待機している大好きな料理本
いまやクックパッドの常連のわたしだが、独身の頃や子供が小さい頃は料理本を見て料理をしていた。
いや、一冊の料理本からひとつ作れば良い方で、実際は眺めていた。と言う方が正しいかもしれない。
料理本とはどうしてこんなに美味しそうな写真がずらりと並んでいるのだろうか。もうそれは芸術作品といっても過言ではない。
夜寝る前に料理本を眺めてから眠るのが日課になっていた時期もあった。
この料理はどんな味がするのだろう。
食べてみたい。今度作ってみようか。
想像するだけでも幸せな気持ちになる。
仕事で疲れた時、字は読めないけど、料理本を眺めることは出来た。癒されて眠りについた。
本屋に行けば必ず料理本コーナーに行った。
実用的な本より、なるべく写真が美しく、想像力を掻き立てるような本を好んで買った。
もはやレシピとしてでなく眺めるために買っていた。
いつか作ろう。いつか食べてみよう。こんな素敵な料理を作る生活をしよう。
そう思いながら見る料理本はわたしの心の糧になった。
今は背表紙だけを眺めるだけになった料理本。
料理が憧れだった時代から、そのうち大きな寸胴鍋を使って料理を作る時代に突入した。とにかく質より量!思春期の男子達の胃袋を満たすための料理を毎日必死に作る。
でもいつか子供達が巣立った時には、またこの料理本を開く時がくるかもしれない。
その時まで、わたしの本棚で素敵な料理本たちは待機しているのである。
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