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ルネサンスが考える「エネルギー問題」

こんにちは。ルネサンスnote編集チームです。

ここ数年、カーボンニュートラル(脱炭素)の社会に向けたエネルギーの転換や、世界的な燃料費の高騰の影響など、エネルギー問題は私たちの生活により身近に、そして大きな課題になってきています。

日本政府はこの夏、電力需給に関して「極めて厳しい状況」との見解を示し、企業や家庭に対して、生活や経済活動に支障をきたさない範囲での節電・省エネの要請を出しました。

ルネサンスでは電力ひっ迫に対して、会員の方々のご理解とご協力をいただきながら、全国のスポーツクラブルネサンスで節電・省エネ対応を実施しました。

今回のように、社会的な要請を受けて節電・省エネに取り組む以前より、ルネサンスでは施設の運営におけるエネルギー問題と向き合ってきました。

今回の記事を第1回目として、ルネサンスが取り組むエネルギー問題について、複数回に分けてお届けしていきます。

初回は、エネルギー問題に長く取り組まれている、施設開発部 施設管理チームの鈴木 節子(すずき せつこ)さんに、ルネサンスが節電・省エネの取り組みをスタートした起源や、本日までの取り組みをお伺いしました。

【プロフィール】
鈴木 節子(すずき せつこ)
施設開発部 施設管理チーム  

キッコーマンスポーツクラブのM&Aによってルネサンスへ入社。
スポーツクラブの店舗経験を経て、本社の施設開発部へ異動し、現職に至る。

知識が増えることで、興味関心も高まっていった。

ーー鈴木さんが施設管理チームでご担当されているお仕事として、ルネサンスに関わる「エネルギー全般」とお伺いしました。もともとこの分野に対する興味や関心があったのでしょうか?

実は、この仕事に関わり始めた時には興味関心は全然無かったんです。 笑

今から10年ほど前になりますが、当時の施設開発部には省エネルギー推進チームというものがありました。

私がこのチームで働き始めた時には、国に対してルネサンスが排出するCO2や原油換算の数値を報告することが始まっていて、データ集めや整理をするのがこの分野に関わるきっかけとなりました。

収集したデータを事務的に処理するだけだったので、最初は取り組む意義や価値みたいなものを理解せずに取り組んでいましたが、担当業務であるからには知識をつけていく必要がありました。

施設開発部の中では、仕事に関連する情報収集に自由に取り組むことが推奨されていたこともあって、一般的なセミナーだけでなく、環境省、経産省が主催するエネルギーや環境関連の有識者会議へ出向くことにも背中を押してくれました。

インプットの量が増えていくたびに、自分の興味関心も高まっていったように感じます。

情報収集を進めて行く中で電力自由化の話題もあったりして、業務上での判断をしていくためにも、学び続けていくことの重要性を身をもって経験しました。

ーーエネルギーや気候変動についてのインプットが増えることによって、日常生活の中での気づきに変化はありましたか?

自然の中に身を置くことが好きで、ダイビングを趣味でやっているんですが、年々潜る海の海水温が上昇しているなと気づき始めました。

「北限」と言って、ある生き物の地理的な分布の北側の限界のことを指すのですが、潜った海で見る珊瑚の様子であったり、越冬しないはずの魚がこんなところにいるなという気づきから、この分野に真剣に向き合わないと、地球環境にも、私たち自身にも大きな影響が及んでしまうという危機感を感じました。

