます。

「悪い」と「良くなっている」は両立する。
(第2章 ネガティブ本能 90頁)
宿命本能を抑えるためには、最新のデータを積極的に取り入れて、知識をいつも新鮮に保つよう心がけないといけない。
(第7章 宿命本能 232頁)
数字がなければ、世界は理解できない。でも、数字だけでは世界はわからない。
(第8章 単純化本能 248頁)
いますぐ行動を!という訴えには、データを改善するところから始めるのがいちばんいい。
(第10章 焦り本能 296頁)

本編最後の章「ファクトフルネスを実践しよう」から:

なによりも、謙虚さと好奇心を持つことを子供たちに教えよう。
謙虚であるということは、本能を抑えて事実を正しく見ることがどれだけ難しいかに気づくことだ。自分の知識が限られていることを認めることだ。堂々と「知りません」と言えることだ。新しい事実を発見したら、喜んで意見を変えられることだ。
・・・
好奇心があるということは、新しい情報を積極的に捜し、受け入れるということだ。自分の考えに合わない事実を大切にし、その裏にある意味を理解しようと努めることだ。答えを間違っても恥とは思わず、間違いをきっかけに興味を持つことだ。

(第11章 ファクトフルネスを実践しよう 316頁)

素晴らしい金言だと感じ入るとともに、自分自身の行動や考え方も直せるところは直さなきゃいけないな、と痛感しました。

本を読み終えてすぐにこの動画を見ました。

データ、事実の重要性、それらに先入観をもたずに向き合うことの大切さを実感できるのではないでしょうか。

さて、この本で私が最も深くうなづいた箇所が第2章 分断本能のこの一節です。

人は誰しも、さまざまな物事や人々を2つのグループに分けないと気がすまないものだ。
・・・
「金持ち」対「貧乏」という、世界を間違った枠組みで分けてしまうと、頭の中にある世界のイメージが隅々まで歪められてしまうのだ。

(第2章 分断本能 30-31頁)

ファクトフルネスとアクティブファンド 


「パッシブ運用 vs アクティブ投資」

古くからの二項対立です。年に1回、これを思い出したかのように特集したりするのがこの界隈のマスメディアのルーティンです。

私が指摘したいのは、この二項対立ではありません。

実際のところ、パッシブ運用にも、アクティブ投資にも、細かく区分けしてみていくと様々な「流派」があって、「一緒くた」にしているよねー、ってことです。パッシブ運用には現在、個人的な関心が皆無なので、私の関心の中心である、アクティブ運用、その中でも、アクティブファンドについて書いてみます。

ファンド、投資信託は決算ごとに運用報告書が発行されます。その中に、ファンドの中身を示す箇所があります。「組入資産の明細」です。

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あるファンドの一部です。「ー」というのは、「期初には保有していたけれど、期末には保有していない」もしくは「期初には保有していなかったけれど、期末には保有している」ということです。このファンドの決算は半年ごとです。半年間でこれだけの入れ替えをやっていたということです。

別のファンドの「組入資産の明細」です。こちらは1年ごとの決算です。

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1年間ですべて売却したのは1社のみ、新たに投資先に加えたのも2社。このファンド、私は5年以上、毎月追加で買っているファンドなのですが、ほとんどの投資先が何年もこのリストに載っています。

少し極端に見えるかもしれません。

が、投資の仕方が全然異なっていると感じませんか?この2つのファンドを「一緒くた」にして「アクティブファンドは・・・」って語ることっておかしいことだと思いませんか。おかしいで!それは、って私は痛烈に感じるのですが、個人の感想なのかもしれませんね。

なんで、こんな「一緒くた」が起こってしまうのか。ロスリングさんは犯人捜しを戒めていらっしゃいました。しかし、ここは敢えて犯人捜しをします。

投資家と投信会社(業界)の共犯ということになると思います。投資家の無関心、そして、投信会社(業界)の怠慢です。投信会社(業界)の極めて不十分な情報提供に対する姿勢は、個人投資家なんて「どうせ結果しか見ていないのだろう」という勝手な思い込みが大きく影響しているのでは、と想像します。機関投資家への対応とは雲泥、いや、その表現すら当てはまらないくらいの天文学的な意識の差ではないでしょうか。

結果、投資信託やアクティブファンドに対する「愛」のない人たちの手にかかったが最後、「一緒くた」にされてしまう、拡散されてしまうのだと妄想しています。

「愛」がない人たち、マスメディアの皆さんは、パッシブとアクティブで分けたところで「はい、おしまい」思考停止、「アクティブなんて皆同じ」という分断本能に、ものの見事に支配されてしまうのでしょう。

ロスリングさんがこの「分断本能」をなによりもまず最初に挙げられたのも分かるような気がしてきます。

とはいえ、投資信託を「愛」する身としては、ここで停止していたらアカン。

「アクティブという言葉で一緒くたにするな!」ということについて、ご興味ある方はぜひ下記の記事で紹介のベイリー・ギフォードさんのインサイトをご覧ください。

「アクティブという言葉で一緒くたにするな!」という思いは、下記の定期購読マガジンの根っこにある考え方です。ご興味あれば覗いてみてください。

繰り返しになりますが、ファクトフルネスとの出会いを後押ししてくださった、徳力さん、奥野さんには心より感謝です。ありがとうございました。


P.S.

ファクトフルネスにせよ、この本にせよこの本にせよ、メインスピーカーは皆さん、他界されています。もしご存命なら今のこの世界をどうご覧になったのでしょうね。

それからもう一つ。気になった本と出会ったら、さっさと手に取らないといけませんね。あらためてそう思いました。


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