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新宿は曇り空

2024年4月30日

ずっと会いたかった人に会った。
新宿西口の広場で彼女は待っていた。
僕達は3年前、インターネットで同じ趣味の仲間として知り合った。
徐々に仲良くなってLINEも交換していた。
会う約束をしたこともあった。
それでも会うことは出来なかった。
この人とは会えないのだと心では諦めていた。

恋と憧れは凄く似ている。
10代の頃は全ての憧れを恋だと思っていた。
かわいい先輩に対する感情も美人な女教師に対する感情も全て恋だと思っていた。
今ではそれが憧れだったと理解出来る。

恋は落ちるものだ。
ひと目見て落ちることもある。気が付いたら落ちていたこともある。
憧れと違うのはその相手に対する感情だ。
相手のダサいところもカッコ悪いところも愛おしく思えることだ。
顔の割に小さな胸や、家事に向かない荒れた手のひらも、全てが愛おしく思えるのが恋なのだ。
蛙化現象なんて起きるわけがない。あんなものは憧れからしか生まれない。

会えなかった3年間、連絡を頻繁に取っていた訳では無いが、誕生日だけはずっと祝っていた。彼女から祝われることもあった。
家族の誕生日すら忘れてしまう僕が、彼女の誕生日だけはずっと祝っていた。

そして初めて会った時に思い知った。
僕は彼女に恋をしていたんだ。
彼女からは相手にすらされていないことも、同時に思い知った。

忘れていた恋心は、今でもまだ燃えています。

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