省エネの第一歩は、徹底した室温管理

ーー実際の業務では、どのような取り組みをされていらっしゃいますか。

まず、ルネサンスの省エネの取り組みについて簡単にご紹介すると、「目に見えない省エネ」「目に見える省エネ」の2つにわけることができます。

「目に見えない省エネ」として、ルネサンスが省エネルギー推進チーム発足当初から長年取り組んでいるのは、スポーツクラブ内の室温管理です。

この取り組みは、季節の変化に合わせて「暖房期」「中間期」「冷房期」と3パターンに施設内の室内温度を調整し、省エネを実施しています。

今では全国で100カ所以上のスポーツクラブ施設がありますが、地域や施設の構造によって適正となる室内温度は異なります。

取り組み当初は今よりもIT技術が進んでいなかったため、1施設ずつ省エネルギー推進チームのメンバーが訪問して調査をしました。

その結果から、エクセルシートに現在の外気温と室内温度を入力すると、最適な空調のパターンが表示されるような仕組みをつくりました。

ただ、この取り組みには難点が1つあって、シミュレーション上では億単位でのコスト削減ができるとしていたのですが、実際にどれくらいの効果があったのか、エビデンスをとることが難しかったんです。

その反省もあって、今ではお取引先のご協力の元、10カ所程度の店舗で削減されているエネルギー量やコストが見える化できるような仕組みが導入されています。

今後、この見える化の仕組みは全国の店舗に広げていきたいと考えています。

このようにスポーツクラブにおいては、室温調整の他にも様々な取り組みに努めているのですが、会員の方々のご協力あって実現できていることだと思っています。

災害時のエネルギー供給に、スクールバスが活用できる

ーー「目に見える省エネ」としてはどのような取り組みをされてきたのでしょうか。

施設の照明のLED化であったり、空調機器などをよりエネルギー効率の良いものに置き換えていくことを進めたりしていますが、特徴的な取り組みとしてV2X※のスクールバスを、リース購入した事例があります。

V2X:Vehicle to X の略で、自動車からX(対象物)へ給電するという意味

東京電力エナジーパートナー様(以下、東電EP社)のご協力の元、スポーツクラブ&スパ ルネサンス 稲毛24にクラブ送迎用のEVバスを導入しました。
このEVバスは、災害時に建物の照明や給水等の非常用電源として活用でき、照明だけでなく給水等も含めた多様な電源にも使用可能な国内初の事例となっています。

こちらの取り組みは、東電EP社のWEBマガジン「EV DAYS」にも掲載していただきました。

ーーこのEVバスの導入にはどのような背景があったのでしょうか。

少し遡ると、東日本大震災が影響しています。

私たち施設開発部では、震災の翌日には現地に向かうための工具などを購入し、3日後には現地に到着して復興支援に取り組みました。

その経験から、わたしたちは災害時に健康づくりだけじゃない形で、地域への貢献ができるんじゃないかと考えました。

有事の時には避難所ではなく、「いつも通っているルネサンス」のほうが、地域の皆さんも安心していただけると思ったんです。

そんな経験と考えがあってV2Xバスの導入を検討していましたが、いつ起きるかわからない災害に対して投資をすることは、その当時は難しかったことに加えて、EV車がまだ世の中に普及していませんでした。

その後、2015年のパリ協定がきっかけとなって地球温暖化、気候変動、SDGsというワードが日本国内でも徐々に認識されていき、ガソリン車からEV車へのシフトが必須となり、V2Xの仕組みにもスポットが当たるようになります。

当時からお付き合いのあった東電EP社の営業担当の方が、V2Xに取り組むパートナーを探されていました。
その際、ルネサンスが災害時に地域貢献をしたいと考えていることを思い出して、一緒に取り組もうとお声をかけていただきました。

そんな後押しがあったことと、このV2Xバスの取り組みを通して実現したいルネサンスと地域の関わりを社内提案として伝えたところ、経営層の方からは誰一人として反対されることなく、V2Xバスの導入が決まりました。

それだけ、会社としても「スポーツクラブ」だけでない価値を、地域の方々に届けようとしているんだと実感することができました。

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第1回目はルネサンスの省エネの取り組みの起源と、これまでに実施してきた内容をお届けしました。

次回以降は、現在直面しているエネルギー問題や、鈴木さんが思い描くルネサンスとエネルギーの未来についてご紹介したいと思います。

このような取り組みを通して、ルネサンスは「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」を目指していきたいです。

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