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インド式エビのバーベキューグリル サルディーニャの島ワイン

灼熱の中東、海岸沿いのマーケットを散歩。

昼過ぎで38度、強烈な紫外線、歩いて1分と経たないうちに額から汗が噴出する。
海水は冷たいのかなと触ってみたがぬるま湯だ。が、透明度は高く波音も心地よい。視覚と聴覚だけは多少、涼しげな気分になる。

さて、本来の目的地のシーフードレストランを訪問。バーベキュースタイルが売りとのことで、焼いたものをその場で食べるつもりで来たが、通された店内にはテーブルがなく、地面から一段上がった木の床に座って広げて食べるスタイルのようだ。他のオプションは灼熱の日光が降り注ぐ屋外のポリプロピレン樹脂の机、椅子だ。あまり悩むことなくホテルにテイクアウトすることにした。
この店はネットで中東スタイルと紹介されていたが(せっかくなので現地の料理を食べようとした)、店員にソースの風味がどんなものか聞くとインディアンスタイルとのこと。店員・お客にも南西アジア圏の方々が多いようだ。ともあれ、調理場からいい匂いが漂っているので中東スタイルへのこだわりは一旦忘れた。
好きな魚介を選び、バーベキューかフライにするかをリクエストするように案内される。スズキ(0.5kg)、エビをバーベキューで、イカをフライで頼んだ。かなりのボリュームでこれで2,000円前後は現地の物価事情を考えるとかなりお得だ。15分ほど待ち仕上がったシーフードが包まれたアルミの皿を抱えてホテルに戻る。

これをつまみに冷えた白ワインを遣ることとする。イタリア サルディーニャ島の芳醇なワインだ。島ワインにシーフード、合わないはずがなかろう。

ピエロ・マンチーニ, マンチーニ・プリモ, ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ, サルディーニャ, イタリア, 1,898円
Piero Mancini, Mancini Prim O, Vermentino di Gallura DOCG, 2020, 13.5%
アプリコット、パイナップル、ライチ、パッションフルーツ、グァバ、南国果実が豊かに広がり、しっかりと効いた樽のバニラ香に絡み魅惑の香り、ボリュームは大きいが微かにメントール系、ライムなどの青い色の柑橘香が爽やかに抜ける。
ジューシーな果実味ながらやや抽出量は多いか香りからくるほどの果実の強さは味わいにはない(それでも果実味はしっかり)、鼻腔を抜ける柑橘果皮のビターなニュアンスも相まってややビターなニュアンスを明確に、香りからは想像できないほどしっかりとした酸味もワインにメリハリを与えていて心地よい。

ワインを本日のつまみに合わせていく。

まずはスズキのバーベキューグリル。

スズキの上にエビが乗っている

炭の香りとスパイスに負けず力強く魚肉の旨味が広がる。スズキの魚肉はほんのりと磯の香りを含んでいて炭のほのかな焦げやビターな香りと合わさったところにワインを入れると臭みになってしまいそうな予感がよぎったが杞憂だ。不思議なことにワインにより、なぜか臭みが消える。カレーに用いられるガラムマサラ、クミン、クローヴなどの香辛料がふんだんに魚体に練りこまれている。スパイスにワインが乗ると、ヨーグルトのような乳脂肪分と酸味を思わせるニュアンスが広がる。この相乗効果が魚の臭みを消し、旨味を増幅させる。
相性: ★★★★☆

続いてイカのフライに。

さすがこれもインディアンスタイルで、外観はカラマリのようだがしっかりとスパイスが練りこまれている。子供のころに駄菓子屋で買って食べた30円のビッグカツ ソース味を思わせる風味が広がる。気になってビッグカツの原材料を調べてみると、イカ粉末、魚肉、カレー粉が用いられている。共通する材料・調理法が幼少期に楽しんだ味わいを彷彿させた。揚がって風味が凝縮したイカに、スパイスの衣、風味のボリュームはしっかりとバランスする。そこに白ワインの厚みのある果実香と樽香、ハーバルなニュアンスが絶妙に調和。
相性: ★★★★☆

最後にエビのバーベキュースタイルに。

ほんのりと焦げ目が入ったスモーキーなエビをかじると、ふかふかの触感に続き、磯の香りを伴う旨味がふんだんに練りこまれたスパイスに引き立てられながら広がる。白ワインの力強い果実味、樽香、ハーブのニュアンスがエビの旨味とカレー系スパイスに完璧に調和。
相性: ★★★★★

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